2016年02月24日
疲れた心と体、さらには財布にも優しい
代々木の中華晩酌セット
今回の裏・代々木散策マップでは、表の代々木散策マップでは紹介される機会が少ない、夜に晩酌できるお店を紹介したいと思う。
モノサスは、世間の多くのWEB制作会社がそうであるように、残業に励む社員が多い。
2月の某日、私はもうすぐ23時という時間まで会社に残って仕事を片付けた後、猛烈な空腹に襲われた。気付けば会議と納品前の確認に追われ、昼食も取らずに仕事をしていた。お腹がすくのもさもありなん、というわけだ。
さらに、上司からの小言と後輩からの突き上げにより、その日の私は身も心も疲れ切っていた。
そうなってくると、やはりビールを飲みたいという衝動にも駆られる。
しかし、この時間では居酒屋に行くのも中途半端だ。どこかサクっとリーズナブルに小腹を満たせて、ついでにビールも飲めるようなお店はないだろうか・・・。
そこで脳裏に浮かんだのが、中華料理店「昌楽」の看板である。
会社から近く、モノサス社員のランチによく使われるお店で、私もよくお世話になっている。
980円で何品か頼める晩酌セットなるものがあったことを思い出した私は、ラストオーダーの迫る「昌楽」へ走った。
あった。晩酌4点セットの電飾看板。やはり私の記憶違いではなかった。
980円(税込)で飲み物+前菜+焼き餃子+一品料理がついてくるという。
餃子以外は全て選べる。しかも選択肢が非常に豊富だ。なんとも心が躍るセットではないか。
まずは入念にメニューを選ぶ。
閉店間際なので、店員さんの早く決めてほしいという心の声によるプレッシャーをひしひしと感じながら、散々迷った挙句、瓶ビールと胡瓜の和え物、麻婆豆腐に決めた。
オーダーをすませたところで、ようやく落ち着いて店内を見渡してみる。
「昌楽」は中華家庭料理ということもあり、アットホームな雰囲気が漂っている。
家族で経営しているのだろうか?厨房には壮年の男女と、ホールには若い男性一人という組み合わせだが、どことなく厨房の女性とホールの男性が似ているように感じた。
ホールの男性はたどたどしいながらも日本語で丁寧に接客をしてくれる。
朴訥な青年といった雰囲気で好印象だ。
また、店内にはそこかしこに中国らしさ漂わせる置物やタペストリーが飾られていて、店主の工夫が感じられる。
中でも、中国三千年の歴史を感じさせる絵画に見入っていると、気付いたら料理が揃っていた。
圧巻だ。ビールの他に3品もいただけて980円(税込)とは、恐れ入る。
まずはビールで喉を潤し、さっそくアツアツの麻婆豆腐からいただく。
一口ほおばると、ガツンと来た。山椒がきいていて予想以上にピリッとする。しかし辛くて食べられないというわけではない。絶妙な辛さ加減でビールが進む。
土鍋に入っているのもいいじゃないか。おかげで時間が経ってもぬくいままだ。これはまるで中国のお母さんが息子のために作ってくれる夜食のようではないか?今の私の疲れた心に染み入る麻婆豆腐だ。
麻婆豆腐との攻防が佳境に差し掛かったころ、ふと胡瓜の和え物の存在を思い出し、気分転換のため胡瓜に手をつけた。
さっぱりとした塩ダレとゴマで和えられていて、ついつい箸がとまらなくなる。手でちぎった胡瓜は、塩ダレがいい感じに絡んでいて私ごのみである。これは頼んで正解だった。
アツアツの麻婆豆腐の小休憩に丁度よく、胡瓜と麻婆豆腐を交互に食べると永遠に食べ続けられそうだ。
そうこうしている内に、厨房のコック自らいそいそと最後の皿、できたての餃子を持ってきた。私はさっそく小皿に酢と醤油、ラー油を混ぜたタレを作り、そこに焼きたての餃子をさっとつけ、一口ほおばる。
うん、これこれ!やはり餃子は裏切らない美味しさだ。
皮のもちもちした部分と、カリッと焼いた焦げ目が合わさる食感を堪能する。熱い肉汁で舌を火傷しそうになるが、それがまたいい。そして、3個という量も丁度いい。
気づけば昼食抜きの残業で猛烈に空いたお腹も満たされ、ささくれだった心も癒されていた。
ふと時計をみると、終電まで残り10分という時間。ダッシュで代々木駅に駆け込み、なんとか終電に滑り込んだ。
これで明日もまた頑張れるような気がする。
中華料理 昌楽
東京都渋谷区代々木3-2-7 マルモール代々木1F
TEL:03-5352-5887
11:00~15:00 17:00~23:00