2016年06月21日
「みる」から「つくる」へ
チェッカーから転向した新人コーダーの話
こんにちは、新人コーダー・小嶋です。といっても入社して間もないわけではありません。コーディングファクトリー部内にあるチェックチームにチェッカーとして1年ほど勤めたのち、同部のコーダーへ転身をしたからです。そんな私の、コーダーに異動することになったストーリーをご紹介させていただきます。
入社のきっかけ
ディレクション・デザイン・コーディングができるWebクリエイターをめざして、学校に通いながら、それに通じた仕事がないかさがしていたところ、モノサスの求人に確かあった「実際の現場で制作されたサイトを見ることができる」というようなキャッチコピーが目にとまりました。できあがったサイトをチェックするスタッフの募集です。それをみた時、こう思いました。
「そうか!ここだったら、学校通ってWebの勉強しながら、実際の現場で制作されているサイトを見ることができる!(技術を)盗める!」と。良い経験が積めると躊躇なく決めました。
チェック業務をとおしてわかった
制作のクオリティー
学校の入校とほぼ並行して入社し、昼は仕事して、夜と土日は学校という生活を送っていました。
いざチェッカーとして働いてみて、チェックを通してクオリティの高さに脱帽。
それまで自分が思い浮かぶサイトは古いものが多かったのですが、最近は先進的なフラットデザインのものが多かったり、細かいデザインもきれいに再現されていることを、チェックをとおして目の当たりにし、「これが当たり前なんだ」と痛感しました。
また、「じゃあ自分で、このレベルのモノをサクサク作れるかというと、今は全く及ばないな」という気持ちになったことを覚えています。(まあ、正直まだそう思っているのですが…。苦笑)
ただ、まだ経験が少ないからだと思うので、しっかり、勉強していけば必ずできるようになるはず、学んでいけば大丈夫だと考えるようにしました。
チェックの仕事と
その厳しさ
「チェック」という言葉だけだと、簡単そうに思えますが、実はチェックという業務は細かい確認が続く大変な仕事だと実感。HTMLのソースや構造を知らない方が見ていることを前提に、ユーザー目線で確認します。
一般的に見てわかる箇所はもちろん、フォントサイズや画像の1pxのズレ、角丸の具合まで、しっかり再現されているか細部までチェックします。
しかも、1日に何十ページ、大型案件では100ページ単位を同じクオリティでチェックするのですから、体力が必要。
コーディングしたページがデザインとピッタリ同じにならないとゆるされないのは本当に厳しいモノです。
しかし、だからこそしっかりしたモノしかない。
だから社内での品質の高さを維持できる。
だからみんなが刺激される。
だからさらに高い技術を取り入れていく…。
という好循環の流れが生まれるのだと感じました。
さらに、些細なことでも他のチェッカーとも連携をとり、チェック内容をまとめたり、不明点はコーダーに確認したりと、より精確なチェックを行っています。
実際にコーダーの方から、「え、ここずれてる!?」「こんなところまで見てるの?」という声を聞くときもあります。
制作側では気づかないかゆいところや、ブラウザ・端末ごとの動きの違いなども発見しますので、改めてチェックの質は高いと思います。
期待と不安いっぱいの
チェッカーからコーダーへの異動
入社して半年ほどで小規模案件から中規模案件のチェックのコツがつかめてきました。
また、その2か月後には学校で受ける授業も全て終わり、簡単なサイトの自主制作も大詰めを迎えていました。
その頃の私は、「自分は一体どうしたいのか?チェッカーを続けながらコーディングの自主制作する?」などと真剣に悩み、コーダーの方にここでどんなことがやれるのかを聞いたり、転職サイトをみたりと手足を動かしてました。
そんな中、コーダーの方から、
「ここで働いていれば、実際の案件に携わることが出来るから、確実に技術力は上がるよ」
というアドバイスを頂いたことで「やはりこの環境にいた方が確実にためになる」と、気持ちはゆるがないものになりました。
ただ、どうやってチェッカーからコーダーに転身できるのか、今までそういった異動モデルがないという状態で、どうすればいいんだろう、やっぱりモノサスを辞めて転職するしかないのか...と、1ヶ月ほど考えていました。
そんなある日。
コーディングファクトリー部・部長の伊藤から、
「あ、こじまくん、来年からコーダーね!」
と、すれ違いざまに衝撃の一言。
心の中で「キタ!」と叫びました。
とはいえ、「今の状態でできるのか?」と、自分の実力については半信半疑でした。
そんな焦りもあるなかで、少しでもコーディングに馴れようと、チェックの際にできるだけソースコードも見るように心がけました。
しかし、そこはまだまだ未熟者。
デベロッパーツールでソースコードは確認できても、実際にコーディングするとしたら、どこにこのコードを当てているのか混乱してしまい、知識や経験不足で、なんとなくの範囲で確認するのがやっとでした。
私自身、チェッカーとしてすでにコーディングファクトリーでの業務に携わってきた身。CFの品質管理をわかっているわけですから、多少なりともプレッシャーを感じています。
制作ではすでにチェックの仕事が身についているので、癖で1pxのズレでも見てしまいます。
よって、余計にコーディングに時間がかかったりするのですが、それはただ単に制作が遅いということもあります。
だからと言ってスピードを重視するのではなく、精度を上げることを意識すればおのずとスピードも上がると思います。そうなれば、決められた期日に間に合わせられるだけでなく、修正工数も少なくて済みます。
まずは精度を上げるために多くのサイトを見ることで規則性を認識すること。ソースコードを見るだけでなく、サイト全体も見て崩れそうなポイントを書きだすことや、コーディングの繰り返しの練習も必要だと思っています。
チェッカーのスキルがコーダーとして活かせること
チェッカーの最大の目的は「ミスがないか」を確認することで、単純に「制作途中のものをいったん見てもらおう」という存在ではありません。
チェッカーはコーダーのミスだけにとどまらず、「本当にこの箇所はこの見た目や動きで良いのか?」という、お客様に確認すべき点にも気づき、コーダーに伝えることで、一つ一つの安心を積み上げていきます。
これは、コーダーにとっても必要なスキルだと思います。
制作前に確認することや、制作に入ってから気づいて確認することもあると思いますので、「常に疑問を持って不安を消していく」という作業が活かせます。
加えて、チェッカー・コーダー双方とも、依頼された相手の意図をくみ取るという共通意識があるということ。これは問題を未然に防ぐことに役立つと思っています。
チェッカーとコーダーとの共通点まとめます。
- より良いサイトをつくるという目的。
- 常に疑問を持って作業することで一つ一つ不安を解消し、お客様の求めるものに仕上げる意識。
-
依頼の意図をくみ取ること。
- チェッカーは、コーダーの意図をくみ取ってチェックする。
- コーダーは、お客様の意図をくみ取って制作する。
様々な意図を踏まえて、制作を進行していくという状態を自然と作っていることです。
また、チェックスキルがコーダースキルに活かせることは
- 注意すべき点がわかるので、より精度の高い自己チェックができること。
- デザインの再現性に高い意識を持って、制作ができること。
です。
現段階で実感していることは、自己チェックができることと、疑問を持つことでミスをなくすという意識が備わっていることです。
実際に案件に入ってから、より理解を深めていこうと思います。
いよいよコーダーとしての第一歩
ついに、5月に異動となり、場所も席も移りました。雰囲気も周りのコーダーの方も少なからず知っていたのでなんの違和感も戸惑いもありませんでした。
ここから本格的に私のコーダーとしての道が始まるわけです。
さぁ、案件に入る準備をしよう!
といきたいところですが、実は、案件に入れるかどうかの判断基準となる、部で実施されているコーディングガイドラインの筆記テストと、それに基づいて制作する実技のテストが私を待ち受けており、正直ハラハラです。笑。
(今月末にはテストを行う予定なので、本気で顔晴ろうと思います。)
ただ、モノサスの良いところは、「誰もほっとかない」という点です。
諸先輩方からも都度ご意見、ご指摘をいただけるので、本当に助かります。周りの先輩コーダーたちは真剣に仕事をしていても、時には大笑いするほど、楽しく会話をしていたり、良い雰囲気で多少なりと気が楽になるのは嬉しいです。
この場を借りて、よりWebとの接点が近くなり、道を広げるきっかけをくださった伊藤部長にとても感謝をしております。ありがとうございます!
これから目指すこと
直近の目標は先ほどの通りで、基礎をしっかり理解して制作するということ。
まずは、基準値に達してから自分の方向性を見定めたいと考えています。
大枠で見れば、コーダー、ディレクション、プランナー、セールスなどいろいろ枠がありますから、おのずと自分が進みたい方向が決まっていくでしょう。
まだまだこの先に新しい可能性が広がっているので、まずはコーダーとしてのクオリティを上げて、1人前になること。
自分の力の幅を広げることが楽しみと感じています。
さあ、私の新たな人生の幕開けです!顔晴りますよ!