2016年11月04日
わたくし川村がタイで4年間、タイ人たちと共に働いて感じた、タイで働く上で気を付けたい点
こんにちは。モノサスタイランドの川村です。
タイは現在、雨季真っ只中。(タイの雨季は毎年6月〜10月頃まで。ほぼ毎日のようにスコールが降ります。)記事が公開される頃には雨季が明け、過ごしやすい乾季となっている頃でしょうか。
さて、今回はわたくし川村がタイで4年間、タイ人たちと共に働いて感じた、タイで働く上で気を付けたい点をご紹介させていただきます。
1. 話せなくても恐れるべからず。相手はコミュニケーションの達人です。
タイで働き始めたときに、誰もがぶちあたるのが、言語の壁でしょう。
筆者のケースでは、タイで働きだす前に3か月間、タイ語の学校へ通い、一通り基本的な会話については学んでいたつもりなのですが、業務レベルで物事を直接伝えるということとなるとやはりチンプンカンプン。
幸い、モノサスタイランドにはしっかりした通訳さんが2名在籍しているので、業務に支障はないのですが、陥りやすいのが、タイ人との会話の際、通訳さんに頼りっきりになってしまうこと。
業務において、物事を伝えるのに「正確さ」が重要な場面は本当に多いです。
ただし、多少分かりにくくても、時には身振り手振りを交えながらでも、「伝わればOK」といったケースもあるでしょう。
最初のうちはこちらの問いかけに対し「???」が返ってくるでしょう。そうしたら、ボディランゲージを駆使し、または知ってるタイ語や英語の限りを尽くして、説明してみる。
はじめは、うまく伝わらない怖さがあるかと思いますが、心配は無用です。タイ人は基本的に対話が好きな方たち。こちらがうまく話せなくても、話を聞き理解しようと努めてくれるはずです。
コミュニケーションとは、人と仕事をする上で欠かせないものですが、ここタイで現地のタイ人と働く場面では、小さなコミュニケーション一つ一つが、日本人、タイ人が双方にとって、働き方、文化や価値観の違いなども共有し、学びあえる場としても、とても大切なものとなっています。
2. タイに根付くSabai(サバイ)の精神
タイでよく使われる言葉にSabai(サバイ)という言葉があります。僕も好きな言葉の一つです。「気持ちがよい、快適だ、楽だ」という意味ですが、タイ人を表現するのにふさわしい言葉だと思います。
そうか、タイ人は、楽観的なのね、と思われるかもしれませんが、僕がお伝えしたいのはそういう意味ではありません。
僕が感じているのは、タイの人たちは「どんな状況下でも、皆で楽しく、気持ちよく生きる」ことに長けているということです。
そして同時に、人と人のつながりをとても大切にしているなあと、感じさせられます。それが意識的に、頑張ってそうしてる、という具合でもなく、ごく自然と寄り添い、助け合う習慣が身についていると感じられます。
他人事すら、他人事にしない、そんな風習が生活の中にちりばめられています。
そんなタイ人の国民性。大好きです。
3. タイの政治、その現状
2014年5月に勃発した軍事クーデター以降、タイは軍政により統治されています。
ちなみに、2014年のクーデターは、通算16回目のクーデターとなり、もはやお馴染みと感じている人も少なくないかもしれません。
2016年8月、国民投票で軍政指名の起草委員会がつくった新憲法草案が可決されました。
2017年末には総選挙が実施される予定となっていますが、草案の内容には、総選挙後も5年間は上院(定数250)の6議席が軍の最高司令官らに与えられ、かつ残りの上院議席も軍政が選ぶシステムとなっているとのことで、引き続き軍の影響が色濃く反映される懸念もあります。
軍政になったとはいえ、生活に不便さを感じるとか、日々緊張状態が続いている、という訳ではないのですが、これからの行き先が心配なのは在泰日本人としても同様です。
4. 王室の話には注意が必要!?
本記事の執筆中、10月13日に国王ラーマ9世が死去されました。
ラーマ9世は歴代でもっとも国民から愛された国王であるとも言われていたため、タイ国は今、大きな悲しみに包まれています。
王位継承の問題などもあるため、これからのタイの行き先については、国民、または在泰外国人の多くが気にかけている問題ですが、人前でこれらの問題について発言する際には注意が必要です。
タイでは今も尚、不敬罪が法律によって定められています。
これはどういうものかというと、もし王室に関する批判をしたとみなされ、起訴された場合、有罪判決となれば最長15年の禁固刑が課せられる、といったものとなります。タイ人、外国人問わず適用されるということです。
一例を取り上げると、2014年、Facebookで王室を中傷したとされる男性に、禁錮30年の刑が言い渡されたというものがあります。2014年5月のクーデター以来、不敬罪での有罪判決が大幅に増加しているという情報もあります。
普通に生活をする上では特に問題になるケースは少ないと思いますが、頭の片隅に覚えておいたほうが良いでしょう。
5. 言葉使い、挨拶
これはタイに限ったことではないですが、一緒にお仕事をするうえで、「伝え方」はとても重要ですね。タイ語は基本的に語尾に男性であればKrab(クラップ)、女性であればKa(カー)を付けることで丁寧語となります。省略してももちろん伝わるのですが、きちんと丁寧語で話す癖を身につけたいですね。
更に、タイ語は日本語と違い、言葉には5つの声調が存在します。
- 「平声」(-)・・・普通の声の高さで平らに発音する
- 「低声」(\)・・・低い声で抑揚をつけず平らに発音する
- 「下声」(∧)・・・高いところから一気に下降する調子で発音する
- 「高声」(/)・・・高い声で最後まで平らに発音する
-
「上声」(∨)・・・低いところから上昇させ高い音で終わる
声調の違いは日本人にはあまり馴染みがありませんが、タイ語は声調が異なると、全く別の言葉、意味になってしまうのでこれも注意が必要です。
また、タイでは基本的に年下から年配に対しワイ(タイの合掌)をする習慣があります。
こちらも日本人だと大目に見てくれる傾向がありますが、お客さんや年配の方へはワイで挨拶ができると、よりタイ人の心に踏み込めるのではないでしょうか。
以上、今回はタイで生活する上で気を付けたいことを書かせていただきました。
また近々タイの情報をお届けいたします。それではまた!