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15
Jan,2018
梶原 大督
投稿者:梶原 大督
(チェッカー)

2018年01月15日

我が心の備忘録
~2017年に行った野外フェスを振り返る~

チェックする人々

梶原 大督
投稿者:梶原 大督(チェッカー)

品質管理部の梶原です。この時期はちょっと寒い品管部屋で日々品質向上に勤しんでおります。

夏の暑さに思いを馳せると頭に浮かぶのは野外フェスティバル(以後フェス)。
普段、ジャンルは問わないが主にエレクトロニックミュージックを聴いている。
今回は、そんな私が好きなジャンルを中心に昨年訪れたフェスについてお話していきたいと思う。

フェスの魅力を一言で言えば音楽をアウトドアで楽しめることだろう。フロアで踊り続ける、キャンプエリアでのんびり過ごす、散策するなど楽しみ方も自由。
初めて行ったフェスは、さがみ湖リゾート プレジャーフォレストで開催された FREAKS MUSIC FESTIVAL'11。同年の The Labyrinth(以下ラビリンス)でスピーカー、FUNKTION-ONE の洗礼を浴びた。音質がとても良く、以後音質を比べる基準になった。
そのラビリンスだけ毎年参加していたのに他のフェスに参加することになったきっかけは、友人からの「RAINBOW DISCO CLUB にスタッフで来れないか」という電話だった。
その後、TAICOCLUBrural とスタッフで参加。

そのスタッフ仲間で FUJI ROCK FESTIVAL に行く話が持ち上がり、弾丸ツアーを決行。
そして例年通りラビリンスに参加。
そこで終わると思いきや、その後もスタッフや客としていくつかのフェスに誘われるままついて行っていたら、昨年に行ったフェスの数は7回になっていた。
そこで備忘録を兼ねて記すことにした。

唯一無二のロケーション。
大自然の中で上質な音を楽しむ。
RAINBOW DISCO CLUB 2017

DATE:2017年5月3~5日
VENUE:静岡県 東伊豆クロスカントリーコース
LINE UP:Floating Points,DJ Nobu B2B Fred P,Sisi,Kikiorix,Kaoru Inoue,Kenji Takimi,Antal,Hunee,RUSH HOUR ALLSTARS, and more

RAINBOW DISCO CLUB」は2010年にスタートした野外フェスティバル。音楽情報サイト「Resident Advisor」の「Top 10 Festivals」にも毎年選出される。


夜のメインステージ。時折噴き出すスモークとライティングが相まって、幻想的な雰囲気をつくりだしていた。

会場の東伊豆クロスカントリーコースはその名の通りクロスカントリーのコースになっており、自然に囲まれ、展望台からは海が見える。
都内の晴海埠頭で開催していた時から知っていたが行ったことがなく、どんなフェスか楽しみにしていた。
ジャンルはテクノ、ハウス、ディスコがメイン。国内外で評価の高いアーティスト揃いで飽きる事無く楽しめた。
曲調に合わせたステージのライティング、焚かれるスモークなど演出も良かった。
フロアとキャンプエリアの間、程良く音が聴こえる場所にハンモックがあり、寛ぎながら楽しむことも出来た。
 

 

大自然の中でLiveもDJも楽しむ。
TAICOCLUB'17

DATE:2017年5月27~28日
VENUE:信州やぶはら高原 こだまの森
LINE UP:Bibio,Richard Roberts,Battles,Motor City Drum Ensemble,NONOTAK,Shed,Acid Arab,Mr.Ties, and more

TAICOCLUB」(タイコクラブ)は2006年にスタートした野外フェスティバル。会場は毎年長野県木曽郡木祖村「こだまの森」で開催される。ジャンルはバンドから DJ まで幅広く、オールナイトで開催される。


早朝にもかかわらず特設ステージ前には多くの人がいた。

このフェスは以前から知っていたが、バンドのライブイベントと思い込み行かなかった。今回は友人の依頼でスタッフとして参加。
以前キャンセルになって以来の出演となった10代で作曲を始めたドイツの DJ、Motor City Drum Ensemble を聴けたのは幸運だった。Motor City Drum Ensemble から引き継いだ3台のターンテーブルを操るイタリアの DJ、Mr.Ties は昇る朝日と共にフロアの温度を上げていった。陽が昇り、長時間の出演を任される UK のベテラン DJ、Nick The Record の頃にはTシャツでも暑いほどで、天気にも恵まれた良いフェスだった。
 

 

絶景の避暑地で先端の電子音楽を楽しむ。
rural 2017

DATE:2017年7月15~17日
VENUE:長野県 内山牧場キャンプ場
LINE UP:GAS,Svreca,Roly Porter,Solar,DJ NOBU,Felix K,ASC,Lena Willikens,Batu,Kyoka + Ueno Masaaki,Wata Igarashi,ENA,Sapphire Slows,asyl cahier,Chris SSG, and more

rural」(ルーラル)は2009年にスタートした野外フェスティバル。7月の三連休に開催される。前述した Resident Advisor の「Top 10 Festivals」にも選出される。


初日の午後のOPEN AIR STAGEはまだ人が少なく、曲調もスローでゆったりした雰囲気。

このフェスは以前から知っていたが、今回初めて誘われて参加。
昼間は眺めの良い OPEN AIR STAGE でミディアムテンポの心地良い音を楽しんだ。
夜になると暗めのステージのライティングが幻想的な空間を作り出していた。
スペインのテクノ界を代表する DJ、Svreca からヨーロッパで長いキャリアを持つドイツの DJ、Lena Willikens にかけて夜が明けていく時間帯のフロアは、ここでしか味わえないであろう空間だった。真夏の太陽が照りつける中、日本のテクノ・シーンを代表する、DJ NOBU までフロアが盛り上がっていた。
 

 

日本最大規模の野外フェスティバル。
FUJI ROCK FESTIVAL '17

DATE:2017年7月28~30日
VENUE:新潟県 苗場スキー場
LINE UP:GORILLAZ,APHEX TWIN,BJÖRK,QUEENS OF THE STONE AGE,LCD SOUNDSYSTEM,MAJOR LAZER,SAMPHA,TEMPLES,THE STRYPES, and more

FUJI ROCK FESTIVAL」は1997年にスタートした野外フェスティバル。国内外から幅広いジャンルのアーティストが集まる。会場が広く、ステージ数が多いのも特徴。

言わずと知れたフジロック。フェスの存在も、ラビリンスと同じ会場で行われるということも知っていたが、行くきっかけが無かった。
今回、過去のフェスに行ったメンバー内で話が持ち上がり、名だたるフジロックの規模とクオリティーを楽しみにしていた。


真夜中のRED MARQUEEは満員状態、ライティングと相まって熱気が凄かった。

会場が広い上にステージが多く、人気のあるアーティストの出演前後は客の大移動で通路が渋滞するため、全てのステージを回るのは難しいと思った。それぞれのステージで同時進行しているので、観たいアーティストの出演時間が重なってる場合は選択を迫られることになる。
行く前から友人がプッシュしていた日本のミュージシャン、小山田 圭吾のソロユニットの Cornelius は初めて観たが、演奏と映像の凄さに鳥肌が止まらなかった。その後の90年代初頭にリリース以来今も活動を続けるイギリスのミュージシャン/DJ、APHEX TWIN も初だったが、この日一番の盛り上がりだっただろう。
日曜の昼過ぎに帰宅した後も興奮で一日中落ち着かなかった。
 

 

海外からの参加者が多い野外フェスティバル
The Labyrinth 2017

DATE:2017年9月16~18日
VENUE:新潟県 苗場グリーンランド
LINE UP:Peter Van Hoesen,Donato Dozzy,Ishq,Atom™&Tobias.,Tobias.,Outer Space,Patrick Russell,Marco Shuttle,Agonis,Claudio Fabrianesi,DJ Nobu,SO,Hiyoshi

The Labyrinth」(以下ラビリンス)は2001年にスタートした野外フェスティバルで、テクノがメイン。海外からのアーティストが殆どだが評価の高いアーティスト揃いで、チケットは毎年即ソールドアウトとなる。


ライティングが絶妙で夜景を見ているように思える(正面の赤く見えるのは竹で作られたオブジェ)

2011年にはじめて行き、2012年からスタッフとして参加して以来毎年参加しているので今回は7回目だった。毎年、国内屈指の音質と、普段会えない仲間との再会を楽しみにしている。
3日間の日程それぞれにテーマがあり、それぞれのアーティストが今年のテーマ「Unspoken Words」「Narrative on the Edge」「A Kind of Glory」に合わせた音を繋いでいく。人が少ない朝のフロアに流れるゆったりとした曲がまた心地良い。キャンプサイトでもフロアに近いエリアならしっかり音が聴こえるので、寛ぎながら楽しめる。
随所に飾られたデコレーションとステージを彩るライティングも好きなポイント。
 

 

シークレットビーチのようなロケーションで
開催するパーティー
Chilluxe Beach 2017

DATE:2017年10月13~15日
VENUE:静岡県 東伊豆 シーサイドハウス 今井浜
LINE UP:Conrad McDonnell,Chris Coco,Dreams aka Angus Gruzman,SCHARRE,ASAHARA,山頂瞑想茶屋, and more

Chiluxe Beach」(チラッックスビーチ)は2016年にスタートしたパーティー。ビーチに面した東伊豆のコテージキャンプ場「シーサイドハウス今井浜」で開催される。小規模ながら、国内に限らず海外からのアーティストも多い。


砂浜にある岩山の頂上からフロアを望む

ビーチパーティーをイメージして以前から気になっていたが、今回は友人が行くというので便乗することに。
雨の中の開催となったが、夜は雨が上がり、タープを叩く雨音に遮られることなく音を楽しむことが出来た。
ビーチにデコレーションされたミラーボールが綺麗だった。波の音が聴こえるのもビーチパーティーならではの演出になっていて心地良かった。
夜中にかかった大貫妙子と翌朝かかった Eric Prydz が印象的だった。
翌朝は再び雨が降り出したが、フロアの入りは昨夜よりも増えていた気がする。
 

 

「魂の震える音楽体験」を野外で味わう
オーガニックなフェス
FESTIVAL de FRUE 2017

DATE:2017年11月3,4日
VENUE:静岡県 つま恋 リゾート彩の郷
LINE UP:The Master Musicians of Joujouka,Acid Pauli,BaBaZuLa with Nourah,Vessel,Idris Ackamoor & The Pyramids,高木正勝,Fabiano do Nascimento,VOODOOHOP, and more

FRUE」(フルー)は2012年にスタートしたイベント。野外フェスとしては今回が初開催。ジャンルはジャズ、ロック、ワールド・ミュージック、クラブ・ミュージックと幅広い。

スタッフ募集の連絡があったのが2日前。参加する友人が多く、「魂の震える音楽体験」という未知のコンセプトも気になっていたのでスタッフとして行くことを即断。
他のフェスとは違い、ゆったりとした雰囲気で、午後の暖かい陽射しの下、Open Air Stage で寝転びながらブラジル・サンパウロのパーティー・クルー「VOODOOHOP」を聴いたのが7つ行ったフェスのなかで一番のハイライトだった。


右側中央に見えるドーム状のテントがOpen Air Stage

初来日の、先祖代々受け継がれてきた音楽を演奏するモロッコの音楽家集団 The Master Musicians of Joujouka を生演奏で聴けたのも貴重な体験だった。どこまでが1曲なのかわからぬまま延々と続く演奏と踊り続ける客。「本物のトランスミュージック」と言われる所以が分かった気がした。

フェスやパーティーにおいて、アーティストのパフォーマンスやサウンドシステムも重要だが、楽しめたフェスに共通するのはロケーションの良さかもしれない。

今回参加した7つのフェスのなかで最も感動したのは FESTIVAL de FRUE(フルー)。程良く傾斜のあるなだらかな芝生に寝転んで聴いていたが、周りの人も楽しそうだった。ハイテンポの曲を大音量で聴くのとは違う楽しみ方があることを知った。

どのフェスもそれぞれ特色があるが、共通するのはテントで寝泊まりするキャンプと音楽パーティーを同時に楽しめる点。キャンプついでに音楽パーティー、音楽パーティーついでにキャンプを楽しむのでも良い。どちらかだけより楽しさが倍増する。既に今年の開催を発表しているフェスもあるので、春が待ち遠しい。

この投稿を書いた人

梶原 大督

梶原 大督(かじわら だいすけ)チェッカー

ミニマル且つニュートラルな思考及び嗜好に努める。装備は眼鏡、腕時計。左利き。“オーガニック”“ナチュラル”系のフレーズに反応する。

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