2017年09月08日
気張らないでさ、
「テキトー」でいいんだよ。
~ 本格中華食堂 一番館 代々木店~
まず、はじめに言っておきたいんです。今回紹介するこのお店、素材にこだわった味の名店でも、雰囲気あふれる個人経営店でもありません。庶民の味方的お値段と、それに見合ったクオリティを誇るチェーン店です。
定時にきっちり仕事を終わらせて、ここで安く飲むのもいいでしょう。けれど、キッツイ仕事を終えクタクタに疲れた、残業終わりに来るのが私のお気に入り。疲れた心と体が何故か惹きつけられる、そんな「本格中華食堂 一番館 代々木店」をご紹介しましょう。
激安ならぬ、バカ安!?
疲れた体に染み込んで来るのは、250円の生中
ここ代々木において、食べログでも夜の予算が「〜999円」という、信じられない安さのハイスコアを叩き出している一番館。
ちょっと一杯…でのお値段じゃありません。きっちり食べて飲んで、このスコアを出すことも不可能じゃない。そんな「お値段の手頃さ」は、一番館の魅力のひとつです。
そこが安い(つまり、イイ)店かどうかは、生ビール中ジョッキのお値段を見ればだいたいわかるものです。一番館の生中は、なんと250円!しっかり合格ライン(350円・自分比)をクリアしています。
お酒だけではなく、フードメニューも充実。定番の唐揚げやメンマなどの一品もの、麺にどんぶり、お昼にうれしい定食など、品揃えは豊富。公式サイトには載っていない胡麻団子などのメニューもあり、そのどれもが実にお手頃価格。ついつい頼み過ぎてしまっても、お会計の時には予想外の安さに思わず笑みがこぼれます。
こないだあれだけ頼んでも安かったんだから、これも食べよう、もう一杯飲もう…。結果、バカみたいに飲んで食べて、盛り上がってしまう。まさに激安ならぬ、バカ安状態。
ちょっとお財布が寂しい時でも、みんなで飲みたい時がある。あと、めっちゃお腹空いてるからご飯もしっかり食べたい。
私は一人でしか行かないのですが、皆様におかれましてはそんな時もあるかと思います。まさにうってつけのお店と言えましょう。
遠くからやってくるお客さんも。
飄々キャラの店長(?)さんの存在
私が、良い飲食店の条件だと思っていることの一つに「昔そこに通っていて、今は遠くにいる人が、たまたま近くに来た時に寄ってくるお店」というのがあります。
「たまたま」であって「わざわざ」ではないのがミソ。いつも考えているわけではないけれど、その街に行くと思い出す。それって、そのお店に居心地の良さを感じているからそうなるんですよね。
私が一番館に立ち寄ったある日も、そんなお客さんが来ていました。
「やー、代々木に来たら店長さんのこと思い出しちゃってさー」
「すごい久しぶりねー!」
ニコニコと会話するのは、たぶん、このお店の店長さん。たぶん、と書いたのは、実は一度も確かめたことがないからです。でも、いつもお店にいるし、料理を運ぶときも会計の時もグイグイ前に出てくるし…だから、たぶん店長さんなのでしょう。
いや、正直、それはどっちでもいいんです。人懐っこそうでいて、一人でいるお客さんには無理に話しかけない。でも、どんなに忙しそうな時も、お客さんの呼びかけには笑顔で答えてくれる。ちょっと飄々としたそのキャラがなんとも言えず、一番館代々木店の居心地の良さを作っています。
ここにいるのが大事な人って感じで、いいんですよね。
さて、ここまで一番館代々木店の魅力を語って来ましたが、このままではただの「おもろいおっちゃんのいる、お手頃価格のチェーン店」です。
「キッツイ仕事を終えクタクタに疲れた、残業明けに来るのが」なぜ私のお気に入りなのか、説明ができていません。
これはちょっと個人的というか、私自身のパーソナリティに関わってくるので、なんともお恥ずかしいのですが…。
強ばった肩をほぐしてくれる
「テキトー」であることは、ふんわりと軽く優しいことだ
私、ただでさえ、元々がマヌケな人間なんです。あれを忘れた、これもやってない、やったけれどもできていない…。しっかりしろと毎日叱られ、ここまでやってまいりました。
けれども仕事では、そんなことではいけません。抜け漏れやミスがないように、気を配って気を張って、積み上がったタスクや課題の山をなんとか這い上る日々。
人より頑張ってやっと人並み。こんな調子ですから、そこそこのお金を払って手の込んだ美味しいものを食べるのが、ちょっとしんどい時がある。なんというか、もう気合い入れたくない、というか。特に失敗した時や疲れている時には、むしろ劣等感すら覚える始末…。
一番館は、冒頭でも書いたように「めちゃウマな店」とは言えないかもしれません。けれど、ここには「いい感じのテキトーさ」があるんです。
「テキトー」は、まさに本来の意味の「適当」です。疲れ切った残業後に軽く一杯、ふらりと立ち寄るお店として、お値段も、5分足らずで注文した品が揃うスピードも、深夜の疲れた胃にちょうどいい塩梅のクオリティも、お水を頼んだらでかいピッチャーで「あとは自分でやんなさい」と来るサービスも。全てがぴったりと、その時の気持ちに寄り添ってくれている、気がする。
それに。クタクタに疲れた時、店員さんが目の前に置いてくれるチャーハンと餃子、250円の中ジョッキが、私にこう言ってくれている気がするんです。
「そんなに気張らなくていいんだぜ。今この時は、そのままのお前でいいんだよ」
…そうですね、ちょっと、疲れているのかもしれません…。
まあ全部、チャーハンたちにはそんなつもりは毛頭なくて、彼らが持つ「テキトーさ」を受けて、私が勝手に感じていることなんですけどね。
フツーにウマいメニューもあるので、
あなたの選択肢に加えてください。
とまあ「お値段なりのクオリティ」に魅力を感じている私ですが、例えば麻婆豆腐やおつまみザーサイなど「これがこの値段で食べられるなら!」という、フツーにウマいメニューもあります。
代々木界隈の人たちには、料理もそこそこウマく、お手頃に飲める店として人気な様子。
20:00ごろには、お店はだいたい満員です。
是非、お近くに来られた際には寄ってみてください。
オススメはチャーハンと餃子4個、そして樽生中ジョッキのセットです。餃子を、キムチやメンマ、他の190円メニューに変えてもいいですね。
ちょっと失敗した夜でも大丈夫、一番館は、そんなあなたをテキトーに、お財布にも心にも優しく、受け入れてくれますよ。
中華食堂壱番館 代々木店
東京都渋谷区代々木1-55-2 大和ビル1F
TEL 03-5358-0868
営業時間
11:00-24:00
ラストオーダー 23:30
年中無休
http://kvc-ichibankan.co.jp/p209.htm