2017年11月06日
空撮には、男のロマンが詰まってる!
ドローンビギナーのススメ
こんにちは、デザイン部の河原崎です。
最近テレビなどいろんなメディアで、空撮シーンをよく見かけますよね。
私は大自然や秘境と言われるような場所を空から撮影しているシーンを見ると、なんというか、得も言えぬと高揚感が湧いてくるのです。
例えるならジェットコースターが発射する瞬間や、名作映画のオープニングを見るようなワクワク感…。
そんなシーンを見るにつれ、空撮への憧れはいつしか「自分でも撮影してみたい!」という想いへと膨れあがり、ついに今年の4月にドローンを購入しました!
まだまだパイロット経験の浅いドローンビギナーですが、初心者なりに私の感じた空撮の魅力を今回はお伝えしたいと思います!
ドローン購入への道
なぜ私がドローンを購入しようと思ったのか。
そもそものきっかけとしては、小さい頃からゲームや映画が好きな私にとって「空を飛ぶ」という憧れがあったからだと思います。
スターウォーズでビュンビュン飛ぶ空中戦(エピソード1のレースシーンとか好き)や、ファイナルファンタジーの飛空艇でグワーッと空を壮大に駆け巡るシーンは、一人の日本男子として、ワクワク感を掻き立てられるものがありました。
また近年では、海外の絶景を紹介する番組などでも空撮シーンが使われるようになってきて、自然と目にする機会が増えてきました。
「一体、どうやって撮影しているんだろうか。」「きっと車や単車が買えるくらい高い機材使って撮ってるんだろな…。」という疑問と共に、色々と調べているうちに、ほとんどの空撮は何やら「ドローン」というものを使って撮影している事に行き着きました。
さらに調べてみると、テレビで使われている機体でも、十数万円くらいで購入できるもの
もあり、手の届かない値段ではない事がわかり、「これなら、買い換えようとしていた家の洗濯機を我慢すれば、なんとか購入できるではないか!」という想いを胸に、奥さんを説得。洗濯機を年内に購入する事を約束し、なんとか購入に至りました。
手元に届いた時の童心に戻ったような喜びと、そんなはしゃぐ私を横目に、「この人、マジで買っちゃったよ…。」と言わんばかりの奥さんの顔は今でも忘れられません。
神山出張を経ての初フライト
まだ購入を決意する前のこと、ドローンについて調べていると、日本で飛ばすには航空法など様々なルールがあることを知りました。
さらに総務省が発表している「人口集中地区でのドローン飛行の禁止」という規定があり、これによると、私が住んでいる東京一帯はほぼ飛行が禁止なんです。
購入しても飛ばせる場所が近所にないなー、と思っていた矢先、徳島の神山サテライトオフィスへの短期出張の話が舞い降りてきました。(というより、自分から行きたいと志願した節もありますが。)神山だったら人口は少ないから飛ばせる場所はありそう!
マップを確認してみると、案の定ほとんどの場所が人口集中地区の禁止区域に該当しないことがわかり、これが購入の決め手のひとつとなりました。
このときは、出張とはいえ仕事よりドローンを飛ばしたい気持ちの方が強かったことを覚えています。(スミマセン…。)
神山は大自然に囲まれた素敵な場所で、とても絵になるスポットが多いこともあり、初めてにしては想像以上に満足できる撮影ができました。
様々なシーンでのドローン利用
ここではデザイナー目線として、ドローンの可能性をお伝えしたいと思います。
数年前からWebサイトは、メインビジュアルをフルスクリーンで見せる事がトレンドの一つとなり、そのため写真や動画のクオリティーが今まで以上に重要視されてきたこともあり、空撮動画を取り入れられる場面が多くなったように感じます。
イベントの告知サイトや地方観光サイト等のほか、最近ではBtoBの企業でも空撮を使用しているサイトを目にします。下記の参考例を見てもわかるように、メインビジュアルで大きく使用することで、他サイトとの差別化やインパクトが狙いやすく見る人を引き込みます。
またデザイナーとして仕事をしていてドローンの普及を強く感じたのは、istock photoなどの写真素材サイトで、一気に空撮素材のバリエーションが増えた事も上げられます。
他にも、様々なシーンでドローンは活用されており、特に私が購入意欲を刺激された素敵な作品を紹介します。
音楽×ドローン
OK Go - I Won't Let You Down
旅行×ドローン
ドロー ン片手に世界一周新婚旅行 - 空飛ぶ絶景400日
アート×ドローン
ELEVENPLAY x RZM "24 drones"
初心者におすすめの機体
私自身ドローンを手にしてまだ半年程ではありますが、そんなビギナーだからこそ、空撮するにあたって「初心者ならこれがおすすめ!」という3シリーズをご紹介します。
ちなみに、どの機体もDJIという中国の企業のドローンで、今業界シェアの7割以上(まさにインターネット業界のGoogleのよう!)を占めていると言われており、ドローン関連の製品はDJIであれば間違えない、というくらい人気・信頼・実績を兼ね備えている企業です。
どれもカメラ一体型となっており、障害物回避機能やGPS機能など空撮に必要な機能が搭載されています。
Mavicシリーズ
機体を折りたたむと500mmペットボトルくらい小さくなるにもかかわらず、カメラ機能は4K撮影にも対応しているという、まさに小型・軽量・高機能の三拍子そろった大人気のドローン。私が初めて買ったのも、このシリーズの機体です。
機体が軽いため若干風に弱いという事と、一眼カメラに慣れている人には若干画質が物足りなく感じるかもしれないという懸念点はあるが、ドローンビギナーには扱いやすくとても魅力の機体です。
■MAVIC PROのスペック(2016年9月発売)
重量:734g
最大伝送距離:4km
飛行時間:最長約27分
有効画素数:1,235万画素
最大動画サイズ:4096×2160 24p
値段:129,800円(2017年11月時点)
Sparkシリーズ
今回ご紹介する中では最も小さく、値段も手軽で空撮を楽しめる機体で、先程ご紹介したMavicの廉価版のイメージ。折りたためばポケットに入れられるくらい小さくなります。
飛行中に、手をかざしたジェスチャーで飛行操作や撮影ができるなど、セルフィーに向いた機能も盛りだくさん。
カメラ性能は仕事等のプロの現場で使うには心もとないですが、旅行や個人利用で使うには十分楽しめます。
■Sparkのスペック(2017年6月発売)
重量:300g
最大伝送距離:2km(日本では500m)
飛行時間:最長約16分
有効画素数:1,200万画素
最大動画サイズ:1920×1080 30p
値段:59,800円(2017年11月時点)
Phantomシリーズ
2013年に初代機が出てから、DJIを代表するシリーズ。
他の2シリーズに比べてサイズと重量はありますが、その分カメラ性能や風への耐性は高く、今回ご紹介する中では一番プロ用の機体です。
最新モデルのPhantom4 proは値段が高く、初心者にはなかなか手が出しづらいですが、型落ちモデルであればもっと安く手に入ります。
■Phantom4 Proのスペック(2016年12月発売)
重量:1388g
最大伝送距離:4km
飛行時間:最長約30分
有効画素数:2000万画素
最大動画サイズ:4096×2160 60p
値段:204,000円(2017年11月時点)
比較表
基本的に高価格な機体ほどカメラ性能と飛行性能が高く、低価格な機体ほど性能が落ちるけど軽くて手軽に持ち運べます。
ここでちょっと注目してほしいのが「風の耐性」です。実際に飛ばしてみた感想ですが、ドローンは風の影響を大きく受けるもので、飛行中に機体が煽られることがあります。さらに自身が操作する地上と、その上空でも風の抵抗が全く違うことがあります。
実際私も、風の強い日に調子に乗って海沿いで飛ばしたとき、風に煽られて離陸ポイントにドローンが戻れなくなりかけた事があり、死ぬほど焦った経験をしました。
なので必ずしも機体が軽いことがメリットだけではない、ということを購入前に覚えておくと良いかもしれません。
今回ご紹介した中で一番重いPhantomシリーズでも、風速耐性の推奨は10m/s以下と言われています。
空撮に特化したSNSがスゴい
DJI(先程ご紹介した製品を発売している企業)が運営している、空撮・映像に特化したSNSの「SKYPIXEL」というサイトがあり、各国のドロニストたちがとてもクオリティーの高い映像を日々アップしています。
空撮映像が好きな私にとっては、このサイトを見ているだけで一日終わってしまうくらい、魅力的な動画が投稿されています。撮影テクニックも、見ていてとても参考になります。
SKYPIXEL
今回ご紹介した機体で撮影された映像も、ソートして見れたりします。
Mavicシリーズの映像
Sparkシリーズの映像
https://www.skypixel.com/tags/spark?type=popular
Phantom4シリーズの映像
https://www.skypixel.com/tags/phantom-4?type=popular
実際に飛ばして感じたドローンの魅力
購入してから今に至るまで、飛ばす場所が限られながらも休日に郊外に出たりして何度か飛ばしてきましたが、テクノロジーの進化によって空撮することがこんなに手軽に楽しめるという事を、実際に飛ばして改めて思いました。
またドローンは、初心者でも思いのほか手軽に魅力的な撮影ができると感じました。
空から撮影した映像は、人間が普段体験できない「非日常」な目線を捉えられるため、地上から撮影するカメラに比べて、魅力的な絵が取りやすいというメリットを、とても感じます。(もちろんドローン撮影でも、ライティングやISO、機体操作のコツ等、突き詰めれば気をつけるべきポイントはたくさんありますが。)
最近では、旅行に行った際に旅先でお世話になった宿泊施設のオーナーの許可を得て、施設上空を空撮させてもらい、後日撮影した動画を編集してオーナーに送りつけるという、自称「おせっかいドローン旅行」と呼ぶ活動をしています。
ドローンの認知度は広まってきたとは言え、まだ個人で利用する人は少ないので、後日送った動画をとても喜んでいただけたのは素直に嬉しかったです。
泊めていただくお礼に、撮影をさせていただく。
ちょっと一方的ではありますが、そんな自分なりの等価交換をして現地の人とつながりを持てるのは、ドローンの一つの魅力ではないでしょうか。
今後ドローンは、消防現場の状況把握や、宅配シーンでも活用されると言われており、また私のような一般ユーザーにもさらに普及が広がる一方、ルールが今まで以上に明確化され、飛ばせる場所・飛ばせない場所の二極化が進むのではと思っています。
今は免許がなくても飛ばせますが、免許制度が施行される日がくるかもしれません。
さらに2020年の東京オリンピックを期に、海外の方が旅行がてらドローンを持ち込む機会が増え、規制強化も考えられます。
そんな懸念点はありつつも、ドローンの進歩は今までの地上からの映像に、空撮という選択肢が加えられ、デザイナーとしても表現の幅が広がり、とても面白い武器になると思っています。
いち制作者として、ルールを守りながら魅力的なドローンの使い方ができると良いなと、新しく購入した洗濯機を見ながら思うのでした。
ドローンの魅力、少しでも伝わったでしょうか。
都内でもドローン体験会などが開催されているので、興味がある方は、ぜひトライしてみてください!