2018年03月07日
「あるある!」仕事におけるコミュニケーションロスの傾向と対策
こんにちは。ディレクターの中川です。
普段業務をおこなっている中で「伝えたはずのに出来ていない」とか「そんな話は聞いていない」というような、コミュニケーションロスを感じたことが無い方はいないと思います。コミュニケーションロスはデメリットしかなく、誰も幸せになれないです。
なぜ、コミュニケーションロスは発生してしまうのか、どのように対策を行っていけばいいのか。今回は自分の体験をふまえて、具体例を挙げながらご紹介したいと思います。
1. 文章が長すぎる(短すぎる)
モノサスでは ChatWork というチャットツールを業務で使用しています。
ChatWork でプロジェクトや目的別にグループチャットを作成し、社内の連絡などを行っています。メールよりもスピーディーかつ気軽ににやりとりが出来るため非常に便利なツールなのですが、文章が長すぎたり、逆に短すぎてしまうことで相手に十分な情報が伝わらないことが多いです。
情報が不十分だと「これはどういうことですか?」と確認する工数と、それに回答する工数がプラスで必要となり、無駄な工数が発生してしまいます。
文章が長すぎるパターン
自分が伝えたいことを全て打ち込んでしまい、編集をせずに送付してしまうパターンです。文章が長いと、読む側は読むこと自体に労力を使わなければならなくなり、最後の文章を読む頃には最初の方の内容を忘れてしまい「結局何をしなければならないのか」が分からなくなってしまうことがあります。
その場合、適度な改行を入れたり、「・」「1.」などのリスト化や「■」を使って見出しを付けることにより、文章は格段に見やすくなります。
Before(文章が長すぎて、要点がつかみづらい)
先程お話しさせて頂いた◯◯◯の件についてですが、
対応は来週中にということでお伝えしていましたが、
その後クライアントの会議で来週頭には社内承認を得る必要があるということになり、
今週中に対応をお願いしたく明日にでも一度MTGをお願いできればと思います。
よろしくお願いいたします。
After(冒頭に結論があり、内容も箇条書きでわかりやすい)
先程お話しさせて頂いた◯◯◯のスケジュールについて相談です。
・対応は来週中とお伝えしてましたが【今週中】にお願いしたいです。
(理由:クライアントの会議で、来週頭には社内承認を得る必要がある為)
・明日にでも一度MTGを実施したいのですが、ご都合いかがでしょうか。
よろしくお願いいたします。
文章が短すぎるパターン
逆に、修正を依頼したいときに「◯◯の修正をお願いします」としか書かれていないと、今度は分からないことだらけです。
- その修正はいつまでに対応が必要なのか。
- 修正の資料はどこにあるのか。
- 完了後、修正したものはどうすれば良いのか…等
送付後に口頭で補足するとしても、口頭のみでは抜け漏れが発生してしまうため、箇条書きなどでもいいのである程度の情報は記載しておく必要があります。
2. 資料の情報不足
メールなどのテキストだけでは説明しきれない場合、Word や Excel・PowerPoint 等で説明資料を作成することがあると思います。ただ、これらのツールを使えば万事OKというわけではありません。
ツールを適切に使用しないと。相手に正確な情報が伝わらず、せっかく作った説明資料について説明するための資料を作らなければならなくなってしまったりします。
Word を使う場合
原稿などを Word でやり取りする場合は、変更履歴を記録した上で「どの箇所のテキストがどのように変わったか」を明確にすることが重要です。そうしないと、相手に変更した箇所が伝わらずに修正が漏れてしまったりするため、変更箇所が分かるようにしておく工夫が必要になります。
Excel を使う場合
Excel で課題などを管理する場合は、フィルターやソート機能を使うことで、タスクが見やすくなる反面、1セルにあまり情報が入らない(入れすぎると見辛くなってしまう)ため、1セルにたくさんの情報を詰め込みすぎず、列や行を増やして情報を区切ることで視認性を上げる工夫が必要です。
PowerPoint を使う場合
PowerPoint は画像などを簡単に入れられるので非常に使いやすいツールです。スライドが少ないうちは非常に使いやすいツールですが、スライドが増えたり何度も更新を繰り返していくと Word と同様に変更箇所が分からなくなってしまいます。そのため、変更履歴の記録やコメントなどを使って「いつ」「どこを」変更したかを明確にする工夫が必要になります。
では、ChatWork の文章や資料の作成がバッチリであれば問題ないのか?というと、もちろんそんなことはありません。仮にそこが満点だったとしても、まだまだロスが発生する要因はたくさん眠っています。
3. 認識の相違
例えば「この修正を明日の夕方くらいまでにやって欲しい」と伝え、相手から了承を得たとします。でも、もしかしたらそこにも「認識違い」があるかもしれません。
頼んだ側
この修正を明日の17時までに行い、クライアントの確認を終えた上で19時くらいには納品したい。
頼まれた側
「夕方くらいまで」なので、17時くらいから着手して早ければ18時、遅くとも19時くらいには修正を完了させる予定。
同じ文章でもそれぞれの立場によって認識にズレが発生してしまい、ロスが発生してしまいます。そのため、誰かに何かを依頼するときには「できるだけ簡潔&正確に伝え、可能であれば依頼後に発生する可能性がある作業についても予め伝えておく」ようにすると、認識ズレを減らすことが可能です。
4. 「報連相」の不足・確認漏れ
指示や資料が十分だったとしても、作業を進めていく中で不明点や迷うところは必ず発生します。それを「きっとこうだろう」「これで大丈夫だろう」という思い込みで作業を進めてしまうと、出来上がったあとに「違う」となってしまい膨大なロスが発生してしまいます。場合によっては徹夜になってしまう可能性もあります。
依頼された側は些細なことでも「念のため」確認をし、依頼する側もこまめに進捗状況を「報連相」することで未然にロスを防ぐことができます。
5. 社内という安心感
社内での依頼だと、物理的な距離が近いことや同じ会社のメンバーという安心感がありますが、時と場合によってはこれがあまり良くない影響を出してしまう場合があります。
「最終的にクライアントに見せるが、その前に社内の人がチェックしてくれる」や「社内だから少しくらい遅れても問題ないだろう」という安心感から、作業や確認がおろそかになってしまい、普段以上のロスが発生してしまうことも多々あります。
以前、「元コーダーのディレクターは考えた。社内ディレクションをスムーズに進める方法」にも書きましたが、社内ほど丁寧なディレクションが重要です。
大事なのは、面倒くさがらないこと
自分は小さい頃から面倒くさがり屋で、無駄なことが嫌いな性分でした。それは大人になっても変わらず、少しでも同じ成果を少ない時間で出来ないかを日々考えてしまいます。
とはいえ、ただ面倒臭がってしまうと上記のような苦い思い出に(また)なってしまうので、普段の業務の中でのちょっとした文章の書き方や資料の作り方などを(ちょっと面倒でも)工夫することで後々のロスを減らせるように努力しています。