2017年04月14日
日本×タイならではの制作体制
モノサスタイランドの仕事の進めかた
こんにちは。モノサスタイランド(モノタイ)の宮川です。
モノタイが日本モノサスのオフショア制作拠点としてスタートしてから約3年。コーディングファクトリーのサービスを中心に、モノタイではモノサスのWebサイト制作におけるコーディング業務を数多く担ってきました。おかげ様で、そのプロジェクト数は既に500サイトを超えています。
今月はそんなモノタイの、日々の知られざる制作体制についてご紹介します。
日本との制作体制の違い
まず、日本とタイの制作体制の大きな違いは、モノタイでは、ディレクションを日本人が行ない、コーディングはタイ人が行なうという点です。
そこに初めは不安を感じられるお客様もいらっしゃいますが、制作後にはディレクションや納品物への満足のお声も多くいただいています。
モノタイの業務時間はタイ時間の9時~18時。日本とは2時間遅れの時差があり、朝は日本時間の11時〜お客様とのやり取りが始まります。
日本モノサスは10時〜なので実質1時間の遅れとはいえ、お客様にご不便をお掛けしてしまうこともありますが、逆に時差2時間をメリットと捉えていただけることもあります。
例えば、入稿予定日の翌朝11時(日本時間)まで入稿が遅れても、タイではちょうど始業開始時刻。予定通りの着手に間に合うのです。
海外制作の課題と方針
お客様からは満足の声も多くいただく一方、やはり「海外で制作する」ということに対して不安を感じられる方がいらっしゃるのも事実です。
確かに、海外で制作をする上では解決しなければならない課題があります。
業界を問わずオフショアの課題を見聞きしてみると、以下の2点に集約されることが分かりました。
- コミュニケーションの障壁
- 案件単位での品質管理の不徹底
この2つは相互に絡み合う課題です。これらを解決するための、属人的なスキル頼みではない「仕組みとしての品質維持・向上策」として、私たちの制作体制は存在します。
CF×タイならではの案件制作体制
制作体制のベースはコーディングファクトリーのワークフローに沿ったものですが、タイでは特に重要なコミュニケーションポイントがいくつかあります。
1:お客様 × 日本人ディレクター
制作時にお客様と制作メンバーが円滑に意思疎通をすることは、何をおいても重要です。お客様にとってコミュニケーションがとりやすく、感覚を同じく話ができる日本人ディレクターが、お客様とタイ人コーダーのハブになります。
よりコミュニケーションをとりやすくするためのインフラも整え、東京オフィスとタイオフィスをIP電話で繋ぎました。東京にかけていただければ内線でタイに繋がり、通話料も日本と変わりません。
社内でも別フロアへかけるような感覚でタイに繋がるので、メンバー間の心の距離もグッと近くなりました。
また、制作着手時の顔合わせなど、必要に応じてSkype等でのビデオ会議も行なっています。
2:日本人ディレクター × タイ人コーダー
タイ人コーダーへの仕様説明や質問への回答などは、通訳スタッフを介したり直接英語やタイ語で会話したりと、状況により最適な方法を使い分けます。
正確な伝達が必要な際は必ずテキストでも残し、ニュアンスの説明には図解や身振り手振りでの説明も加える。互いがちゃんと理解し合うまで、じっくり丁寧な対話を心がけています。
3:タイ制作チーム × 品質管理部
コーディングファクトリーのサービスにおいて、品質管理部が果たしている役割は非常に大きなものがあります。タイでの制作でもそれは変わりません。東京にいるチェッカーが、拠点を問わずに品質管理を徹底しています。
基本の流れは、品質管理部への仕様の展開を日本人ディレクターが行ない、チェックバックの日本語指摘を通訳が翻訳し、タイ人コーダーへ展開しますが、仕組み化によるオペレーションの改善も日々進めています。
例えば、チェック指摘での頻出ワードを英語の定型文でリスト化して使用することで、通訳が訳さなくても直接コーダーへ展開できるようにするなどの工夫です。これにより、日本語表現の揺れや曖昧さへの個別対応工数も格段に減りました。
仕組みの中で活かす個の力
コーディングガイドラインの徹底や、勉強会・情報共有会の実施など、品質向上やスキルアップの仕組みも整えながら、モノサスタイランドは独自の強みを見出すべく日々進化を続けています。
属人的なスキル頼みではない「仕組み」としての制作体制がベースにありながら、つくり手は一人ひとり異なる特性を持ったプロフェッショナルなクリエイターであってほしい。そう願いながら、一人ひとりとじっくり向き合い、長所を伸ばしていこうとしています。
タイならではの、個性を活かしたチームづくりを今後も目指していきます。