2017年07月18日
暮らし、仕事、付き合う人々が変化した1年
〜経験0からのWebディレクター奮闘記〜
こんにちは。モノサスタイランドの町山です。
時が経つのは早いもので、母国を飛び出してからあっという間に一年が経ちました。日本はいま、夏でしょうか?こちらタイは夏です、年中夏です。吐いた息が白くなるあの冬が恋しいです…。
さて、常夏の異国の地で一年を過ごした今、この一年を振り返りどんなことがあったか、そして今の状況をどう感じ、今後について何を考えるか…。ここで一度、整理したいと思います。
とりまく環境の変化
自分をとりまく環境のうち大きな3つが、タイに来て一気に変わりました。
暮らし
一人暮らしも初めてな上、そもそも国が違えば文化も違います。住んでいる家にアリが何度も大量発生したり、バスルームの給湯器から水漏れがあって修理スタッフが直しに来た時は、足りない部品は自分で買いに行くことになったり。
エアコンのメンテナンス後、正常だったはずのエアコンから水漏れが発生し、中を開けてみたらすごく初歩的なミスだったので結局自分で直したり…。こういった生活にまつわるトラブルがあれば、オーナーさんとのやりとりはすべてつたない英語でなんとかするしかありません。自活スキルは着々と身に付いていっている気がします。
付き合う人々
タイに来てからは、本当にさまざまな国籍の人たちにたくさん出会いました。ただし私の英語スキルだと、会って2回目くらいまでしかうまく会話が続かないのです。会って3回目以降になると、お互いの自己紹介をし尽くしてしまうので、あとはなんてことのない日常会話の必要性に迫られて一気にハードルが上がります…。
また、同じ日本人でも、私がこれまで日本で仲良くしてきた人たちとは違うタイプの人たちと多く出会いました。運良く仲良くなれた子と、よくイベントに出かけたりして顔見知りレベルの知人は徐々に増えていきましたが、同じタイにいる日本人という共通点はあるにせよ、価値観がハマる人と出会うのは一苦労。まだ一緒に遊びに出かけるような友だちは少ないので、これからもっと色々な人とコミュニケーションを図る機会を増やして、徐々に活動のエリアを広げていきたいと思います!
仕事
働く業界が変わったので、仕事面では基礎的なことも自分で補わないとあっという間に置いていかれてしまいます。はじめは日々アドレナリンが出ていましたし、時間的にも余裕があったため、帰宅後に足りない仕事の知識を補完したりしていました。しかし…。
入社後4ヶ月、突然の大ピンチ
わたしが入社した当初は、先輩の日本人ディレクターが2人で案件を回していました。私は未経験からのスタートだったため、はじめは研修期間として基本的なことを学ぶ日々。安定感ある2人のように案件をサラっとさばけるようになるには、一体あとどのくらいの時間が必要だろう…なんて悠長に考えていた矢先、事態は急展開。そのうちの1人のディレクターさんが辞めることになり、否応無く私も複数案件デビューへ…。もちろん全面的なバックアップはしていただきながらも、怒涛の日々が続きます…。
はじめはもう本当に右も左もわからず、何が一般的な内容で、何がイレギュラーなことなのか、その際にどう対応したら良いのか、そのことをわかるためには何が必要なのか…実務になってはじめて生じる問題のあれこれに、翻弄される日々が続きます。そんな怒涛の日々は気付けばこの一年の大半を占めていました…。精神的にも肉体的にもどんどん追い込まれ、本当に辛かったものの、この凝縮された時期があったからこそ今が楽になり、得るものも大きかったと感じます。
この一年を経て
仕事で得たもの三つ
納品の数だけ自信につながる
振り返れば、研修を終えてから一年間で対応した案件数は60件。ひとつひとつ、真剣に取り組みながらも、人一倍多くの案件を担当する中で、様々なケースの案件に直接関わることができました。その数の分だけ経験を積めたため、自分の知識の中で予測できる範囲も広がり、これが自信に繋がりました。
答えにたどり着く力
自分のほしい情報を引き出すのが上手くなったと思います。今受けている案件は日本語の案件なので、タイ人コーダーがデザインから読み取りきれない部分や、日本語特有のバグが生じることもかなり多いです。
そんな時は、当たり前ですが日本語で情報を調べた方が早く的確なので、似たような事例はないか、日本人ディレクターが解決案を探してタイ人コーダーに「このアイディアを使って解決できますか?」と相談します。結果的に解決してくれることがほとんどです。みなさん本当に優秀でいつも助けられてばかり…。
業務を振り分ける力
前はいろいろと自分で引き受けて背負ってしまう部分が多かったのですが、今は分担できるところはお願いする技を身に付けられました。これができるようになってだいぶ楽になりました。
案件全体においても、要件や対応範囲を明確にすることに意識を向けているところで、ここはまだ自分にとって課題でもあります。
この一年を経て
プライベートの変化三つ
お金を貯めるたのしさを知る
プライベートなことで言えば、お金を貯められるようになりました。日本にいた頃は、東京の実家暮らしであまり節約という概念もなく使ってしまっていました…。けれどこの一年は忙しすぎて使う暇もない時期が続き、気付いたらお金が貯まっていました。それを見て嬉しくなり、貯蓄をする楽しさを知ります。東京に比べると生活費も全然かかりませんし、誘惑も少ないのでそもそも使う場面が少なくなるというのは大きいです。
観光ガイドはお手のもの
友達を現地ガイドできるようになりました!はじめは、タクシーは普通に乗車拒否してくるし、そもそも止まってくれないし、英語で話すとナメられて金額をふっかけられたりするし…。タクシーにナビは付いていないので運転手さんの頭の中の地図しか頼れません。たまに道を間違えそうになるのを訂正する土地勘もなく、慣れるのに苦労しました…。
今は、道案内に関するタイ語はだいたい覚えて「観光客じゃないですよ、こっちに住んでいますよ感」を出せば基本的に問題なく、ある程度土地勘も付いて来たので「その道じゃないよ!こっちだよ!」と道を修正できるようになりました。
あとは、日本にはないスケールや開放感のある建物が多く、意外におしゃれなスポットもあるため、友達が喜ぶポイントを心得てガイドができるようになってきたと思います!
知人作りは簡単でも、友だち作りは一苦労
ちょっと引っ込み思案になったかもしれません…。やはり気の合う友達を見つけるのは至難の技。そしてそもそもこの一年は遊びに繰り出して友達を作る元気が長らくありませんでした。ですが、最近は仕事に余裕も生まれてきたので自分の活動範囲を広げていこうと思っています。ちょうど英会話学校に入会したばかりなので、タイ人の友達を増やしてもっとタイの良さを発見していこうと思います!
変化は地道な努力から
思えば一年前。英語も話せないし何か特別なハイスキルがある訳でもないわたしにとって、海外で暮らすなんて夢のまた夢でした。それでも、今ではなんとか母国を離れてやっていけています。
それまでの私は、環境さえ大きく変えれば、自分の中身もつられていい方向にガラッと変わるような気がどこかでしていたように思います。けれど今では、結局どこにいても習慣や自分の本質的な部分はそう簡単には変わらないし、変化が欲しいなら地道に努力を積み重ねていくしかないのだなと感じます。
自らが思い描く自分と、実際に周りに映っている自分、このギャップをきちんと認識してできるだけその溝を少なくしていけるよう、この一年は励んでいきたいと思います。