2017年07月19日
龍田という男
~酒と仕事とお祭りと~
兵庫県出身、1980年4月28日生まれ。
龍田 祥拡 (たつた よしひろ)。
すでに名前が恐い。
せっかくなので名前の由来も聞いてみたが、「知らん」とそっけない答え。
モノサス入社は2008年。
社長の前職の後輩「龍田」が入社するというので、歓迎会が開かれることになった。
その夜、龍田は出張中の営業マンのように黒いTUMI(出張族の定番バッグ)をゴロゴロ引いて現れた。出張中に見えたのも当然で、本当にこの日は大阪から来ていたのだった。
この時点でまだ東京に引っ越していないというのでびっくりしたが、なんだかんだ仕事を手伝っているうちに社員になってしまう…という、いかにもモノサスっぽい入社の仕方ではあった。
当時から愛用しているPCは龍田の代名詞、レッツノート。いつもスーツにネクタイでピシッとしていたので、遠目には「THEできるビジネスマン」、近くで見ると「きちんとスーツを着たインテリやくざ」。スーツ姿の龍田はなぜか全身に不穏な空気をまとっているように見えた。
モノサスに入ってからも、龍田は市場調査やコンサルでひたすら外を飛び回っており、社内で見かけることは滅多になかった気がする。そんなわけで、私と龍田の仕事上の接点はさほどなかった。
あれから9年の月日が流れ、今では同じ部署で仕事を追いかける日々だ。
龍田はマーケティング部部長。つまり私、坂本にとっては直属の上司である。と同時に、数々のプレゼンやプロジェクトを一緒に乗り越えてきた戦友のような存在でもある。
(部下の立場で、おこがましいが。)
今回、社内の誰よりも近くで龍田を見ている私が、龍田について書くことになった。
あまりにもいろいろありすぎて何を書いたらいいのかとても迷ったが、龍田入門編ということで、初心者が知っておきたい3つの事をお伝えしようと思う。
龍田×お祭り
龍田はどんなに仕事が詰まっていても必ず10月後半に休暇をとる。
地元の秋祭りに参加するためだ。
もはやだいぶいい大人になっているが、祭りのために仕事を休むとはどういうことか。
聞いてみると神輿マニアとか祭り好きとか、そういう生半可なことではないようだ。
毎年龍田が参加するのは、地元たつの市の富嶋神社の秋祭り。子どもの頃から参加し、父親が屋台(やったい)※を担ぐ姿を見て育った。
本格的に参戦?するのは高校を卒業してから。
同学年の男子たちで「連中(れんじゅう)」という組織がつくられる。生まれ年を頭につけて区別するそうで、龍田が所属しているのは「昭和55年連中」。この連中単位で祭りに関わり続けることになるのだそうだ。
※龍田注:担ぐのは「神輿」ではないとのこと。あくまでも屋台(やったい)である。写真参照。
連中の行動はすべてが連帯責任。やんちゃがすぎて迷惑をかければ全員で謝りに行くし、祭りにかぎらず、人生の節目の冠婚葬祭、新築祝いなどがあれば連中で祝いあい、弔いあう。
龍田のために全員で謝ってもらったこともあるとか…。この地元の濃い関係性が、言ってみれば子ども時代からおじいちゃんになるまで続くわけで、ちょっとうらやましくもある。
そして、人生で一度、運営のすべてを取り仕切る「三役」という大役がまわってくる3年間がある。中でも35歳の年は一番上の役職になるため、龍田はその年の夏からは毎週のように地元に帰り、準備をしていた。傍目にも、なにやらすごい大仕事をしているようだ、というのはわかった。
その土地に生まれたものの宿命。
祭りは龍田の人生に当たり前のように組み込まれているイベントなのである。
龍田×仕事
龍田は、しゃべりのプロだ。
商談、プレゼン、セミナー、ワークショップなど、説明や交渉がうまい。
前職のコンサルタント時代に培われたスキルと思われる。年間約180日は出張で全国を飛びまわり、企業の経営者を相手にコンサルをする日々だったという。
プレゼンやセミナーのとき、龍田はひとつひとつの言葉をとても丁寧に話す。
そのためか、話す内容がすんなりはいってくる。
例えるなら「聴かせるバラード」。
ゆっくりとしたテンポ、独特の間合い。
聞き手は龍田ワールドに引き込まれていく。
そして、モノサスでは唯一、日常会話がコテコテの関西弁である。…と書くと、
周囲にツッコミをいれながら四六時中にぎやかにしゃべっているように思われるかもしれないが、普段は口数少なく、クールなのだ。(クールを超えてちょっと恐い)
席にいる時は黙々とキーボードを叩いている。
企画書を書いているときなど、集中力を極限まで高めている龍田に話しかけることは許されない。
また、上司としての龍田は、あまり多くを語らず、事細かに指示を出すようなことはない。
もしかしたら、「そんな細かいことまで聞くな」ということかもしれないが、
「考えて、自ら動け」と言っているように感じる。
同時に、「責任はおれが持つからやってみろ」といつも背中を押してくれている気もする。
決して口には出さないが。
ガチガチに管理するわけではないが、大きい方向性はいつも示してくれる。
一緒に仕事をするメンバーの力を見極め、信じ、任せる。
任せられた方も、その任せっぷりに応えようと奮闘するのではないだろうか。
そして、龍田は、プロジェクトチームを率いることが上手く、チームの支柱だ。
あるスタッフが大規模案件を終えて言っていた印象的な言葉がある。
「いろいろな部署が関わるプロジェクトだったけど、龍田さんはプロジェクトマネジメントだけでなく、メンバーの感情までマネジメントしてくれていた。」
必要とあらば、最前線に立つが、最後尾から全体を見守る。
そんな存在が龍田なのだ。
龍田×お酒
大学時代、バーテンダーだったこともあり、龍田はお酒が大好き。
飲まない日はない、といっても過言ではない。
今回、バーテンダー時代の同僚の方にも話を聞きに行ってみた。
その人は龍田より6歳上だそうで、
「龍田くんは年下なのに、めちゃめちゃ恐かったからな(笑)」と言っていた。
また「仕事中は、自分のスタイルでやりたいから、あまりまわりを寄せ付けない雰囲気があった」ということも話してくれた。
面白い話をたくさん聞かせてもらったのだが、ここでは紹介できない内容も多かった(笑)。
そういえばスーツを着て仕事をしていた頃、「歌舞伎町には飲みに行かへん」と言っていたことを思い出した。理由は、歩いているだけでその筋の方々が寄ってくるから…半分は本当かも知れない。今はスーツじゃないから大丈夫だろうか。
一緒にプレゼンに行ったり、夕方以降の打合せがあると、
打ち合わせ後にそのまま飲みに行く。
日中は口数も少なく、仕事モードなのだが、お酒を飲みに行くとまた別な顔を見せる。同じ人なのかと思うほどに。
昼間は仕事以外の話をしない龍田だが、酒が入るとメンバーへの想いなどを話してくれたりすることもある。
さらに酒が深まると、たいして中身のない話を延々としている。
仕事のときのピリッとした雰囲気と、お酒を飲んだときのダメ人間っぷり。
オンオフの落差が大きすぎる龍田は、人間的な魅力に溢れている。
終わりに
龍田はよくふらふらオフィスをうろつく。
みんなの席に置いてあるガムやらアメやらを勝手につまんでいるという噂だ。
(そして、ときどき大量に補充してくれるようだ。)
みんなのことをそれとなく気にかけてくれ、独特の間合いでコミュニケーションを図っている、ように見える。
みんなが好きで、もっとみんなと話したいのかなとも思ったりする。
めんどくさい人だと思うこともあるけれど、
私達はそんな龍田が大好きだ。
…などと書くと遠くから、「なんでやねん!」という声が聞こえてきそうだが。