2018年10月22日
学生の心をつかむ採用サイト
〜自社の魅力を訴求し、採用につなげよう〜
こんにちは。 BtoB チームの羽賀です。
近年、就職活動の現場は「売り手市場」と言われ、優秀な学生の確保が課題となっている企業も多いのではないでしょうか。
多くの学生は就職活動という限られた期間の中で、数多くの企業を見比べ、自身に合った企業を見定める必要があります。そこに対して、採用ポータルサイトに自社の情報を掲載するだけでは多くの企業の中に埋もれてしまいかねません。
このような状況の中、企業はこれまでよりいっそう「採用サイト」に注力し、学生に向けて自社の魅力を効果的にアピールする必要があります。
各企業はどのようにして「自社の魅力」を訴求しているのでしょうか。今回は、近年の採用サイトからピックアップしたいくつかの事例をもとに、学生の心をつかむために何を伝えればいいのかを考えてみましょう。
企業の信念を伝える
株式会社キーエンス
大阪府大阪市に本社を置き、ファクトリー・オートメーション用センサ、測定器、画像処理機器などの開発・製造販売をおこなうキーエンスの新卒採用サイト。
「超」付加価値を、世界に。
というコピーが印象的な新卒採用サイトは、冒頭で企業の使命について説明。「 OUR MISSION 」でどんな付加価値を持つのか、どんな考えを持ってそれを実行しているのかを表現しています。同社の提供する製品がなぜ必要なのかを解説し、企業の将来性を感じさせる内容となっています。
また、「開発コンセプト」では、同社が開発において目指す姿を冒頭で説明することで、続く開発プロジェクトに取り組む社員一人ひとりの想いをより強調させています。
一方、「よくある質問」では、やや砕けた言い回しを用いて、「激務って本当ですか?」や「営業のノルマはきついのですか?」といった質問に回答しています。学生にとって「気になるけれど聞きづらい」ような項目をあえて出すことによって、オープンマインドな風土を感じさせるとともに、意欲的な学生に向けたメッセージにもつなげています。
サイト全体を通じて論理的に説明され、しっかりと組み立てられたコンテンツからは、同社の揺るぎない信念と企業風土を感じることができます。
堅いイメージをやわらかく変える
宇部興産株式会社
山口県宇部市と東京都に本社を置き、化学製品、セメント、プラスチックの成形機械などを製造するメーカー、宇部興産株式会社の採用サイト。
「宇部興産図鑑」というユニークなネーミングが、まず目を惹きます。宇部興産という企業やそこで働く社員のことをひとつの図鑑にまとめたようなデザイン。随所で使われているイラストがなんとも可愛らしいですね。
「仕事図鑑」では、出身専攻、事業分野、職種、その他から絞り込むことができ、該当する社員の紹介ページを閲覧することが可能になっています。化学、医薬、建設資材、機械、エネルギー・環境という幅広い事業と文系・理系の様々な仕事に携わる社員の中から、興味のある社員ページをすぐに見つけることができるように工夫されています。
スペシャルコンテンツでは「女性社員座談会」と「機械系社員座談会」を通じて、社員のリアルな声を紹介しています。女性が働きやすい職場であることや、機械系社員のやりがいなど、外からでは見えにくい社内の様子が伝わってきます。ページのデザインも若者に馴染みのあるメッセンジャーアプリのようなデザインで構成されており、読みやすい工夫がされています。
堅い印象を受けがちな BtoB 企業「らしくない」やわらかなデザインを、社員のリアルな姿を切り取った紹介記事や、対談記事で丁寧に伝えることで、バランスの取れた採用サイトに仕上げています。
データでブランドを証明する
三菱マテリアル株式会社
銅やセメントなどの基礎素材をはじめ、自動車や家電などに使われる機械部品や電子材料・部品の製造・販売などをおこなう総合素材メーカー、三菱マテリアル株式会社の採用サイト。
「事業領域」では、各事業について学生にも身近な用途を紹介しながら、特徴を表す数字データや事業の将来について説明しています。事業の概要説明だけに終始せず、具体的なデータや展望を示すことで、業界での存在感をアピールし、企業の将来性を感じさせる内容となっています。
「能力開発」と「働きがいの向上」では、体系図で教育研修の全体像を伝えるとともに、各研修の内容を詳しく説明。福利厚生プランについても内容の説明と制度利用者の声を掲載しています。実際に入社したあとのバックアップ体制についてしっかりと伝えることは、これから入社する社員が仕事を続けるにあたっての、環境面での不安解消につながります。
「プロジェクトストーリー」では、実際にプロジェクトに関わったメンバーの声を交えながら話を展開。本文中の写真では、実際の職場の雰囲気やメンバー同士の信頼関係が伝わってくるようなカットを上手く用いています。
各所に具体的なデータを散りばめて情報に説得力を持たせながら、重要なコンテンツを網羅した完成度の高い採用サイトです。
映像でリアルを伝える
株式会社アマダホールディングス
神奈川県伊勢原市に本社を置く金属加工機械の総合メーカー、株式会社アマダホールディングスの新卒採用サイト。現在はインターンシップ向けになっています。
まずはじめに目につくのが冒頭の企業紹介動画です。まるでドキュメンタリー番組を観ているかのような、美しい映像とメッセージで構成されています。職場の雰囲気、社員が働く姿を映像でリアルに感じ取ることができ、メッセージによってどんな想いで働いているのかが伝わってきます。
「STORY」として、9名の様々な職種に携わる社員のインタビューを通じて仕事内容や働くことへの想いを紹介。インタビュー動画も公開しており、実際に社員が話す姿や仕事中のワンシーンから、仕事現場を垣間見ることができます。
近年では映像を用いた採用サイトをよく見かけるようになりましたが、写真だけでは伝えきれない、よりリアルな「現場」を伝える手段として、動画は有効活用できそうです。
いかがでしたか?どの採用サイトも工夫を凝らしながら、自社の魅力を学生に向けて発信している素晴らしいサイトでした。
いまの学生が採用活動において、志望する企業の採用サイトをチェックすることは言うまでもありません。そのような中で、企業が採用サイトにおいて伝えるべき重点ポイントを整理してみましょう。
- 企業が根底に持つ考え方・想いを伝える
- 社員のリアルな声と職場の様子を伝える
- 働きやすい環境を実現するための取り組みを伝える
- 強みや取り組みを通じて企業・業界の将来性を伝える
どこを重点的に伝えるかは企業によって様々ですが、そのどれもが学生にとって重要な要素となります。これらについて丁寧に、そして正直に伝えることで、学生はその企業で働く将来の自分の姿を想像することができるのです。
企業と学生の双方にとって貴重な機会である採用(就職)活動をより実りのあるものにするために、採用サイトをしっかりと活用していきたいですね。
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