2017年10月06日
至高のラムチョップが食べたいの
朴葉の香りに誘われ新宿へ
〜ワイン食堂 ホオバール hhOBar〜
「ワイン片手に骨つき肉。あぁでもまずはキンキンの生ビールで喉を潤して…」と終業前からはやる気持ちを抑えられず、時計の針が19時を指すと同時に足早に会社を出て向かったのは、池袋と西新宿にお店を構える『ワイン食堂 ホオバール hhOBar』。今回はモノサスからも程近い西新宿店のお話をします。
こちらのお店、岐阜県飛騨地方の郷土料理である朴葉(ホオバ)焼きにインスパイアされた「朴葉で食材を包んで火を入れたお料理スタイル」が特徴的で、朴葉の香りがほのかに香るお料理たちが絶品なんです。
お店の名前である『ホオバール hhOBar』は、『朴葉焼き』と『美味しいものを頬張る楽しさ』『気軽に楽しめるバールスタイルのお店』にしたい、というコンセプトが込められています。
そもそもどうして朴葉焼きなのかというと、オーナーの磯村竜也さんが若い頃にふらりとひとり旅に行った飛騨高山の土地の魅力に出会ったことがはじまり。数年後、お店を出す時に強く印象に残っていたその土地のお料理を提供するお店にしたい。とイタリアンをベースに飛騨高山の伝統料理、朴葉を使ったメニューを中心とした『ホオバール』が誕生したのです。
その名の通り、ワインを片手に
至高のお肉を頬張る。
そう、私が何よりも伝えたいのが本日のメイン写真を飾っているこのお店の看板メニュー『ラムチョップの朴葉焼き』の魅力。これがたまらなく美味しい。
オーナー自らいろいろなお肉を食べ比べ、グッときたのが、このニュージーランド産スプリングラムのラムチョップ。スプリングラムとは一年のシーズンの中で春から初夏の栄養価が高い時期の牧草を与えられて育つ若いラムなのです。希少価値も高いスプリングラムのラムチョップは肉質は非常に柔らかくてクセがないのが特徴で、ありきたりな謳い文句ですが「本当に臭みがない」。
ほのかな朴葉の香りに包まれたラムチョップはかぶりついてもスルっとほぐれるほどの柔らかさ。でもしっかり食べてる感のある肉々しさ。手も口まわりも肉汁・肉脂でぎっとぎとにテカリ、初デートではさらけ出せない姿になるでしょう。でもいいんです、何故か感じる特別感。それが骨つき肉。
これが1本550円はありがたい。しかも4本頼むと1本500円になるという太っ腹っぷり。
夢中でかぶりつくくらいのお肉をお手頃なお値段でいただける、サラリーマンの味方です。
正道には正道たる所以がある
シンプルにワンエッセンスだけ加えて
メニューからはお野菜にも格別のこだわりが垣間見えます。素材をしっかり活かし、シンプルだけど「ちょっと」の工夫が加えられたお料理たち。
オーナーの磯村さんは「料理もドリンクも教育も、なるべくシンプルに。そこにワンエッセンスだけ加えています。怖くていろいろ重ねたくなっちゃうけど、味も人も重ねすぎるとがんじがらめになっちゃうから。定番のお料理ってシンプルなものが多いと感じていて、だから正道には正道たる所以があるのだと思っています」とハジケル笑顔で語ってくれました。
そう言われちゃ頼まずにはいられない、ラムチョップに続くオススメメニュー『まぼろしと言われた焼きナスの最高品種!!宮崎県齊藤農園直送 佐土原なすのグリル』をオーダー。
余計なものは加えず、岩塩のみで味付けされた佐土原なすのグリルです。(江戸時代から作られてきた伝統的なナスなんですね、一時ほぼ生産されていなかったそうですが復活してくれてありがとう。)瑞々しさととろける食感。私、もったいないことに佐土原なすを今まで知りませんでした。噛んだ瞬間じゅわりと口に広がるナスのエキス。エグみが少なくナス嫌いでも食べれるんじゃないだろうか?ってくらいの美味。でもやっぱり安心のワンコイン。
続きまして『アーリーレッド(赤玉ねぎ)の朴葉蒸し 山椒味噌の香り』。
まるっと玉ねぎ丸々1個、噛む必要がないくらいクタクタになった玉ねぎは、もはや歯はいらないレベル。玉ねぎの甘みと山椒味噌のピリッと感でグングンお酒がすすむ…。
さらにガンガンいただきます、夏限定『長久郎農園のトマトのカプレーゼ』。
産地直送こだわりのトマトとコラボしているのは、モッツァレッラではなくロビオラチーズというイタリアのフレッシュチーズ。さっぱりしているのに濃厚でミルキー、程よく酸味もあってトマトに良く合うんです。
食欲が止まらず『手仕込み 絶品 鶏レバーのペースト』も注文。臭みのないレバーペーストに添えられているのはブルーベリーのコンポート。「フォアグラってベリーのソースやマンゴーのソースなど甘くトロッとしたソースが合いますよね。うちではリーズナブルに誰でも気軽に食べられるように、鶏レバーとブルーベリーコンポートにしています」とオーナーの有難きご配慮。バケットの香ばしさにレバーの旨味とブルーベリーの甘みがすごく合う。ブルーベリーのおかげで400円の一皿が、お口の中でちょっとした高級感を演出してくれました。
どのメニューにもホオバールならではのワンエッセンスが加えられていて、シンプル故にとことんこだわった食材や、ホオバール“ならでは”の一捻り、どんなアレンジが加えられているのかテーブルに出てくるのが楽しみで、だから色んなメニューを食したくなるし、次も行きたくなる。そうしてお店の術中に見事はまり、足繁く通うようになるのです。
オペレーション力なくしてサービス力無し
この日も賑やかな店内はほぼ満席。ホールスタッフさん1人に、キッチン1人。それでもストレスを感じることのないペースでお料理が出てくる、お酒も出てくる居心地の良い空間。
料理の美味しさはもちろん、ついつい飲み過ぎるほど雰囲気もサービスも心地良いのがホオバールなのです。こうした機会がないとなかなか聞けないので、この心地良さの正体はどこから来るのか、ずばり聞いてみました。
ー 満席で、しかもオーダーが重なったときって、スタッフさん少なくない?大丈夫?って思ったりするんですが、ここは全然それを感じさせないですよね、一人ひとりにしっかりと教育をしてるんですか?
「全然そんなことなくて。オペレーションをしっかり教え、考えさせる。それだけです。
予期せぬ来客数やアクシデントにより、オペレーションが追いついていない状態では『感じの良い接客』はできても『心地良いサービス』はできないし、『料理や飲み物の提供』はできても『美味しい料理や美味しい飲み物を適正時間で提供』はできません。お客様に居心地の良さと感動を提供するサービスを目指すには高いオペレーション力が必要だと思っています」
とホオバールでは、お客様のテーブルで仲良くお話したりするよりも、何よりオペレーションを一番のプライオリティとしていて、その上での接客スタイルはスタッフにある程度自由に任せているとのこと。(もちろん笑顔で気持ちよく対応してくれます 笑)
「オペレーションがしっかりとできていると余裕ができ、自然とお客さんとの関係性を築くことができるけど、オペレーションがおざなりでは関係性を築く土俵にも上がれないですから」
と磯村さんは言います。オペレーション力が身につくまでは余計なことはしない、というのは分かっていてもある意味結構勇気のいることな気がするんですが、ビシッと迷いなく話すオーナーの姿からも、接客をするスタッフさんの姿勢や、楽しそうに食事をするお客さんの姿を見ても、ホオバールが大切にしているオペレーション力がこのお店の居心地の良さを作り出していることが明確に分かる気がしました。
今後さらに朴葉を使ったメニューを増やしていくそうなので、これからも疲れた夜は心地よい雰囲気と新メニューを楽しみにふらりと通いたいと思います。
おまけ
パスタと山盛りサラダとデザート、ドリンクで1000円(しかもパスタ大盛り無料)という、これまた太っ腹なランチもやっているので、夜のお時間がない方はまずはランチに行ってみてはいかがでしょうか。
ワイン食堂 ホオバール hhOBar
東京都新宿区西新宿7-15-15 東宝観光ビル 1F
TEL 03-6908-9796
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13205559/
営業時間
ランチ 11:30〜15:00( L.0. 14:30 )
ディナー 17:00〜24:00( フード L.0. 23:00 / ドリンク L.0. 23:30 )
不定休