2017年08月28日
一年ぶり!ビアガーデンで漫画夜話:前編
〜モノサスの「読書会」#16〜
こんにちは。図書委員の村上です。
今回は、モノサス読書会・特別編、一年ぶりの「ビアガーデン 漫画夜話」です。
いつもと場所を変えて、神宮前のビアガーデンに集合です。
それぞれのおすすめマンガを手に、集まったメンバーは全部で8名。
今回も、前編・後編の2回に分けてお届けしたいと思います。
乾杯を終えたら、ビール片手に、いや、漫画片手にスタートです。
カンパ〜イ!
発表タイム
今回は「ビアガーデン 漫画夜話」専用ルール。
読書タイムは設けず(読んでくること前提)。ひとり3分間でその漫画を紹介します。
前編
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いのちの原型のような存在、蟲と人の橋渡し
漆原 友紀(著)『蟲師』(紹介者 村上 伊左夫 ) -
とんかつもフロアも、アゲていく!
小山 ゆうじろう(著)『とんかつDJアゲ太郎』(紹介者 半田 貴功) -
フォロワー20万人、多才な作家の4コマ漫画
error403(著)『オチとは』(紹介者 乾 椰湖) -
ヤバイ4コマで描き切る、哲学的な問い
須賀原 洋行(著)『気分は形而上』(紹介者 田中 夏美)
後編
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奥の奥にある感情が、ワァって上がってくる感じ
くらもち ふさこ(著)『天然コケッコー』(紹介者 松原 恵) -
37年愛蔵、ずっと手元に置いてきたSF漫画の傑作
石ノ森 章太郎(著)『サイボーグ 009 』(紹介者 上井 正之) -
マンガの神が「真似できない」といった唯一の存在
諸星 大二郎(著)『妖怪ハンター 天の巻』ほか(紹介者 先田 千尋) -
まっすぐ!本当にまっすぐな主人公
石塚 真一(著)『BLUE GIANT』(紹介者 加倉井 宏美)
いのちの原型のような存在、蟲と人の橋渡し
『蟲師』(紹介者 村上 伊左夫)
- 村上
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『蟲師』を持ってきました。全部で10巻ぐらいあるんですけど、手元になくて今日は特別編を。時代背景は不明なんですけど、主人公は洋装で周りは和装が多いので、江戸時代から明治みたいな雰囲気です。絵が水彩っぽいタッチでやさしいんですよね。
舞台は「蟲(むし)」と呼ばれる存在がいる世界。この蟲は、昆虫だけじゃなくて、植物みたいなもの、虹や雨などの自然現象みたいなものも含んでいて、命の原型に近いような存在です。
蟲は大多数の人には見えなくて、ごく少数の人にだけ見える。だから見える人たちは理解されず孤独です。主人公のギンコもその一人ですが、彼は蟲が原因で困ってる人を助けていて、蟲師(むしし)と呼ばれています。
蟲が見えるだけじゃなく引き寄せてしまうギンコを主人公として、行く先々で起こる出来事を1話完結で描いているマンガです。ギンコは、蟲を退治するのではなく、蟲と共存しようと思っている。蟲と人の橋渡しをしたいと思いながら、蟲という現象と上手く付き合おうとしてるスタンスがいいんですよね。
- 加倉井
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アニメ見てましたが、話がスローペースで台詞も少ないし、最初は寝ちゃって(笑)。でも読んでるとハマりますよね、絵もきれいだし。ギンコ以外にも蟲師はいるんですか?
- 村上
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いるけど、あんまり出てこないですね。
- 上井
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ギンコはどういう境遇なんですか?追われてる身とか?
- 村上
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彼は過去の記憶を失っていて、生い立ちも覚えてないんです。お師匠さん的な人から蟲師の知識を得るんですが、彼が亡くなった後は一人で渡り歩くという...
- 先田
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昔の「富山の薬売り」みたいな感じで全国をまわってる(笑)。
とんかつもフロアも、アゲていく!
『とんかつDJアゲ太郎』(紹介者 半田 貴功)
- 半田
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最近ハマってる『とんかつDJアゲ太郎』を持ってきました。
主人公は、渋谷のはずれにあるとんかつ屋の息子。あるときクラブでDJを見た彼は、DJがまわしてる姿と父親がとんかつを料理する姿がかぶって、「とんかつとDJは一緒じゃないか。だったら自分は、とんかつDJあげ太郎になる!」って決意するんです。
とんかつ屋とDJを両立しながら成長していくストーリーで...ギャグマンガなのでくだらないシーンも多いんですけど、葛藤しながらも成長していく姿がいいんですよ。
面白かったのが、あげ太郎がDJを始めた頃に「チルアウト」って言葉を知って(フロアでやんわりした曲をかけて、ちょっとテンションを冷ましてまったりすること)、だったら、囲碁やってるおじいちゃんも、銭湯のおじさんも、みんなチルアウトしてんじゃねーかって。で、「チル=凍える」って意味を調べて、最終的にはマグロの冷凍庫に飛び込むという(笑)。
DJ業界だけじゃなくて、いろんなキャラが出てくるので面白いです。 あと、読んでると、やっぱりとんかつ食べたくなりますね(笑)。
- 田中
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もしかして...この本を紹介するために、そのTシャツ(スチャダラパー)?
- 半田
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あ、はい。一応合わせて着てみました(照)。
- 加倉井
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完ペキなコーディネート!写真撮りましょう、写真!
- 上井
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そういえば、アニメで見たことあります。
- 半田
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あ、5分くらいの短いアニメでやってます。マンガはWebジャンプで連載されてて、10巻まで出てるんですけど、途中にはあげ太郎の恋愛話とかも出てくるんですよ。
フォロワー20万人、多才な作家の4コマ漫画
『オチとは』(紹介者 乾 椰湖)
- 乾
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『オチとは』という4コマ漫画を持ってきました。作者の error403 さんは、Twitterでフォロワーが20万人位いるイラストレーターさんでマンガも描いてます。姉の友人が武蔵美出身なので、その学祭に行ったときに買いました。自費出版でネットでも売ってましたが、今は完売で買えないみたいです。
とにかく、すごく絵がかわいくて好きなんですよね。内容は...従業員が全員逃げちゃった輪ゴムの会社で、主人公が飛び降りようとするんだけど「ゴムだから落ちても死ねない」って話とか。ランプの精が出てくるのを拒否する「いやなときだってある」っていう話もお気に入りです。
雑誌の挿絵やNHK番組のアニメ、あと音楽ビデオを作ってたり、いろいろ活動してるので見たことがある人もいるかもしれません。「error403」って、ネットのエラー表示のワードですよね。LINEスタンプやグッズも作ってるので、ぜひネットで見てみてください。
ちなみに、これ初版本です。サインもらったのを自慢用にもってきました(笑)。
- 田中
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errorさん、オモコロに載ってたときに見たことあります。
- 加倉井
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テーマがシュールですよね。発想が面白くてハッとさせられちゃいます。
- 乾
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実は、2013年の文化庁メディア芸術祭で「審査員推薦作品」みたいなのに選ばれてたり...
- 田中
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そんなレベルまで上り詰めてるんですか!
- 乾
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ひそかに知ってる人がいるんですよね。ちなみに、1990年、北海道生まれの27歳だそうです。
- 上井
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うわ〜全然世代が違う...(笑)。
ヤバイ4コマで描き切る、哲学的な問い
『気分は形而上』(紹介者 田中 夏美)
- 田中
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『気分は形而上』という4コマ漫画です。これ、キライな人はマジで大嫌いなマンガだと思います。出てくるのは、エロ、ゲロ、排泄物、虫、精神異常、ナンセンス...
- 松原
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ヤバイ...田中さん、病んでる(笑)。
- 田中
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中身もかなりヤバくて...でも、私このマンガすっごい好きなんです。1回も笑ったことはなくて、ギャグとしては面白くないと思うんですが、作者自身が精神的な問題を抱えてて、それをネタにしてるんです。頭のいい方で哲学的なことを考えてる。
それぞれの話はほとんど覚えてないんですけど、1話だけもう一生忘れないっていうくらい強烈に記憶してて。「異常者とは」っていうタイトルなんですけど、異常と正常とはという問いを4コマで表現してます。
異常と正常を分けるのは「どっちが多数か」ということだけだと。 それを4コマで描ききってるんです。
あと、課長っていう肩書に縛られすぎて、その人自身が「課長」っていう文字になってしまう話とか...ヤバイんだけど哲学的でもあって面白いんです。
- 加倉井
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連載モノなんですか?
- 田中
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19巻まで出てるかな。2巻からはゴキブリが主人公のシリーズが始まって、そこから人気が出たんです。イイ話があるんですよ、泣きました。
- 上井
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笑わないけど、泣いてるんだ。
- 松原
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山田花子のマンガにちょっと似てるかも。
- 田中
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あ、確かに。でもこっちの方がゲロが多いですね...。 ホント、好き嫌いが分かれるマンガだと思います、私の親もゴミ箱に捨ててましたから。それを見つけて読んでるのが私です(笑)。
蟲の世界にとんかつDJ、「わし」な女の子、そしてヤバすぎる哲学4コマ。 それぞれの熱い想いが飛びかった前半戦でした。
まだまだ盛り上がる漫画夜話、後半戦もお楽しみに!