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24
Jan,2018
永井 智子
投稿者:永井 智子
(取締役副社長)

2018年01月24日

伊藤洋介がMVP受賞で見せたもの、
モノサス的「自分の仕事」のつくり方

今月のMVP

永井 智子
投稿者:永井 智子(取締役副社長)

こんにちは、副社長の永井です。
今月のMVPは、モノサスで「教育」を担って、「役員付」という立場でお仕事をしている伊藤洋介です。伊藤は、約1年半前に、コーディングファクトリー部の部長を退いた後、どの部にも所属しないで活動しています。
そもそもモノサスのMVPの決め方は、「部長が自部署内からひとりずつの推薦者を持ち寄っての合議」という方法を取っており、部に属さない伊藤は、実は選考対象者にすらなっていませんでした。
そんな中、他部の部長から部を超えての推薦があり、全部長たちも納得の受賞となりました。
 

部長を引き継ぐという決断、その後のトンネル期間

ほぼ2年ほど前、もう昔話なので、ここで公開しちゃいましょうか。
伊藤からの最初の働きかけは、「モノサスを退職したい」というところからはじまったように記憶しています。コーディングファクトリー部も、いろいろ課題はあれど、順調に成長して成果が出始めていた頃。伊藤自身も、そのコーディングファクトリーにコーダーとして入社してから、めきめきと頭角をあらわし、リーダーに、そして部長にと、コーディングファクトリーの成長とともに良い成長をしているように見えていた頃です。

このタイミングでなぜ…?そんな疑問から、何度か伊藤と話をしました。伊藤から語られる退職動機は、現状の何かへの不満ではなく、起業したいとか、ビジネスをおこしたいとか、世の中に影響を与えるアプリを作りたいとか、果ては、一度自分の人生をめちゃくちゃにしてみたいとか、8億(ここだけなぜか超具体的。笑)稼げる人になりたいとか・・・。
一つ一つは支離滅裂な話の中から、私が聞いていて感じたのは、伊藤が、自分の中のまだ使っていない何かを持て余しているのかな、ということでした。そして、そんな伊藤が、今後も自分やモノサスと近い位置で仕事をしてくれると嬉しいなぁ、ということも。

もちろん、現実的にはいろいろ検討したことはありました。順調に進めていたコーディングファクトリーのビジネスから伊藤が抜けることによるダメージは、当時としてはかなりのもの。そんなことを希望している伊藤を、会社として許容していいのかとか、そもそも何の仕事をするのかすら決まらないのに引き続きモノサス社員として働くなんてありえるのか、とか。
伊藤の側にも、自分が部長を退くことで負担が増えるであろう人たちに対する負い目や、いったんは出した「退職する」という意思を引っ込めて、もう一度モノサス内にとどまるという決断をするまでに、たくさんの葛藤はあったように思います。

けれど、伊藤とモノサスとは、そんな課題を受けとめつつ、踏み出しました。

そうして始まった、何をやるのかわからない立場(!)での、伊藤のスタート。

1つだけ決めていたのは、1週間に1度、その週にやったことと次週にやろうとしていることの報告をすること。最初はまったく進展しない報告会。いろいろと調べたり、人に会いに行ったりするたびに、考えがあっちへ行ったりこっちへ行ったりの伊藤でした。けれどそうして、考えたり試しに動いたりしている中で、今までの自分の仕事を振り返り、人の成長に立ち会った時のうれしさや、その時に自分が関われることへの喜びに、焦点が絞られていきました。

誰かに自分の知識・ノウハウを伝えているときの自分。そのときの楽しさ、感動。
そこに気づいてから、ストリートアカデミーなども利用しつつ、自らニーズを探し、生徒を集め、講義内容を考えるなど、少しづつ自分がやりたかったことと、世の中から求められている「仕事」を近づけていきました。

そうして伊藤は、「教育」という自分の仕事のテーマを見つけたのです。

そんな中、2017年も神山でのものさす塾の開催が決まり、伊藤は、自分の仕事のテーマ「教育」の実現方法のひとつとして、第3期の塾長兼講師に立候補しました。


ものさす塾で教鞭をふるう伊藤は、自ら案件に関わっている時や、部長業務を担っていた時とはまた違う晴れやかさがあるように見えました。
 

自分で自分の仕事を決めることの、苦しさと喜び。
そして喜びの次には、たぶんまた苦しさも。

昨年末、半年間のものさす塾第3期が無事に終了し、卒業生9人のうち、なんと7人がモノサスの新入社員として仲間入りしてくれました。
モノサスの採用では、専門的な技術知識やお客様とのディレクションなどの実務面のスキルも期待したいし、モノサスの「仕事と暮らし」の考え方への共感もしてほしいなど、いろいろ条件を考えると、採用には苦労しているここ数年でした。そんな中で、「モノサスに入社したい」という気持ちと、各部署から「来てほしい」という気持ちが合致する、そんなメンバーが多く育ってくれたことは、ほんとうに喜ばしいことです。
半年間、授業はもちろん、時には塾生の生活にも入り込んでの塾長・講師をしていた伊藤にとっても、大きな手ごたえを感じたのではないでしょうか。


第3期ものさす塾の卒塾式でのひとこま。伊藤も卒業生も、半年間やり切った!といういい笑顔です。おそろいのTシャツは「もろさす」…?!

そして、それをよく表しているのが、MVP受賞にあたって、林からお祝いのコメントとともに語られたひと言。
「最近の伊藤さん、ほんっとに楽しそうなんだよね」

自分のやりたいことを見つけ、形にする。それを求めてくれる人がいて、お金を稼ぐ手段になる。
そんな「自分の仕事」を、伊藤は自分自身で作ったのです。


せっかくのMVP発表の日。伊藤はインフルエンザの疑いで、出社できずにハングアウト参加。

とはいえ伊藤が「教育」というテーマを「自分の仕事」として固めていくには、まだまだ道半ば。
今回は、第3期ものさす塾の教育の成果がMVP受賞の理由になりましたが、技術の進歩とともに、教える内容も変わるし、さらには、モノサスの人材教育にとどまらず、Web業界、IT業界全体の向上のために、外にはばたく人の育成にも、伊藤の「教育」というテーマは広げられていくのではないかと期待しています。
そう。教育って奥深い、どんな仕事においても永遠のテーマです。喜んだあとは、また次のステージに向けて苦しんでください(笑)。

MVP受賞コメント

MVP、ありがとうございます。
モノサスでは色々と「DIY」が推奨されていますが、自分の仕事すらも「DIY」させてもらえてるおかげだな~、と改めて各方面の皆さんに感謝です。

社内の部署という枠組とは別で活動はさせてもらえてましたが、最初は「管理してもらえない」「指示がもらえない」という事がしんどかった記憶があります。
自分で望んだ事であるものの、いざやってみると、自分の甘い部分が出てくるわ、出てくるわ。
「これでいいんだっけ?いや、ダメだろ」と自問自答を繰り返していたような気がします。

苦しみながらも「教育」というテーマを決めて活動を始める事は出来たのですが、苦しんで始めた事が少しづつでも形が見え始めてくると、楽しいんですわ、これが。
元来、「作る」という事が好きな自分には、正に「作っていっている」という感覚が働き始めていて、外から見ると楽しそうに見えちゃってるんだろうなーと思ってます。

まだほんの小さな一歩を踏み出せたところではあるのですが、今回のMVPはこれからの大きな励みになります。

ありがとうございます!
ひきつづきがんばります!

伊藤 洋介

 

この投稿を書いた人

永井 智子

永井 智子(ながい ともこ)取締役副社長

モノサスの取締役副社長です。東京タワーの見える家に憧れ、川崎から、国分寺、本郷を経て目黒までたどり着いたはずが、ひょんなことから山口県に住むことになりました。人生何が起きるかわからない、だけどどこもが住めば都。 「どう生きるか」から仕事や住む場所を選ぶのもいいけれど、今いるところを居場所と決めて、生き方、考え方、性格だって変えていってもいいんじゃない?

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