2017年04月20日
忙しくてもおしゃれゴコロは忘れない!
Webデザイナーが分析する「はたらく女子」のトレンドチェックアプリ
こんにちは。デザイン部の滝田です。
4月も後半、なかなか気温が安定しませんでしたが、ここ数日かなり暖かくなってきました!軽めのアウターに衣替えすると、今春のファッショントレンドが気になる頃ではないでしょうか?
できればお店をゆっくり見て回りたいけれど、仕事が立て込んでいたりするとなかなか時間を作れず、今シーズンも乗り遅れてしまった…。なんていうことが最近続いています。
トレンドはおさえておきたいけど時間がない、「はたらく女子」にありがちな状況ではないでしょうか。
そこで便利なのは、やっぱりアプリ!
前回の記事でファッション雑誌のお話をしましたが、今はアプリでトレンド情報を仕入れている人も多いかと思います。
今回は「はたらく女子」目線で選んだアプリで体験できることや、それを実現しているデザインについて分析してみました。
今回とりあげるアプリとユーザー像
今回とりあげるアプリは、女子の注目度が高い&忙しい時に気軽に情報収集できるアプリを2カテゴリーに分け、分析していきたいと思います。(実際に普段わたしが使っているアプリたちです)
1.ファッションコーディネート系のアプリ
忙しい女子のトレンドチェックとお買い物を同時に!ECサイトと連動している。(※男性ユーザーも多いアプリも紹介します!)
2.ライフスタイル系アプリ
ファッションから料理レシピまで、最新情報を毎日更新!近年増加しているキュレーションメディア。
女子向けでしょ?ハートにリボンにピンクでしょ?と思っている人!
あなどることなかれ、昨年初開催された「Google Play Best of 2016」に選ばれている旬なアプリも登場します。
忙しい女子たちにも支持された、疲れててもちょっと息抜きに見れちゃうような便利機能が盛りだくさんなアプリをピックアップしました。
より具体的にイメージしていただくために…
今回のアプリを使う「はたらく女子」像 ※というかわたくし、滝田像です
- Web制作会社デザイン部所属
- アパレル勤務歴あり
- 起床8時 出勤は11時(通勤1時間)
- 週に3回くらいは残業
- 趣味はホットヨガ、ヘッドスパ、たまにゲーム
- 好きなファッションはフェミニン・カジュアル・モードなど
- 通勤の電車の中で、アプリからトレンドの情報収集をしている
- 買い物に行く時間がないことが多く、オンラインのECショップの使用率が高い
1.ファッションコーディネート系アプリ
自分の好みに合ったファッションアイテムを自動で毎日届けてくれる、ファッションコンシェルジュのような「IQON」
提携ECサイトのファッションアイテム画像を自由にコラージュして、自分のお気に入りのコーディネートを投稿できるアプリ。ファッション関連の記事を中心に、コスメや美容のトレンド情報も満載です。
またこちらのアプリ、「Google Play Best of 2016」でベストイノベーティブアプリ部門の大賞を受賞したとのこと。
IQONで体験できること
季節の変わり目は、街ゆくオシャレな人が特に目に入ります。すると、そんなオシャレさんたちに刺激され「新しい服がほしいなぁ」なんて思ったりします。
でもゆっくりショッピングをする時間もないし、どんな服があるか探している暇もない。情報収集が足りず、いまの流行りがいまいちよく分からない・・・。
そんな「はたらく女子」のキモチをまとめると・・・
- 季節の変わり目で新しい服がほしい。
- 仕事が忙しくて今季のトレンドのチェックはできない。
- “今っぽく” て “自分の好み” のアイテムを見つけたい。
- “なんとなく” 服が欲しいけど、具体的な検索キーワードが思いつかない。
そこで便利なのが、IQONの「For you」という、ファッションアイテムのレコメンド機能です。
お気に入りや購入済みのアイテムから好みを分析して、自分に合った最新アイテムを、毎日10アイテムもオススメしてくれます。(有料会員になると、なんと1日100アイテムも!)
何がほしいのかニーズがはっきりしない場合でも、今シーズンのトレンドをチェックしていなくて検索ワードが出てこない場合でも、最新のアイテムの中から自分の好みに合った商品を見つけることができます。
またお気に入りにしたアイテムが多くなればなるほど、より自分の好みに近いものが表示されるので、アプリの使用率もレコメンド機能の精度もどんどん上がっちゃう機能なんです。
テイストが無数にあって多様なファッションスタイルから、ひとりひとりの「かわいい」に合うアイテムを高い精度で探し出してくれる “ファッションコンシェルジュ” のような機能です。
デザインについて
シンプルですっきりした印象でありながら、フォントやアイコンの線が細字であったり、丸みをおびたあしらいが多様されたりと、フェミニン系の女性ファッション雑誌のようなデザインになっています。
例えばピンク色をキーカラーとして使うことにより、ターゲットを女性に絞っていることが伺えます。
試着いらず!リアルな着用画像が見れて、アイテム購入までの導線がとてもスムーズな「WEAR」
ECショップの最大手「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイが運営している、ファッションコーディネートアプリ。
こちらは上記で紹介したIQONと違い、男性のユーザーにも人気です。
有名人・モデルの投稿はもちろん、インフルエンサーと呼ばれる一般の人気投稿者たちの画像掲載も多く、リーズナブルでお手本にしやすい着回しもたくさんあります。
WEARで体験できること
仕事の休憩中に、アプリでオシャレなコーディネートを眺めていると、運命の一着に出会うことがあります。でも今日は残業がありそうだし、帰るころにはもうお店が閉まっているかもしれない。
そんな「はたらく女子」のキモチをまとめると・・・
- お店で試着する時間はないけど、洋服のサイズ感やシルエットは重要。
- 商品画像を見ただけでは、着用時のイメージがつきにくい。
- モデルさんの身長ではなく、自分の身長での着丈が知りたい。
- できれば、この休憩時間内に購入の手続きまでしたい。
「WEAR」では全てコーディネートを着用画像で紹介してくれているので、店頭で試着しなくても自分が着た時の状態をより現実的に想像することができます。
また投稿者の身長を必ず明記してくれているので、自分に近い背丈の人を見つけることができれば、スカートやワンピースなど着丈が気になるアイテムでもリアルなサイズ感がわかります。
オンラインショップで購入する場合、しばしば「実際着てみたら、思っていたシルエットと違う」「サイズ感が合わない」という問題が起こります。しかし着用画像ありきの「WEAR」であれば、そのイメージとの差異を大幅に削減することができます。
着用イメージとの差を補完してくれるので、ネットショッピングの必須アイテムとなっています。
またWEARでは着画のアイテムに直接にのタグが貼られていて、ひと目でどこのブランドのアイテムなのかを知ることができます。
画像とブランド名の表記が別々になっていると両方を見比べる必要があり、どのアイテムがどのブランドであるのかわかりづらいことがありますので、この表示の仕方はとても見やすいです。
さらに青いカゴのアイコンがついているアイテムは、ZOZOTOWNの商品詳細ページにリンクしていて、商品購入までの導線もスムーズ。
ちなみに、このタグは投稿者が配置の設定ができるので、自分のコーディネートの邪魔にならない場所に表示することができます。
デザインについて
アプリ全体の配色はモノトーンで、男女問わずのユニセックスなデザインになっています。また余計な色彩がないことで、画像を引き立たせるデザインになっていますし、投稿画像への配慮が感じられる設計になっています。
2.ライフスタイル系アプリ
未読・既読がひと目でわかって読みやすい、空き時間にちょこっとトレンドチェックできるキュレーションアプリ「LOCARI」
ファッションやメイクから、恋愛やアクセサリーのDIY記事まで、さまざまなジャンルに最新のトレンドを取り入れたライフスタイルを提案してくれるアプリです。
また料理の簡単レシピや収納術など、お家で使える小ワザも紹介しています。
1日2回の更新なので、会社の行き帰りの移動時間なんかに気軽にたのしくチェックできます。
LOCARIで体験できること
今日も1日仕事をがんばって、お部屋でのんびりとアプリを開いてトレンドをチェックしている時。
気になった記事を開いて、あれ?この記事もう読んだっけ?なんてことが、よくあります。
読み終えていたことに気づいて画面左上にある「戻る」ボタンを押すことも、何度も重なると意外とストレスです。
そんな「はたらく女子」のキモチをまとめると・・・
- 空き時間にちょこちょこ見ているので、前読んだ記事のタイトルを覚えていないので、未読記事をすぐ見つけたい。
- 何か買わなくても、ちょっとした工夫でできるお手軽な美容情報が知りたい。
- 電車移動などの短時間でも読み切れる、短くてわかりやすい記事が読みたい。
LOCARIでは記事の一覧ページで、既読のものは画像・テキストともに透過されているので、ひと目で未読の記事を選択することができます。
同じようなキュレーションメディア系アプリでもこの機能を実装しているもの、していないものがありますが、断然あるほうが便利です。
息抜きも兼ねてアプリを見ていることもあるので、心地よく閲覧できる仕様はありがたいです。
また、記事を手軽に読みやすくする工夫もみられます。
例えば画像サイズが大きく、多用されていること。
ファッションアイテムの紹介記事も、簡単収納術のHow to 記事でも、いずれも画像が多く、スマートフォン1画面につき1画像、もしくは1段落1画像くらいのピッチで配置されています。
電車の移動中なんかに片手で記事に目を通していても、パッと目に入ってくる画像でイメージが膨らませやすい見せ方になっています。
個人的なオススメポイント
個人的にオススメしたいのは、「ベストヒット」というカテゴリーです。
最新情報ではないけど、これなら絶対はずさない!手間や失敗が少ない!そんな定番のトレンドをまとめてくれています。
今日はアップヘアーにしたいけど、いろいろと試している時間がない・・・そんな朝に重宝しています。
デザインについて
ヘッダーの配色やロゴなどのキーカラーが、時間で切り替わるように設定されています。
ピンク・オレンジ・イエロー・水色などいずれもパステルカラーの背景色と、それにあわせた文字色が使用されます。
他のアプリはアイコンの使用色とページ内のキーカラーを統一している場合が多いですが、LOCARIのようにあえてキーカラーを固定しないのは、多様にコンテンツがあるイメージを訴求しているのかもしれません。
ヘアメイクも料理レシピの手順も、女子の知りたい情報が1分間の「タテ型動画」でササッとわかる「C CHANNEL」
最新トレンドのスタイリングやヘアメイクの方法を、1分間の動画で紹介をしてくれるアプリです。画像や雑誌で見てもいまいち分からなかった細かい手順やポイントも、動画で丁寧に解説してくれます。
そしてなんと日本から唯一「Material Design Awards 2016」を受賞しているアプリです!また上記で紹介したIQONと同じく「Google Play Best of 2016」に選出され、ベストデザインアプリ部門の大賞もとっています。
C CHANNELで体験できること
そろそろ美容院に行きたいけど、来週まで予定が埋まってしまっているということがしばしばあります。
伸びかけの髪をなんとかしたいですし、アレンジするだけでも気分が変わります!
でもヘアアレンジの画像を見てもいまいちうまくいかない・・・。
そんな「はたらく女子」のキモチをまとめると・・・
- 美容院に行く時間がないけど、オシャレな髪型がしたい。
- ヘアアレンジの記事を読んでも、細かい手順がわかりづらい。
- 短時間でできる、簡単なアレンジ方法をいくつか見比べたい。
こういう時は「C CHANNEL」で、ヘアアレンジの How to 動画を見ています。
文章で説明することがむずかしい動作も、動画視聴で解決することが多いです。
またほとんどの投稿が1分間くらいの動画なので、短い時間で自分にできそうなアレンジスタイルをピックアップすることができます。
そしてなにより、「C CHANNEL」の最大の特徴といえば、国内初のタテ型動画メディアということです。
動画といえば、ヨコ型が主流でしたが、近年タテ型が急増しています。
いままでは視聴の際、全画面表示で見るためにはスマートフォンと横向きに持ちかえる必要がありましたが、タテ型動画にはそのストレスがありません。
また短時間の動画を連続で視聴する場合でも、一覧ページと動画ページを往復する際に持ちかえる手間がないことは、とても便利に感じます。
またコーディネート紹介で全身を写す上でも、ヨコ型よりもタテ型動画のほうが収まりがよく、より詳細にチェックすることができます。
「動画でファッションの紹介?」と思うかもしれませんが、スカートなど実際に着用して動いた時のプリーツの揺れ方や素材感など、画像だけでは伝わりづらい詳細な動きがわかります。
投稿する立場としても、スマートフォンを横向きに持ちかえることなく「スマホで撮って」「スマホで投稿する」の流れがスムーズであることも人気の要因だと思います。
デザインについて
キーカラーは目をひくビビッドなイエローを使用していて、C CHANNELのコンセプトである「若者を元気にするメディアを作りたい」という言葉通り、エネルギッシュな印象を受けます。
女性向けアプリは圧倒的にピンクをキーカラーにしていることが多いので、イエローのアイコンというだけでもかなり目立ちます。
またサムネイル画像にビビッドな色使いをしているファッションアイテムやネイルカラーを使用していることが多く、全体的にPOPなイメージで若いターゲット層向けであるということがわかります。
C CHANNEL C CHANNEL CORPORATION
まとめ
「はたらく女子」のオシャレを支えるアプリは、さまざまなアプローチで独自のサービスを提供したり、利便性を高めているということがわかりました。
4つのアプリを見ただけでも、
-
IQONのレコメンド機能「For you」
→ひとりひとりの好みに合わせた最新アイテムをセレクトして、欲しいものがはっきりしないニーズに応えてくれる。 -
WEARの全て着用画像によるコーディネート紹介
→自分が着た時のイメージをよりリアルに想像することができるので、試着のできないオンラインショッピングでの失敗を軽減してくれる。 -
LOCARIの記事一覧の未読・既読の表示機能
→日に何度もアプリを開いても、新着のもの含め未読の記事がひと目で分かる。 -
C CHANNELのタテ型動画
→わかりづらいヘアアレンジや料理レシピの手順を1分間の動画視聴でお手軽に知ることができる。全てタテ型動画なので、全画面表示で見るときもスマートフォンを持ちかえる必要がない。
これだけ多種多様な「体験」を提供していることが見て取れます。
またそれとは逆に、大枠のレイアウトやボタンの挙動など、共通点が多いことがわかります。
例えば
-
ヘッダーにはロゴと、メニューアイコンが一列に並んでいます。
-
ヘッダー下にタブが配置されていて、テキストが左右にスライドして表示される仕様になっている。
-
ホームボタン、検索ボタン、投稿ボタン、マイページなど使用頻度の高いボタンは、画面の最下部に横並びで固定されている。
これは、コンテンツの見やすさ、使いやすいインターフェイスには共通ルールがあることを物語っています。
一方、デザイン面から見ると、「女子向け」というだけで、背景はパステルピンクで、キラキラしたモチーフが飾り付けられている・・・というような想像があったかもしれませんが、実際はピンクやビビッドなイエローがキーカラーとしてアイコンやタグ、ボタン色にポイントで使用されているくらいです。
今回考察した4つの人気アプリはどれも、ブランディングはコンテンツの内容で表現し、デザインのベースは「コンテンツの見やすさ」を優先していると感じました。
これらのアプリは閲覧目的だけではなく、買ったり調べたりできる「ツール」として、しかも長い期間、日常的に利用されます。そのためのUIはある程度共通ルールに沿ったものをベースとし、ブランディングのための装飾は最低限におさえ、わかりやすさと使いやすさを重視しているという印象を受けました。
今回はアプリで体験できることと、それを実現しているデザインの考察をしましたが、「ブランディング」と「コンテンツの見やすさ」のそれぞれの重要性と、ユーザーの目的に合わせたそれらのバランスが大切であることに改めて気づき、とても勉強になりました。
今後のWebサイト制作でも、「ブランディング」と「コンテンツの見やすさ」のバランスが「目的」に沿っているのかという観点で見直して、より最適化したデザインをしていけるように心がけていこうと思います。