2018年03月13日
出会いと別れ、春はそんな季節です。
〜 春をテーマに「ものさすシネマ」〜
ようやくあたたかい日差しの日が増えてきましたね。
暦では、土があたたかくなり、冬ごもりから目覚めた虫たちが土からでてくる「啓蟄(けいちつ)」です。桜の蕾も色を帯びてきて、満開の桜が見れるのももうすぐ。
そんな、春は、出会いや別れ、人生のドラマもありますね。
ワクワクしたり、ちょっとせつなくなったり…。
そんな春に、わくわく、ドキドキな気分を増幅させる映画を見るのも良いかもしれません。
今回は「春」からイメージした映画をメンバーに紹介してもらうことにしました。
笑い転げる作品からちょっとぐっとくるものまで。
春の訪れにぴったりの作品がそろいました。
今回紹介する映画
- 『 Before Sunrise / 恋人までの距離(ディスタンス)』 監督 リチャード・リンクレイター
- 『アヒルと鴨のコインロッカー』 監督 中村義洋
- 『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! 』 監督 エドガー・ライト
- 『帰ってきたドラえもん』 監督 渡辺歩ほか
人生は、出会いにあふれてる!
『 Before Sunrise / 恋人までの距離(ディスタンス)』
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紹介者
上原 健 ディレクター
ダサアメリカン男子と、ちょっぴり気取ったヨーロピアン女子の物語。
パリに向かう電車のなかでの偶然の出会いから一気に惹かれ合う二人。
お互いの価値観を語りあいながら、限られた時間の中でゆっくりと、そしてぎこちなく距離感を縮めていきます。
人生は出会いに溢れています。中には思い出すと微笑ましい出会いもありますよね!
初めてのデートで、ご飯を食べに行って。
あれ? 22時に帰らなきゃじゃなかったっけ? もしかして楽しんでくれている?
距離感も近くなっている、きっ、気がする。これって恋? もう、好き。
v こんな下世話な話ではないですが、人との出会いの楽しさ、
ドキドキを感じさせてくれる映画だと思います。
映画の冒頭にこんなセリフがあります(僕のうろ覚え&意訳)。
例えば、君が結婚して、時間が流れ、倦怠期に入るとこう思うんだよ。
私があの人と一緒になったら、あの時好きだった人と付き合っていたら、どうなったんだろう?僕は今君をこの電車から誘い出す事で、その妄想の時間を少なくしているんだよ。
さあ、思い切って行こう。
春の出会いにいってらっしゃい!
春の風が切なくなる、さすがの伊坂ワールド
『アヒルと鴨のコインロッカー』
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紹介者
香取 玲美 セールス部
タイトルになかなかインパクトがありますが、原作の伊坂幸太郎のファンでもある私は、小説を読みつつ映画化された作品を見るが好きなのです。
実は、この作品は映像化が不可能とも言われたトリックがあるにもかかわらず、
伊坂ワールドならではの切なさと緻密な構成がみごとに表現されており、
話に引きこまれてしまいます。
舞台は春といえど、まだまだ肌寒そうな東北、仙台。
東京から大学入学のために、仙台に引越してきた椎名(しいな)。
アパートの外で段ボールを片付けながら、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさんでいると、隣に住む河崎(かわさき)と名乗る男に声をかけられます。
まさにボブ・ディランが繋いだ「縁」とでもいうのでしょうか。
河崎は、同じアパートに住んでいるブータン人のドルジが、恋人を失って引きこもりになっているのを励ますために、広辞苑をプレゼントしようと椎名を誘います。
その方法がまさかの「本屋襲撃」。
なんとも怪しい誘い。
やがて話が進んでいくと襲撃の謎が解けていくのですが、あるときすべての伏線が繋がっていたことに気づかされるのです。
それが、なんとも切ない。さすが。
ネタばれになるので多くを語れませんが、ぜひご覧ください。
How many roads must a man walk down
Before you call him a man?
観終わった後は、きっとあなたも「風に吹かれて」をつい口ずさんでしまうでしょう。
春は宴だ!ビール片手に笑っちゃおう
『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! 』
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紹介者
齊藤 あかね チェッカー
「春」といえば「宴」。
「宴」といえば「お酒」。
ということで、この映画をご紹介いたします。
学生時代に成し遂げられなかった、「一晩に5人で12軒のハシゴ酒」。
おじさんになった5人が再び集まり、故郷の街で再挑戦することに。
12軒目となるパブ「ワールズ・エンド」を目指して飲み歩きを開始するのですが、
どうらや街の人たちの様子がおかしい。亡くなったはずの知り合いがいたり、トラブルになった相手から青い液体が流れたり…。
街の人たちが人間ではないことに気づき、異変を感じながらも「はしご酒を続けよう!」。
そんな、イギリスのコメディSF映画です。
「ワールズ・エンド」に死に物狂いで向かうおじさんたちが酔っ払いながら、変わってしまった街の住人たちと戦いはじめます。それだけでもすごいのに、中でもこの人が?という意外な人の戦闘能力が異常に高くおもわず笑ってしまいます。
いつのまにか街のモニュメントまでもが動き出し、観ている自分が酔っ払っているのかと疑うほどハチャメチャです。
DNAを提供すれば、クローンを作っていつまでも若く楽しく過ごせると、黒幕のエイリアンから提案されるのですが「自分は自分しかいないんだ」と突っぱねるところはスカッとしますし、頭で考えるというより勢いで観てしまえる映画です。
ビールもたくさん出てきます。飲みまくっています。
春の宴の合間にビールを片手にいかがでしょうか。
ちなみに私は、まったくお酒はのめません。
優しくいよう、そう思わせてくれる大好きな映画
『帰ってきたドラえもん』
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紹介者
長尾 理央 プランナー
「春」から連想するのは、「出会い」と「別れ」。
それと、毎年春に公開される映画ドラえもん。大人になった今も楽しみにしています。
その中でも春にオススメなのが『帰ってきたドラえもん』。紹介もいらないほどの名作ですが、今回オススメの一本に挙げさせてもらいました。
あるとき、未来に帰らなければいけなくなったドラえもん。嫌だとダダをこねるのび太ですが、心を痛めるドラえもんを見ているうちに、このままじゃいけないと決心します。別れの前夜、ケンカを仕掛けてきたジャイアンに「ドラえもんが安心して未来に帰れないんだ!」と、ひとりで立ち向かうのび太。その姿を見守って、ドラえもんは未来へ帰っていく…
大切な相手だからこそ、心配をかけまいと、前を向く。寂しいけれど、前を向く。そんなのび太の優しくて、勇ましい姿に心を打たれます。相手の気持ちを思いやる「強さ」を、ストレートに届けてくれる映画です。
毎回、号泣しながらこの映画を観るのですが、観終わった後、いつもより少し周りの人に思いやりを持とう、優しくいよう、そう思わせてくれる、とっても大好きな映画です。
ちなみに、未来へ帰ったドラえもんは、あるきっかけでのび太のもとへ戻ってきてくれます(「ウソ800」というひみつ道具がまた泣かせます)。
いつもありがとう、ドラえもん。
まだご覧になっていない方は是非!
90年代恋愛映画の名作から、不可能と言われた小説の映画化、はちゃめちゃコメディに国民的アニメまで。春をテーマにさまざまな映画が紹介されました。
笑ったり、キュンとしたり、切なくなったり、映画は心の栄養ですね。
春はすぐそこ。映画で心を満タンにして、今年の春もめいっぱい楽しみましょう!