2017年06月06日
600社のWeb担当者さまに直接取材!
〜私たちがBtoB企業の運用実態レポートを作るワケ〜
こんにちは。マーケティング部 BtoBチームの羽賀です。
わたしたちBtoBチームは、『コーポレートサイト運用実態レポート』という統計資料の制作を2012年から続けています。
コーポレートサイト運用実態レポート(以下、レポート)は、主に首都圏のBtoB企業(上場もしくは上場と同規模の未上場企業)のWebサイト運用担当者さまへ直接取材をして、その実態を調査レポートにまとめたものです。
弊社とお付き合いのなかった企業一社一社にお声をかけ、レポート制作の趣旨に賛同、協力いただいた企業の数は現在までに600社を越えています。
今回は、私たちBtoBチームがレポートの制作を始めたきっかけから、どんな取材をおこなっているのか、5年続けてきてわかったBtoB企業の変化までをお伝えしたいと思います。
「データがない」から始まった、レポート制作。
私たちが、BtoB企業のコーポレートサイトに特化して活動を始めたのは2012年でした。それまでにも、いくつかのBtoB企業のWeb担当者様から「コーポレートサイトの運用の動向を教えてほしい」「他社はどんな対応をしているのか知りたい」といった声をいただくことがありました。
当時、インターネット白書や情報通信白書などをとおしてインターネット利用者の動向は把握できましたが、“コーポレートサイトを運用する側に特化した”調査データはほとんどありませんでした。
私たちは、チームとして「BtoB企業のコーポレートサイトの運用実態を調査し、そのデータを今後のWebサイト制作に活かしていきたい」という想いから、BtoB企業の『コーポレートサイト運用実態レポート』制作のプロジェクトをスタートさせました。まずは四季報等から対象となる企業をリストアップし、一社一社連絡をとり、Webサイトの担当者様に取材を行なってデータを集めていったのです。
BtoB企業に絞って600人ものWeb担当者様にお会いし、直接お話を伺ったWeb制作会社はなかなか無いのでは、と自負しています。
サイトの目的から社内体制、
利用ツールや予算まで、単刀直入に質問。
ここで、私たちが実際に取材している内容についてご紹介します。
取材項目は、大きく分類すると以下の6つです。
1.コーポレートサイトの概要
自社サイトの数、運用の規模、海外向けサイトの有無や、マルチデバイス(PC/スマホ等)対応状況など、サイト全体の概要について。
2.コーポレートサイトの目的と目標
コーポレートサイトの目的や目標の設定、マーケティング活用状況、ログ解析ツールの活用動向について。
3.コーポレートサイトにおけるCMS活用動向
CMSの導入状況、選定の理由や目的、利用している機能など、CMSの活用動向について。
4.コーポレートサイトにおけるソーシャルメディア対応実態
活用しているソーシャルメディアの種類や活用目的など、対応実態について。
5.コーポレートサイトの運用実態
コーポレートサイトの運用体制や外注コスト、更新頻度や内容、サーバーの運用やブラウザ対応状況、運用担当者の悩みなど、サイト運用の実態について。
6.コーポレートサイトのリニューアルプロジェクトの実態
リニューアルの頻度や動機、プロジェクトの予算や範囲、体制と期間、ベンダーの選定に関してなど、リニューアルプロジェクトの実態について。
ちなみに、これらのデータは数値やグラフで掲載し、個別の自由回答は匿名にしているため、取材させていただいた企業のお名前が特定されることはありません。
今回の調査でスマホ対応は半数を突破、
それに伴い予算もアップ。
実際に、最新のレポート取材から見えてきた傾向をひとつご紹介します。
次のグラフは、2012年から2017年までのコーポレートサイトのマルチデバイス対応割合の推移です。左が携帯電話(いわゆるガラケー)、真ん中がスマートフォン、右がPCのみ対応している、それぞれの割合を表しています。
年々増加の傾向にあるスマートフォン対応ですが、2016年に28%だった割合が2017年には53%に増加しています。
現状PCサイトのみに対応している企業も、レスポンシブWebデザイン(ひとつのHTMLファイルでスマートフォンやタブレット端末などの様々な画面サイズに対応する技術)など、スマートフォン対応に関心のあるWeb担当者様が多く、次のリニューアルで実施したいという意向が強い印象がありました。
また予算に関しても、サイトをフルリニューアルする企業の7割が300万円以上の費用をかけており、なかには3000万円以上をかけている企業も。全体でみると45%が500万円以上をかけているという結果になりました。
これは、レスポンシブWebデザインを取り入れたことにより初期費用が高くなったことが理由の一つとして挙げられます。
昨年Googleが発表し、今年中には本格的に実施されるとみられるモバイルファーストインデックス(スマホサイトを主軸に評価し、検索結果の順位決定をする)の影響もあって、今後ますますスマートフォンへの対応は一般化すると思われます。それに伴い、リニューアル予算もさらに上昇していくことが想定されます。
「BtoBならでは」の提案をするために、
私たちが続けていくこと。
BtoB企業にお伺いした際、Web担当者様から「ウチはBtoBだから、Webサイトには期待していない」「BtoB企業のホームページはスマホで見られないから、スマホ対応は必要ない」といったお声をいただくことがあります。
しかし、私たちがレポートの作成を始めた2012年から現在までの間に、BtoB企業のWeb担当者様のWebサイトに対する意識が、少しずつですが、変化している印象を受けます。実際に「Webサイトのリニューアルによって業務が拡大した」「社内の雰囲気が変わった」という声も頂きました。
このような企業の変化に気づいたのも、5年間、コツコツと現場取材を積み重ねてきたからこそ。私たち自身がBtoB企業のWebサイト運用の現状を担当者様から直接聞き出し、最新の動向を把握することが、なによりもBtoB企業の立場に立った提案につながるのだと実感しています。
これからも取材を続け、常に現場の動向を知っている「BtoBの専門家」として、どこよりもBtoB業界のWeb動向に詳しいチームであること。それが私たちの役割だと思っています。
この記事を読んで、「レポートの内容が気になる」「他社の状況が知りたい!」というBtoB企業のWeb担当者様がいらっしゃいましたら、ぜひお声掛けいただければ幸いです。