2016年09月06日
元コーダーのディレクターは考えた
社内ディレクションをスムーズに進める方法
こんにちは、ディレクターの中川です。
以前、「元コーダーのディレクターは考えた パーツ集からみるスケジューリング」というお話しをさせて頂きましたが、今回は社内でのディレクション業務についてお話ししたいと思います。
制作者とディレクター間にある「工数」の認識ズレ
私が制作をしていた頃によくあった認識ズレです。
ディレクターから「この依頼に掛かる工数を教えてください。」と聞かれると、私は大抵「この内容だと、工数は3日(3人日)くらいです。」と伝えます。すると、ディレクターからは「そしたら3日後(3営業日)には出せますね。」という回答をもらうことがよくありました。
工数は作業内容に対して掛かる純粋な日数のため「工数=営業日」となってしまうと、他の案件との調整が難しくなり、残業などでカバーする必要が出てきます。
そうならないように、制作側は工数を伝えるのと同時に、実際に必要な営業日を伝えることが必要です。また、ディレクター側は制作側から伝えてもらった日数が「工数」なのか「営業日」なのかを確認することで、認識のズレを防ぐことができます。
分かりやすい資料を作る
「ディレクターからの依頼内容がよく分からない」や「制作メンバーに依頼した内容が戻ってきたけれど、予想していた内容と違った」というような経験は無いでしょうか?
「見出しの下の余白をもう少し広くする」や「文章を差し替える」など、ひとつひとつは細かい指示でも、数が増えると制作側の混乱の元になり、ミスが起こりやすくなってしまいます。
そのため、資料が分かりやすいほど制作側の負担が下がります。
ただし、その資料を作るために大きな工数が掛かってしまうとディレクター側も負担となるため、出来るだけ工数を掛けずに資料を作成するようにします。
例えばあがってきたデザインの修正を依頼する時、PowerPointに現行サイトやデザインのキャプチャを貼り付け、その中にコメントを書いていくなどすれば、あまり工数を増やすこと無く制作用の資料を作ることができます。
また、ディレクター側が資料を作っていない時、制作側は出来るだけワイヤーフレームや指示書などの分かりやすい資料を手配して貰えるよう、依頼するとミスが減りやすくなります。
細かい依頼を管理するには、「スプレッドシートを使った、ディレクターのための課題管理表」でご紹介した課題管理表を使うのもオススメです。
状況に応じたコミュニケーション方法を選択する
Chatwork や Skype など、コミュニケーションを取るために便利なツールはたくさん増えてきました。
口頭の指示だと漏れてしまうようなことも、ツールを使えばメールと同じように記録に残すことができるので、このようなツールはとても重宝します。
ただ、なにより大切なのは直接声を掛けることです。
ツールでは具体的な内容を伝えることはできますが、お互いの状況などの温度感まではツールでは伝えにくいため、声をかけることでそれらが伝わりやすくなります。
ただし、直接声を掛ける際も相手の都合が悪い場合があります。
その際は、こんな風に声を掛ければ、相手の都合を考慮してお互いに気持よく仕事をすることができるのではないでしょうか。
「先ほど Chatwork に書いた依頼について説明をしたいのですが、お昼くらいまでに5〜10分程度、説明する時間を頂けますか?」
身内ほど、丁寧なディレクションが大切
お客様とのディレクションに比べ、社内は連絡が取りやすく顔見知りであることも多いため、依頼が後回しになったり、ツールや口頭どちらかのみの連絡になってしまったりなど、ディレクションが疎かになりやすいです。
「いつでも声が掛けられる」「急な依頼もできる」と思ってしまいがちですし、それ自体は間違いではないのですが、いつでも声を掛けられるからこそお互いの都合や時間の尊重が大切になってきます。
そのため、社内のディレクションもお客様と同じくらい大切にすることで仕事のクオリティも上がり、みんなで気持よく仕事が出来るようになります。
私もこれから社内ディレクションを続けていく中で、ディレクターやプロジェクトメンバーの一員として、より制作メンバーのことも考慮したディレクションができるように心がけていきたいと思います。