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25
Apr,2017
上原 健
投稿者:上原 健
(ディレクター)

2017年04月25日

テクノロジーで地域の可能性をハックしよう!
Field Hack YOSANO エントリー受付開始!

TOPICS

上原 健
投稿者:上原 健(ディレクター)

こんにちは。 プロデュース部の上原です。

モノサスが主催として関わる、そして私が全体の進行管理を務める、全国のエンジニア、デザイナー、プロジェクトマネージャー などプロトタイプ開発に必要なスキルを持つメンバーでチームとなり、地域の可能性に挑むハッカソン、Field Hack YOSANO が6月に開催に向けて、本エントリーを開始します!
(なぜモノサスがField Hackを開催するのか、についてはこちらの記事をご参照ください。)

本エントリー開始に合わせ、今回与謝野町で設けられる 3 つのテーマが決まりました。今回のテーマは、「織物」、「ヘルスツーリズム」、「発酵」です。

テーマに合わせ、素敵な人柄の(本当に!)与謝野にいさん、ねえさんが集まっています。にいさん、ねえさんのプロフィール文末に紹介動画もありますので、ぜひ合わせてご覧ください!
※ にいさん・ねえさん : Field Hack のテーマにあたる産業、活動を担う地域の協力者

それでは、早速各テーマを紹介したいと思います。

織物 〜織物産業の伝統を守り、進化を紡ぐ。〜

まず最初は「織物」です。

もともと与謝野町では主産業として栄えており、町内を歩けばどこからでも機織りの音が聞こえていたとのこと。ただ、現在は、最盛期から比べると3%まで縮小しており、昔の面影は見られなくなってきています。

その環境下でも、新しいことに常にチャレンジされている、2 名のにいさんがテーマを設定してくださいます。お二人の活動は、織物に関わる方々への想いとともに、日本のみならず、ハリウッド映画に使われている生地を作っていたりと、活動の幅を広げています。
織物は、数学的・科学的な要素があり、柄をつくる上で縦糸と横糸をどうプログラミングするのか、ソフトを使って組み立て、織機に読み込ませるプロセスがあります(そのプログラムは最近までフロッピーが主流だったとのこと!)。

新しい取り組みをさらに加速させることだけでなく、伝統をどう守るのか、発展させることができるのかに関われるテーマです。

地域にいさん : 安田章二 さん(安田織物 )

安田織物の三代目。
創業は1952年、祖父の代に糸商をし、事業を大きくする際に糸だけではなく自分のところでも織物をしていきたいという想いから、丹後ちりめんを織るようになりました。

安田織物では和装、特に夏用の白生地を織られていることが特長です。夏用の織物は織り方が特殊で透け感があり、技術的にも難しいとされています。100年経った時に安田織物が経営をしている状態であるということは、今ある技術が続いていくことと同時に、自社だけでなくお客さん、産地、機屋仲間も含め存在しているということ。

そんな100年後のために今何をするべきかを考えていきたいという想いをもっていらっしゃいます。

安田さん紹介ビデオ
http://yosano-weaver.jp/post/117234159535

地域にいさん : 柴田祐史 さん(柴田織物)

昭和39年創業の柴田織物の二代目。
丹後ちりめんをベースとしながら、縫取(ぬいとり)ちりめんという特殊な織物を生産しています。縫取ちりめんは、丹後ちりめんの中でも生産量が0.4%以下の希少な織物で、一般的な経糸と横糸の外、繊細な模様を表現するために後染めという、金銀糸など沢山の色糸(横糸)を織り込んでいきます。
一反を織るために、3日も要する高度な技術を有する織物です。デザインから織るところまでを、一反から社内で織ることができるので、様々な冒険ができます。

ものづくりが好きな柴田さんは、着物をデザインして販売し、自分で着てみる。そうして喜んでいるお客様の顔をみながらつくっていける環境を目指している。という想いを持っておられます。

ここ数年は、東京や海外へもつながりを広げられ、NYへの素材展開やハリウッド映画への素材受注なども受け、活躍の場を増やされている革新的な機屋さんです。

柴田さん 紹介ビデオ
http://yosano-weaver.jp/post/120107898260/weaver-yuji-shibatamore


ヘルスツーリズム 
〜「美と健康を育む天空の里」で新たな観光を創り出す。〜

2つ目のテーマは、「ヘルスツーリズム」です。
ヘルスツーリズムとは、与謝野町温江地域において始まった新たな観光の取り組み。
地域の方々にとって当たり前だった、豊かな自然、美味しい食材や美味しい水、空気を味わうことで、来訪者の日常の疲れが癒され、日々の活力が生まれることをコンセプトにしています。「美と健康を育む天空の里 大江山・温江」と題し、来訪者の心と身体が喜ぶ時間を提供したいと地域一丸となって決めたこのチャレンジは、まさにこれからのスタートになります。

自然豊かな田舎に行くと感じられる安心感やほっこり感、健康になったと感じてくれることにどうテクノロジーが寄与できるのか、できることの可能性は今回の中では一番だと思います。

地域ねえさん :木村有紀子さん(まさ農園)

「まさ農園」では、ご主人の木村正典さんがお米や、九条ネギ、きゅうりをハウス栽培しながら、採れた作物を有紀子さんが加工・販売しています。

正典さんから、規格外になった九条ネギをどうにかしたいと相談された有紀子さんは、もともと得意だったパンやお菓子づくりを活かして「九条ねぎクッキー」をつくりはじめました。最近では「ねぎシフォン」がイベントや地元スーパーで人気が高まり、注文数も増え毎週製造販売を行っています。

農家だからこそできる加工品と価格を目指したいという想いを持たれています。近年は、ブルーベリーの栽培にも力を入れ、収穫体験や採れた実をスムージーに加工するなど、夫婦ならではの息のあった取り組みも始められています。

また、昨年より、地元温江(あつえ)地域の地域づくりに参加されています。地域づくりの会といえば今までは地域の年配者のみで話し合いが行われていたのですが、木村さんの発想、女性としての感覚に年配者の方も共感されて今では地域づくりの中心メンバーとして次なる世代の役目を引き受けておられます。

木村さん紹介ビデオ
http://yosano-weaver.jp/post/130310539975/weaver-masanori-yukiko-kimuramore


発酵 〜発酵×地域資源で農業を元気にしたい。〜

最後のテーマは、「発酵」。

「与謝娘」をはじめとする日本酒をつくられる杜氏に、にいさんとしてご協力いただきます。
与謝野町には、大江山の天然水や、自然循環型農業で作られる米など豊富な資源があり、酒造りにはとても適した地域です。

そんな地域で従来の酒造りに留まらず、ワイン文化に合わせたテイストを表現し、海外向けの純米酒を造ったり、人口減が深刻な問題となっている与謝野町への想いから、日本酒醸造による米の消費拡大や食米の国内外への販路開拓の一環で日本酒を使ってもらうという考えを持っていたりと、発酵を軸に農業や、地域資源を元気にしていきたいという熱い想いをお持ちです。

発酵を軸に、地域をどう盛り上げることができるか? ということにチャレンジできるテーマです。

地域にいさん :西原司朗さん(与謝娘酒造)

明治 20 年創業の「与謝娘酒造」の杜氏。創業以来、大江山の良質な伏流水を原水として、主に地元でとれた酒造米を使って醸造した酒造りをしています。

大学では醸造を学び、6代目として家業を継いでからは、年々変化する気候やお米の状態に合わせて、仕込みの具合を考えながら挑戦を続けています。

酒造りにおいて、蔵が田園風景に囲まれ、良質なお米が近くにあるという恵まれた環境を大切にしています。
近年では、京の豆っこ米を中心に地元で収穫されたお米を積極的に使って酒造りを行い、自分が楽しいと思うものづくりや酒造りで、お酒を口にしてくれた人達が「美味しい」「面白いね」と言ってくれることが、何より嬉しいとのこと。

ここ数年、経済産業省と一緒に海外への販路拡大を目指した取り組みにも参加。オーストラリアへの販路を独自獲得し、更なる世界への挑戦に燃えている若き杜氏の一人です。

西原さん紹介ビデオ
http://yosano-weaver.jp/post/133104449055

それぞれの想いがつまった、味わい深いテーマが揃いました。ご興味ある方は、以下のイベントの流れや応募についてもぜひご確認ください。
 

イベント概要

参加者は、与謝野にいさん、ねえさんと与謝野町の可能性にテクノロジーの力を活用して挑むべく、以下のプログラムにご参加いただきます。

6 月 9 日(金)キックオフミーティング
与謝野町に集まり、Field Hack や各種テーマの説明を行い、その後、地域にいさん・ねえさん、コーディネーターと一緒にテーマごとに分かれ、自己紹介や翌日のフィールドワークに向けて準備を行います。(Google ハングアウトでの参加も受け付け。)

6 月 10 日(土)フィールドワーク & 分析

地域にいさん・ねえさん、コーディネーターによりテーマにもとづいたフィールドワークを現地で行います。フィールドワーク後は、見聞きした内容を整理する時間になります。

6 月 11 日(日)アイデア & コンセプトスケッチ

フィールドワークで得たアイデアを実際に開発イメージに落とし込む、アイデア・コンセプトスケッチを行います。最後に各チームが開発のスケジュールを共有し、2 週間のプロトタイプ開発期間の開始となります。

7 月 8 日(土)/ 7 月 9 日(日)発表会 & 相談会

チームごとに開発したプロトタイプが実際にどのように地域で機能するのか、地域の方に向けてプレゼンテーションとデモを行います。その後、プロトタイプ実装に向け、次の開発プランを地域コーディネーターや、にいさん・ねえさんとディスカッションする場が設けられます。

応募について

ご興味のある方は、ウェブサイトで詳細をご確認の上、こちらより 5 月 8 日正午までにお申し込みください。

定員は 最大 6 チームとなり、応募フォームに記載のスキルなどを確認したうえで主催者が選考し、5 月 15 日(月)までに結果をご連絡します。

みなさんのアイデアとスキルで、地域の可能性にチャレンジしてみませんか?
ご参加お待ちしてます!

 

この投稿を書いた人

上原 健

上原 健(うえはら けん)ディレクター

プロデュース部の新人。東京都大田区出身。化粧品、アドテク業界を経て、モノサスに入社。 現在は、プロジェクトマネージメントを担当(希望)。週末は、釣りして、飲んで食べる。 年内に動くものを作ることを目的に、最近はコーディングも勉強中です。

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