2016年01月06日
リニューアルの強い味方
RFP をつくるための5つの法則 -前編-
マーケティング部 営業担当の坂本です。
前回の「BtoB研」で「RFP(提案依頼書)」はWebサイトリニューアルを発注するうえでとても重要である、ということをお伝えしました。では具体的に、RFPとはどうやってつくればいいのでしょうか。押さえておくべきポイントを「5つの法則」にまとめました。何から手をつけていいのかわからない、そんなご担当者さまも、この法則を押さえておけば大丈夫。今回は、まず最初に知っていただきたい2つの法則をご紹介します。
法則:その1
自分たちの現状を正しく伝える
私たちWeb制作会社が、コーポレートサイトのリニューアルにあたり、まずはじめに知りたいのは、クライアント側が絶対的に多く持っているさまざまな「情報」です。
事業内容や業界の動向、競合など、お客様にとっては当たり前のことも、外部である制作会社にとってはまったく知らないことがほとんどです。詳しく説明しすぎかな?と思うくらいがちょうどいいと思ってください。
これらの情報は、直接的にサイトに反映されることもあれば、表面的には現れないこともありますが、ベースとなる情報を制作会社と共有しておくことは、クライアントの意思を反映したコーポレートサイトへの近道になります。
「こんな情報まで、Webサイトをつくるのに必要だろうか。」
「こんなことは当たり前すぎて言う必要ないかもしれない。」
などと考えすぎて、情報量を整理しすぎたり、削ってしまう必要はありません。
私たちがRFPに載せてほしいと思うのは、次のような基本的な情報です。
1、会社の方針
- 会社の理念や、大事にしている考え方など
- 事業に対して今後目標としていること
2、自社の商品・サービス
- 主力商品・主力サービスはどんなものか
- その他の商品・サービスにはどんなものがあるか
- 商品・サービスごとのターゲット(業種・ユーザー層)
- 業界の動向、競合他社
3、Webサイトの現状
- アクセス数、ユニークユーザー数
- PCとスマートフォンからのアクセス割合
- 直帰率、新規とリピートの割合
- 検索されているワード
- よく見られているコンテンツ
4、運用体制
- 通常の更新作業に関わる人数・工数
- サイトからの問合せへの対応体制
- システムメンテナンスの体制
- サーバー管理方法
私たちWeb制作会社はWebのプロではありますが、クライアントのビジネスに関しての知見は充分にあるとはいえません。自社の理念や商品・サービスについてRFPで充分に伝えてください。
法則:その2
かかえている課題をピックアップする
次に大切なのが、課題の共有です。このときに気をつけたいのは、課題をピックアップすると同時に、それらに優先順位をつけることです。優先順位は「改善できればしたほうがいい」レベルから、「喫緊で改善すべき」レベルまで、各々の課題を整理しておくと良いでしょう。
具体的には以下のような項目です。
1、アクセス数について
- 現状のアクセス数に満足しているか
- 新規とリピーターの割合は望ましい状態か
2、問い合わせについて
- サイトからの問合せ数に満足しているか
- 問合せの手法は適切か(問合せフォームなど)
3、Webサイトからの販売について
- ECサイトからの売上に満足しているか
- ECサイトをどう展開していきたいのか
4、検索キーワードについて
- 狙った検索キーワードから来訪されているか
5、ユーザビリティについて
- サイトが使いづらい、見づらいという指摘がないか
6、コンテンツ内容について
- 必要な情報が掲載されてない、という指摘がないか
- 新たに追加したいコンテンツはないか
7、更新作業について
- 更新作業でやりづらいところはないか
- 更新の作業負荷が大きく困っていないか
8、サーバーおよびシステムについて
- サーバー管理やシステムメンテナンスに手間や時間がかかりすぎていないか
9、運用費用について
- 現状の運用費用に満足しているか
改めて棚卸しすると、多くの課題が出てくることでしょう。
場合によっては、ある課題を解決するために、ほかの課題を犠牲にすることも必要でしょうし、すべての課題を解決するには相当の費用がかかることも予想されます。そこで、ピックアップした課題に優先順位を付けておくことが重要になるのです。
このように、自分たちでサイトの現状を認識することにより、「なんとなく古くなったから」という曖昧な理由ではなく、明確な意思をもってリニューアルを実施することが可能になります。
まとめ
-
自社情報の共有は、しつこいかなと思うぐらいでちょうど良い。
(制作会社はWebのプロだが、クライアントのビジネスについては素人) - 課題を整理することで「なんとなくのリニューアル」から脱却できる。
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「これだけは譲れない」から「できれば解決したい」まで優先順位を。
(すべての課題をクリアするのは、時間・予算的にも困難)
次回も引き続き、「RFPをつくるための5つの法則」をご紹介します。