2016年11月24日
30代の同世代ディレクターふたりが語る、仕事の本音と今、大切にしていること
Interview ヤマトWebソリューションズ株式会社 金子沙林さん
「めぐるモノサシ」、今回ご登場いただくのはヤマトWebソリューションズ株式会社(以降、YWS)の金子沙林(かねこ さりん)さん。ディレクターの大藪からの「ゆっくり、もっと深く話してみたい」という希望によって実現しました。
金子さんと大藪のつながりは、YWS様から依頼で、ヤマトグループのヤマト・スタッフ・サプライ株式会社様のサイトリニューアルを担当したのがはじまり。
手探りの案件を文字通りの二人三脚で進めるうち、意気投合したというふたり。一段落後の懇談会では、金子さんから「次の案件も大藪さんでお願いしたい!」という嬉しい言葉も飛び出したのだとか。
金子さんに対してまさに「ともに生きていきたい人たちと働く=ともはた」的な印象を受けた大藪。今回は同世代のディレクターとして、気兼ねない対談となりました。
大藪からの金子さんへの手紙
金子さんとの出会いは、去年の年末、ヤマト・スタッフ・サプライ様のサイトリニューアル案件時。
いくつもの山を乗り越え、無事サイトが公開された時、金子さんと電話で「お疲れ様でした!」とともに喜びあえたことは今でも忘れられません。
こうして、辛い時期も嬉しい瞬間も共有できたことが、「ともはた」と思えるキッカケだったと思います。同世代ということもあり、懇親会などOFFの時間は、お互い本気で笑えるような雑談をする機会も。
そんな時間も共にし、いつの間にか、「金子さん = 気になるあの人」になっていたのかなと思います。まだ短い期間のお付き合いですが、苦楽を共にした人、気になる人 な金子さんに、ゆっくり色々話を聞いてみたい!ということで、今日はインタビューさせていただきます。
お互いが「ここぞ!」のタイミングだったから
生まれた特別なつながり
インタビューは、ふたりのつながりのキッカケとなったヤマト・スタッフ・サプライ様のサイトリニューアル案件の振り返りから。話してみると、意外にもそれぞれにとって期するものがあるタイミングでした。
金子
今、思い返してみると私がYWSに入って3年目に差し掛かるタイミングでした。ディレクターの役割ははじめてで……。
正直、「ディレクションの『ディ』の字もわからない……」と困っているときに、大藪さんと一緒に仕事をさせていただくことになりました。
大藪
そういうタイミングだったんですか。
金子
そうです。だから、「ディレクションは、こういうふうに進めるものなんだ」と現場で学ばせていただきました。そういう意味でも御社と仕事ができたタイミングが運命的でした。ディレクターの役回りを求められるようになった最初の段階だったので、すごく良い経験にもなりましたし、改めてありがとうございます。
大藪
こちらこそ、です。たしか、案件が始まったのは去年の年末でしたよね?
金子
はい。もう1年ですね。
大藪
じつは自分としても2016年を迎えるに当たってとても重要な案件だったんですよ。というのも、去年1年の僕はディレクターとして修行中の身で、大きな失敗もしていて、ここから心機一転巻き返したい、去年の失敗を取り戻す、と。そう意気込んでいたタイミングだったんです。
金子
そうだったんですね。
大藪
最初の打ち合わせから「今年こそ!」という気持ちだったんです。そう考えると、自分にとっても金子さんと同じくいいタイミングでの案件でした。
金子
結果的に「問い合わせが増えた」という報告をいただいていますし、当社としても実績になってよかったです。
大藪
私も金子さんの言葉もあって、社内のMVPいただきました。ありがとうございます。
金子
大藪さんの仕事の進め方で印象に残っているのは、課題管理表です。作業の履歴が残り、進行を管理していく上で、こういう方法を取ればいいのかと今も参考にさせてもらっています。
また、確認がとても細かくて、確認ミスなどを防ぐことができたのもありがたかったです。最終的にこういうことを確認しなくちゃいけないんだということを学びました。
あと、当社は少し特殊な動画を使っていて、表示が一部崩れたこともありましたが、そのとき大藪さんがご自身で修正してくださったのも印象に残っています。
大藪
けっこう複雑で長いソースコードをそのまま埋め込めば動画が出ます、という予定だったんですが、じつはカスタマイズが必要だったんですね。
金子
結果的にはソースコードにプログラムを1行足す必要があっただけでしたが、わからない方には気づけない。それをディレクターさんがやれるのはすごいなと思いました。
大藪
その辺り、自分はちょっと特殊で、モノサスに入ったのもコーディングがメインで。その経験があるのは、強みだと思っています。
金子
制作の経験が豊富だからこそ、作業感がわかり、これは重い作業だな、これは軽い作業だな。これだったら何日でできるなと。そういう予測が付くから、臨機応変に対応していただける。そういった点も助かりました。
大藪
でも、金子さんもある程度、コーディングの知識がおありだったので、打ち合わせがスムーズで。だからこそ、いい連携が取れましたし、仕事を進めやすかったです。
仕事の基本は人と人とのやりとり
ひと言の差によってコミュニケーションの質が変わる
大藪
今、金子さんが仕事上でこだわっているのはどんなところですか?
金子
仕事の基本は人と人のやりとりなので、コミュニケーションはきちんと取りたいなと思っています。
ディレクターは業務上、交渉や調整が多く、言い方ひとつで印象は変わりますし、上から目線の接し方はしたくないです。基本は「一緒にがんばりましょう」というスタンスでやっていきたい。
実際、納期が短く、社内にリソースがない状態で、パートナー企業にお願いするケースも「やってくれない?」という伝え方はしたくない。自分が逆の立場なら、「本当に申し訳ないのですが」のひと言で、「仕方ないな」「やってあげよう」という気持ちになりますから。
大藪
同じものができたとしても、作る過程を意識されているんですね。
金子
修正をメールで依頼した後も1本電話して、「これ、大丈夫な内容ですか? 申し訳ないのですが」と、ひと言添える。そういうところにこだわっています。
大藪
たしかに、こんな重い話をメールで済ませるのか……と思うことってありますもんね(笑)。ちなみに、モノサスはどんな印象ですか?
金子
この取材の件を大藪さんからお電話いただいたとき、別件で別のパートナー企業と同席しました。そうしたら、「モノサス」という会社名が出ただけで、「あ、コーディングファクトリーじゃないですか」という反応があり、「モノサスはいいよね」と。そのパートナー企業はシステムを組む会社なので、こういうふうにコーディングしてほしいと言ったら、正確に仕上げてくれる」と言っていて。「当社もよくやっていただいて、正確性が高いですよね」と話をして盛り上がりました。
大藪
お客さんからの声を直接聞いたことがなかったので、うれしいです。
金子
御社は業界的に有名で、品質が高いと思います。そのような会社と一緒にお仕事させていただけることは光栄だなと思っています……。ちょっと褒めすぎましたか?(笑)
大藪
(笑)恐縮です。ありがとうございます。
金子
以前、招待していただいたモノサス主催のパーティーもすごかったですね。料理がびっくりするくらい本格的で驚きました。
大藪
自社のことを言うのもあれですが、料理はマジでうまいです。今年も11月11日に12周年の創立記念パーティーを行いますので、ぜひご参加ください。
金子
ありがとうございます!
地方に行ったとき、ふと気がついた
東京にいると見過ごしてしまいがちな仕事の価値
大藪
金子さん、今後はどんなキャリアをイメージしていますか?
金子
急に面接みたいですね(笑)。どうでしょう……。今の仕事は楽しいですし、人間関係も良くて、みんな好きなので。会社に来ること自体、楽しめているんですよね。
だから、もうちょっと規模の大きい案件や自分のやったことのない案件にチャレンジしていきたいですね。
大藪
気に入っているポイントはどこですか?
金子
グループ内で連携していく仕事がすごくおもしろいですね。他の会社ではなかなか経験できない規模だと思います。
ヤマト運輸の営業所に行くとタブレットで宅急便の送り状を出したりできる「ネコピット」というシステムがあるのですが、そのインターフェースのデザイン制作の一部を担当しました。
この間、新潟に行ったとき、お米をヤマト運輸の営業所から出そうとしました。そうしたら新潟の営業所にも当たり前のようにネコピットがあって、私が描いた絵も出てきて、「わああ!」と、うれしくて声をあげてしまいました。
大藪
それはうれしいですね。
金子
東京のオフィスで働いていると仕事のスケール感がよくみえないこともあるのですが、地方に行ったとき、自分がやった仕事が形になってそこにあって。熱く語ると、私は何かを残したいんですよね。仕事でやったことを。だから、ネコピットを見たときは、ああ、ヤマトグループの仕事をしていてよかったなという感覚がありました。
大藪
全国津々浦々に営業所ありますもんね。
金子
やっぱり、やりがいがありますね。普段は大変なこともありますが、できあがって使ってもらっているのを見ると、家族にも自慢できますし、うれしいですよね。
(インタビュー構成:佐口賢作)