2016年03月04日
春にむけて
〜齊藤あかねの神山とのかかわり〜
3月になりました。今年は例年よりも早く梅が咲き始めているという神山町では、梅まつりも始まり華やかな春の気配がただよっています。
ものさす塾も、春にむけて佳境に向かっています。
卒塾課題である、レスポンシブのコーディングまでの授業を終え、実際の現場と同じように、複数人で15ページほどを制作するグループワークが始まっています。
課題に向き合い、講師や塾生同士の間で質問や知識の共有が積極的におこなわれていて、即戦力としてぐんぐんと力をつけている皆さんです。
講師や、本社から駆け付けたチームリーダーと焼き肉を囲んだ時も、やはり熱いコーディングトークが続いていました。
仕事としての意識や、仲間としてのチームワークが素晴らしい方達であると思うと、春からがとても楽しみになってきます。
それぞれが4月以降の生活の準備や課題で忙しい日々が続くと思いますが、1日1日を、より大切に過ごしていけると良いなと思います。
地域へのかかわり
そんなものさす塾の意義を実感しつつ過ごす中、町の人からのこころよい受け入れを感じられる出来事もありました。
先日、近所の廃校になった小学校でおこなわれているかかしづくりに行って来ました。ここ神山では、美しい景色とともに、町のいたるところでかかしに出会えるのです。初めは見るたびに驚いていましたが、今はあたりまえの存在となりました。
地元のおかあさん達が町の活性化のためにつくっていらっしゃるのだというかかし。町を華やかにしようとお花や作物を植え、その作物たちを鳥や動物から守るためにかかしを立てたことが始まりだそうです。初めは普通のかかしでしたが、人形のように作ってみたところ評判となり、以後さまざまなかかしが作られ、今では町のあちこちでかかしに会うことが出来るようになりました。
最近では、県外から依頼が来ることもあるそうです。
毎週月曜の夜につくられるかかし。
町のおかあさん達が、教室でにぎやかにつくっています。私もはじめてかかしづくりに参加させていただくと、どのおかあさんもこころよく教えて下さり、時折方言がわからないこともありますが愉快なお話を聞きながら、あっという間に3時間が過ぎました。
後日、この日作っていたかかしの設置場所へ行ってみました。
子供の姿が減ってきているこの地区では幼稚園がないため、かかしづくりのメンバーで、お孫さんのいる方から様子を聞いてつくったそうです。ひとりひとりに物語があり、愛情持ってつくられていることがわかります。
こうしてつくられた地域活性のかかしは、過疎化が進む地域の住民の方や訪れる方の、目や気持ちをも楽しませ、癒してくれる存在です。
子供のころから神山で暮らすおかあさんは、地域に新しい人が定着することはなかなか難しいけれど、サテライトオフィスが出来たり、観光に来たり、人の流れがあることは嬉しく楽しいと、おっしゃっていました。
今日も道を歩いていると、神山で生まれ育ち、近所にお住まいだというご夫婦に「遊びにおいで」と声をかけられ、薪ストーブで暖まりながら、たくさんのお話をうかがいました。
会社の話、資源の話、昔の段々畑の話、春の花の彩り豊かな神山や夏のホタルが綺麗な神山の話などを聞きました。多くの方から噂に聞きますが、春夏秋冬楽しみな神山の様子が目に浮かぶようでした。3歳のお孫さんも神山へ遊びに来ることをとても楽しみにしているそうです。
窓から見える景色の中にもたくさんの食材がひそんでいることを教えていただきました。
柿の木、梨の木、ビワの木、たらの木、たけのこは、イノシシが食べた残りをいただくそうです。
地域とサテライトオフィスのかかわり
地域と私とのかかわり
町の方々にとって県外などからやって来る人たちはどんな存在なんだろうか、と頭の片隅ではいつも思っておりました。しかしこうして神山で過ごされて来た方々ともふれあってみると、頭では理解していた地方創生事業と、神山にサテライトオフィスをもつモノサスのこと、そして今自分が神山に来ている意味をより身近に実感出来ます。
もちろん、限られた時間の中で私の交流がもてている方はわずかであると思います。けれど出会う方どの方も、私が何故ここに来たのか、モノサスがどんなことを行う会社なのか興味を持って理解してくださり、神山がどんな土地で、どんな歴史があるのかなど惜しみなく教えてくださいます。
サテライトオフィスという言葉も浸透しており、会社の業務内容はわからないけれど人の流れが出来ることや出会えることが嬉しい、またお話ししましょう、と言われると、サテライトオフィスや神山塾の礎を築いた方達の功績と町の方の柔軟さに感謝せずにはいられません。
会社と地域、しごとと暮らし、住民と移住者のバランスを実感しながら、神山で出会った方達との残り1か月の時間を、私も大切に過ごそうと思います。