2017年08月21日
あり方を探して
~神山での1年で向き合い始めたこと~
初めましてクリエイティブ部神山チームの佐藤 光です。
私は去年の7月から半年間行われた神山ものさす塾の2期生として神山にきて半年を過ごしました。
そして、そのまま神山サテライトオフィスのメンバーとして今年1月から働かせていただいております。
今回は、私が神山に来たきっかけやものさす塾での経験、現在の暮らしについてお話しできればと思います。
そもそもなぜ神山ものさす塾に
応募したのか
私がものさす塾に参加したいと思った理由は、大学でデザインを学んでいて、できることの幅を広げるために Web の知識を身につけたいと思っていたことがきっかけでした。
そう思うようになったのは、大学を卒業して働いて半年ほどたった頃のこと。
新潟で田んぼの管理をアプリでおこなう会社の話を聞きに行ったことがありました。
そこで聞いたのは、現在、農業従事者が高齢化し、引退した人の田んぼを残っている周辺の農家で引き取るということがよくあり、その結果、管理している田んぼが複雑に入り乱れるという状態があるということ。
すると、ひとつの農家が管理する田んぼの数も増え、いつ、どの田んぼに、何をしたかを記録することが大変になってくるそうです。
そこでその会社が提案していたのは、それぞれの田んぼに対して、いつ、何をしたかという記録を GPS で管理しようというものでした。
また、アプリに入力されたデータをまわりの人に共有することにより、技術や知識を直接教えることができなくても、参考にしてもらえる、という取り組みでした。
その話を聞いて Web でのアプローチのスキルが自分にもあれば、できることが広がると感じ、Web について学びたいと思うようになりました。
そんな中、ものさす塾の募集を見つけ、この機会だ、と思い応募しました。
ものさす塾を経て向き合うようになったもの
ものさす塾がはじまった頃は、まず、1ヶ月間スキーランドホテルで塾生全員と共同生活をしました。その後、男性陣、女性陣それぞれが一軒家を借り生活していましたが、私は1人だけ別の神山に住んでいる方とシェアハウスをして暮らしていました。(その家が取り壊されることになったので、1ヶ月半で別の家に移り、現在まで一人暮らしをしています。)
1ヶ月の共同生活を過ごしたスキーランドではよくロビーで漫画を読んでいました。
神山での暮らしは初めは不安でしたが、最低限生活できるので、思ったよりきつくは感じませんでした。他の塾生の方が共同生活の中であったことや、家での話題を話している中、話に入れなかったり、ついていけないのは寂しいところもありましたが。
そんなものさす塾での生活を経て変わったことは、習慣を意識するようになったことです。
きっかけは西村佳哲さんの講座で話の聞き方を意識したところから。
講座では塾生同士でインタビューを繰り返したのですが、その中でみんなの欠かせない習慣を聞いたのが印象的でした。
たとえばタバコの吸い方、朝の体操、入浴、何かしら生活の中で心掛けていることなど。
こういった話を聞く中で、習慣や生活の中にそれぞれの外せない日常のひとコマやこだわりがあり、その人がよく表れていると感じました。
その習慣が、それぞれの落ち着く時間になっていることがまた印象的でした。
そこから「では自分の生活の中での落ち着く習慣は?いつもやっていることは?」と意識するようになりました。
私は他の塾生とは違い、一人暮らしをしていたため、生活習慣の影響を、他人から直接受けることは少なかったのです。
そのため、自分の習慣や癖、こだわりはなんだろうと、自分とよく向き合うことができました。
向き合いはじめた頃は、自分にはこれといった習慣があまりなかったのですが、向き合ううちに、コーヒーを入れたり、ストレッチをしてみたりと、自分の調子を整える習慣を探し始めていました。
デスクワークで固まった体をほぐすために定期的に外で伸びをします。遠くの山を見て眼も休めます。
やることには困らない
現在の暮らし
神山町で暮らして1年。
最近は週に一度の平日夜に、個人の方が町で映画の上映をされているのを観に行っています。
休みの日は山の木の間伐や草刈りなどをする森づくり活動や講座など、興味のあるイベントがあれば参加するようにし、いろんなことを体験しようと動いています。
個人でイベントを行う人もいて、神山町では毎週何かしらイベントがあるような印象を受けます。
何もないときは同期塾生の吉田さんが働くカフェブロンプトンデポでレンタサイクルや雨乞いの滝へハイキング、カフェで過ごしたり本を読んだり。やることに困らない、そんな神山の暮らしをおくっています。
神山での暮らしも、ともすると仕事ややることに追われ、気がつくと時間だけが過ぎたような感覚になることがあります。
困らないくらいやることがあるからこそ、ただ目の前にあることだけを追いかけるのではなく、自分のありように素直に生きることができたらと思います。