2015年11月13日
プロジェクトの見取り図、
スケジュール表の作り方【超基礎編】
こんにちは。 ディレクターの大藪です。
最近ちょっと冬の気配がやってきた感じがしますよね。
先日、突然寒い日がやってきたので、家の押入れに待機させていた冬服を慌てて一軍化しました。
来月くらいには、コタツも出そうと思ってます。
さて、こちらのコーナーでは、Webディレクター業務について、仕事の進め方を中心に、経験談や日頃思っていることなどを交えて色々とお話していこうと思います。
ということで、初回はプロジェクトの行く末を決めるスケジュールについてお話したいと思います。
モノサスのディレクションチームではBtoB企業サイトのリニューアルを請け負うことが多く、1000ページ以上に及ぶ大規模なプロジェクトや、CMSなど仕様の細かいプロジェクト、時にはライターやカメラマンなど含む様々なメンバーで進めるプロジェクトもあります。
そんなさまざまなパートを束ねるには、明確なスケジューリングが必要になります。
スケジュール表では、プロジェクトのゴールと、そのゴールに向かって誰がどんなタスクをいつまでに行うかを記載していきます。
そうやって出来上がったスケジュール表は、いわばプロジェクト全体の“見取り図”とも言えるのではないでしょうか。
この見取り図をどれだけしっかり組み立てられるかで、プロジェクトの行く末が決まると言っても過言ではありません。
それでは、実際に私たちが行っている「スケジュールの組み立てかた」について説明したいと思います。
1, まずはゴールを決めます。
「プロジェクトのゴール」をサイト公開とする場合、いつを公開とするか、日程を決めます。
公開日設定は基本、クライアントが希望する日程となりますが、制作側の状況なども加味してクライアントと合意をとった上で、日程を決めることもあります。
スケジュールのベースができました。
もうこの段階でも、案件にかけられる時間がなんとなく見えてきます。
ここまで作って、結構制作日数少ない...なんてちょっと焦ることもしばしば...
2, 誰が何をするか タスクの洗い出し。
案件の流れに沿って、ワイヤー作成・デザイン作成・コーディング・CMSなどの大項目を作成し、担当者別にタスクを分けます。
ひとつの成果物に対し、制作・制作確認・修正・修正確認・決定を基本の流れとし、タスクの担当者を決めていきます。この時、タスクごとにどんな前提条件があれば始められるか、誰の確認がとれれば完了になるかなどを明確にしておきます。
例えば、クライアントからの原稿がないと制作が始められない、なんてことはよくありますので、制作前にクライアント側のタスクはないか、忘れず確認します。
また、トップページのデザインなど、クライアント確認回数が多くなりそうな工程は、確認・修正のタスクを複数回行う想定もしておきます。
3, 工数計算は余裕をもって計画的に。
まるで金融機関のキャッチコピーのようですが、これはスケジュールの話です。
各工程のタスクごとに工数を決めていきます。
横軸にあたる日付に沿ってそれぞれ日単位で工数を決め、セルを埋めていきます。
制作期間が長いプロジェクトで、1ヶ月先などの予定を立てることが難しい場合は、工数を確定できるタイミングで、スケジュールの再設定を行う予定日を予め入れておきます。ただし、最終的に期間と工数が合うか考え、可能であれば早い段階のタスク期間を縮小するなど、後半のスケジュールに余裕を持たせることが必要になります。
2〜3ヶ月のプロジェクトであれば1週間程度、半年くらいになると2週間の余裕は必須です。
4, マイルストーンと会議の日程。
クライアントと会議を行うタイミングを決めていきます。
基本UIやグランドデザインなどの大工程の決定日、いわばプロジェクトの節目となる
マイルストーンに合わせ会議予定日を設定することが基本となります。
制作期間の長いプロジェクトでは、毎週1回の定例会議を設定することもあり、
また、スケジュールがタイトになる期間や、決定事項が集中する期間は、週2回会議を行うなど、クライアントと何を話して、何を決めるべきかをあらかじめ想定しておくことがポイントとなります。
5, 担当者と相談して、より現実的なスケジュールに。
作成したスケジュールをもとに各制作担当者をアサインします。
担当者がスケジュール通りに制作可能か確認し、必要であればタスクの期間を調整します。
必要に応じて五月雨処理を行うスケジュールに調整することもあります。
例えば、10ページ分のデザインが決定後に、そのページのコーディングに着手する、という予定があったとします。コーディング期間が圧迫され対応が難しい場合、デザイン10ページのうち数ページが決定した段階で五月雨でコーディング着手できるように、同じ期間内でも進行が可能なスケジュールに調整します。
ただし、前工程の完了後にしか着手出来ない工程が、完了後になっているかなど、五月雨処理とする際には要注意です。
6, 最後に印刷してチェック!
会議の時など、作成したスケジュールを印刷することって多いですよね。
印刷した時、期待していた見た目と違うことはよくあります。
セル内の文字欠けがないか、会議用に適切な紙のサイズに収まっているかなど確認します。
また、余分なスペースはないか、文字が小さ過ぎないかなど、印刷した時できるだけ見やすくなるよう調整も必要です。
以上がおおまかなスケジュールの組み立て方です。
スケジュールは、プロジェクトを進める上で必要不可欠な軸となります。
プロジェクトのスタートからゴールまでどんな工程とタスクがあるかイメージし、期間をよく考え、余裕を持った計画を立てることが重要です。
また、スケジュールはプロジェクトに関わる複数人で共有するものなので、誰が見ても理解ができ、見やすいものになるような心掛けも大事なんです。
今後は、私たちWebディレクターの業務について、もう少し深堀りしたお話などもしていきたいと思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。