Wed.
21
Sep,2016
上原 健
投稿者:上原 健
(ディレクター)

2016年09月21日

テクノロジーで地域の可能性をハックする?
Field Hack TONO

TOPICS

上原 健
投稿者:上原 健(ディレクター)

いきなりですが、第 2 回 Field Hack、「Field Hack TONO」が立ち上がりました。
5 つの HACK テーマが岩手県遠野市でみなさまをお待ちしております !

Field Hack とは、プロデュース部が関わっているプロジェクトのひとつ、 Google のイノベーション東北が情報科学芸術大学院大学と共催する、全国のエンジニア、デザイナー、プロジェクトマネージャー などプロトタイプ開発に必要なスキルを持つメンバーがチームとなり、岩手県遠野市を舞台に地域の可能性に挑むプロジェクトです。

こんにちは、プロデュース部の上原です。

僕は、テクノロジーやサイエンスの力を社会に少しでもつなげることをミッション(勝手に)としており、Field Hack では、プロジェクトマネージャーとして、企画段階から関わらさせていただいております。

本プロジェクト最大の特徴は、名前にもある通り、「Field」にあります。参加者は、現地に足を運び、地域側で設けられるテーマのフィールドワークを行い、そこで発見したヒントをもとに、チームのスキル・アイデアで、プロトタイプをつくり、現地で試してみるところまで行います。

フィールドワークにて可能性を発見することと、その可能性をテクノロジーと紐付けるのは、参加者それぞれのアイデア。
決まった「型」はなく、みなさんの創造力が問われる瞬間でもあります。
みなさんだったら、どんなアイデアで、プロトタイプを開発できそうでしょうか。

上原も先日全フィールドを訪問してきましたので、テーマ内容とともにご紹介します!
なにができるか、一緒に想像してみましょう!
 

「発酵(Fermentation)」
どぶろく特区ならではの、新しいどぶろく/発酵文化・産業を

遠野には春や夏に収穫した作物を塩漬け保存することで、厳しい冬の食料を確保するという文化がありました。その知恵を受け継ぎながら、どぶろく、サラミ、チーズや熟成肉・魚介類など食材の旨味、栄養価を最大限に引き出す発酵・熟成のスペシャリストがいます。

彼の提供するお食事は、どれ 1 つとっても本当に美味しく、独学(なんと!)で10 年以上試行錯誤を繰り返した、職人のこだわりが感じられました。「全てはカビや菌が教えてくれる」と仰っていたのがすごく印象的でした。

さて、この職人の経験にテクノロジーが重なり合う瞬間はどこにあるでしょうか。

肉眼では見えない菌を可視化する?
発酵状況を遠隔で確認・操作できるようにする?
 

「限界集落(Community)」
総人口 21 名。限界集落の新しい循環のしくみをつくる

人口21人・平均年齢70歳という限界集落である米通地区では、過疎と高齢化という日本の村落が抱える社会問題を集約したような土地です。そこでは、バイタリティ溢れる地域住民が、地域の未来をかけたチャレンジを行っております。

この米通地区には、昼食後にお伺いしたのですが、いきなり集落の方からビール & 大量のご飯をいただきました。その場所は、集落の方々が最近作ったという、しっかり料理ができる大きさのキッチンがあり、カフェを作る予定とのこと。そしてモビリティー、エネルギーなどなど、ものづくりへの熱い想いを伺いました。ここでの印象的な言葉は、「生きた証を残したい」ということです。物として何かを残すことに情熱を捧ぐ方々でした。

このテーマではなんでしょう...
自然エネルギーの可視化・指標化?
誰でも簡単に作れるローカルモビリティーパッケージをつくる?
 

「ビールの里(Brewing)」
日本でトップ クラス のホップ生産量を誇る遠野をビールの里へ

遠野は 50 年もの間、国産ホップを作り続けてきた、日本随一のホップ生産地です。現在では、次の時代を切り開く新しいホップファーマーを育成する取り組みが始まっており、また、ホップの栽培のみならず、ビールにある作物や、醸造など、ビールにまつわる全てを遠野で作り出し、ビールの里へと進化させることを企んでいます。

通常3月下旬から~8月下旬くらいの期間で栽培されるホップは、5mくらいまで蔓が伸びるよう高所作業車を使用したり、収穫時にははさみ付きのトラクターを用いるなど、機械で対応する部分から、出た芽を糸に巻きつけたり、収穫量を増やすため一部の枝を高枝鋏で切るなど手作業もとても多い印象でした。現状を改善はもちろんのこと、クラフトビール文化が浸透してきたことから、ホップの多様性も需要が出てきており、今後の可能性がとても大きいと感じています。

ホップ栽培と、ビールの里の2軸で考えてみました...
高所作業をドローンで代用?
オンラインでユーザーがホップを調合してオリジナルビールを作れる仕組み?
 

「里山(Life)」
人々が恩恵を受けてきた里山の自然資本を中心としたコミュニティーをつくる

遠野は四方を山に囲まれ、水や森など自然資源がとても豊富な里山です。馬搬など馬との繋がりも強く、遠野独自の家屋建築に代表される南部曲家へと発想されました。しかし、かつての営みは少しずつ失われ、農村も自然も本来の姿を失いつつあります。そこで地域を再定義し、自然資本で地域内経済を作り、新たな社会へとつなぐ動きが始まっております。

遠野から流れる川は、宮城県石巻市まで続いており、その自然の流れを一つのデータとして、可視化し、地域を超えて、自然資本のあり方、活用の仕方の価値観を共有していきたいとお話されてました。

少し大きなテーマですが、どうでしょうか...
水の流れと各地域における水の活用状況をマッピング?
馬の時間貸しサービス?
 

「商店街(Tourism)」
古くから交通の要所であった遠野に、世界中の人が巡る仕掛けをつくる

日本民俗学の道を切り開いた「遠野物語」が生まれた遠野は、内陸部でありながら、多様な人が行き来する交通の要所でした。日本各地を遊動する人々が遠野を訪れ、そこから持ち込まれる話や文化を吸収し、独自に発展させてきた特異の場所です。一方、時代の煽りを受け、かつての面影が薄れてきていることも事実です。

今回のテーマでは、創業 140 年以上のまつだ松林堂 三代目の松田さんとご一緒させていただき、遠野の歴史と地理的文脈を受け継ぎつつ、国内外の人々が交差するグローバルな仕組みをつくり、多様な文化が生まれ、地域経済が循環することを目指します。

観光なのか、定住者を誘致するのかで考えてみました。
商店街の歴史をVRで発信?
空き店舗を状況を可視化し、移住者を促進?


以上が5つのテーマでしたが、わくわくするアイデアは生まれましたでしょうか。
文面からだとわかりづらかったかもしれません。

ぜひ、みなさんのアイデアとテクノロジーで「Field」をハックしましょう!

僕自身も実際に現地に足を運び、見聞きすることで、見える視野が変わったと思いますし、
それでこそテクノロジーの力を最大限に活かせる瞬間がくると信じております。

現在エントリーを受け付けております。締め切りは、9 / 26(月) 迄。

詳細は、Field Hack TONO の特設ページから確認いただけます。

この投稿を書いた人

上原 健

上原 健(うえはら けん)ディレクター

プロデュース部の新人。東京都大田区出身。化粧品、アドテク業界を経て、モノサスに入社。 現在は、プロジェクトマネージメントを担当(希望)。週末は、釣りして、飲んで食べる。 年内に動くものを作ることを目的に、最近はコーディングも勉強中です。

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