2015年12月02日
路地を抜け、
カレーを食べにいく。
モノサス界隈は細い道が多いです。脇道に入るのが好きな私には、代々木はとても面白い場所だけど、道に迷って困り果てたという人もいるのではないでしょうか。そんな細い路地をいくつか抜けた先にmoonbow(ムーンボウ)はあります。
…と書くと、なにやら難しい場所に思われそうですが、小田急線の南新宿駅からは改札を出た横の路地を抜け、右に曲がり、線路をくぐるとすぐ。(店主さんは近くに電車が通っている場所が好き、ということでここに店を出すことに決めたそうです)
実はモノサスからも近いんです。わたしが行くときは線路脇一本手前のほそーーい路地を通っていきます。初めてムーンボウにいった日、路地に微かにカレーの匂いが漂っていて「あ、近い」と確信したのを覚えています。
この青いドアを目指してください。
綺麗な青色のドアが目印。外の看板で今日が「何カレー」なのか見つつ、席が空いているのも確認しつつ、ドアを開けて中に入ります。
さいしょに耳に飛び込んでくるのはFMのDJの声。FMを流しているお店って最近では珍しいなあと思いますけど、どうでしょう。休日のドライブみたいで、ちょっとまったりとした空気に包まれます。実はこれ、今放送中のラジオではなく、店主さんが好きな番組を録りためたものだそうです。カウンター9席の小さなスペースにけっこうしっかりした音量で鳴らしています。この大きめの音で聞くDJが不思議とうるさくない。むしろ気持ちいい。
スツールに腰掛けると、店主さんがお水、ピクルス、ピクルス用のフォークを並べてくれます。もし混んでいてなかなか応対してもらえなくても、「注文しなきゃ!」と焦らなくて大丈夫。なぜならメニューはその日のカレー一択という潔さ。注文する必要はないんです。
席に着いたあとはFMを聞きながら、店主さんの仕事を眺めつつ、ゆったり待っていれば自動的に自分のカレーが出てくるわけです。
さて、今日のカレーは茄子とひき肉のカレーでした。ルーはサラサラ系。ちゃんと辛いけど、残る辛さではありません。合間にピクルスをはさみつつ、ペースを落とさずに食べ進めていきます。ライスは黄色いターメリックライス。ちなみに、少食の人は席についたら「ライス少なめ」のお願いをしておきましょう。(少なめでもなかなかの盛りです)
ふと見ると、カウンターの中では店主さんがグラスにお湯を注いで温めています。左端のお客さんが食べ終わりそうなのを見計らってチャイの準備です。銀色のポットを高く持ち上げ、グラスに向かってジャーっと注ぎます。これを初めて見た時は”インドみたいーー!!”と心で叫び(インドに行ったことはないけど)、目を丸くして凝視してしまいました。
このチャイ、セットでついてます。泡だったチャイに砂糖をいっぱい入れて飲む…うーん。落ち着く。カレーの仕上げにピッタリです。
70年代っぽさ全開のCDたち
チャイでまったりしながら、店主さんの趣味がめいっぱい表現されたような棚を観察すると、70年代のロックが多いようです。(”隙間産業”というバンドでギターやってるそうです)壁にはぐるっと来日ミュージシャンのポートレイトの数々。これは一見の価値ありのカッコよさ。日本人ミュージシャンも混ざってます。全て常連の写真家さんが撮影した、本物のプリントだそうです。(それを直接画鋲でとめちゃっているところもすごいけど。)
自分の好きなモノに囲まれ、自分のペースで働いている、無理のない感じが店全体から伝わってきます。物静かな店主さんの人柄とあいまって、なんだかすっきりした気持ちの良い空間に、一人静かに過ごしたい、ロックなオトナが多く通ってくるんじゃないでしょうか。
夜はBARになるというムーンボウ。ホントのムーンボウはこっちかもしれないなー、なんて想像を巡らせつつ、そのうち夜も行ってみたいと思っているところです。
ムーンボウ (moonbow)
東京都渋谷区代々木2-30-4 ヨシダペアランドB102
TEL:03-3299-5031
[月~木]
11:30~14:00(売切れ閉店)
22:00ぐらい~翌1:00ぐらいかな
[金・土]
21:00~翌2:00ぐらいかな(明るくなるまで)
ランチ営業、夜10時以降入店可
日曜日、祝日 (土曜は夜のみ、ランチなし)