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Nov,2018
龍田 祥拡
投稿者:龍田 祥拡
(マーケティング部 部長)

2018年11月16日

酒場の原点を感じる、オーセンティックバー
ー ふるさとのバー 大阪編 ー

TOPICS

龍田 祥拡
投稿者:龍田 祥拡(マーケティング部 部長)

先月の松本編につづき、ふるさとのバー第二弾は、大阪編です。

そもそも、この企画は、雑談の中から生まれました。

「地元帰ったら、あ~帰ってきたな~って、感じる店あるよな?」
「そうそう、あの店とか、あの店とか、、、」

という話をしていたら、共通点としてあったのが、バーでした。

今回は、龍田が大阪に帰ってきた~と感じ、おススメできるお店をご紹介します。
地元は、兵庫県ですが、大学から社会人の多感な10年間を大阪で過ごしたこともあり、大阪は遊びのふるさとであります。

お店の名前は、A bar

場所は、大阪は福島駅から徒歩5分。

土地勘がある方は、分かると思いますが、新しい店も昔からある店も軒を連ね、飲食街と住宅街が共存する人気エリアです。

福島6丁目の交差点を北に渡ると、右手に看板が見えます。

その名も、A bar(え~バー)。

店主の苗字である朝生(あさお)の頭文字と、Excellentの関西弁「え~」をかけた店名です。

お店は、地下1階。看板の横に階段があります。

一見、いかがわしい赤い絨毯の階段をおりると、カウンターが広がります。

席数は、カウンター8席と、プライベートルームにテーブルが2つ。
ちょうどいいサイズ感です。

2011年11月にオープンしたA bar。
実は、店主と龍田は、高校の同級生です。

「だから、紹介してるんだ?」

いや違うんです。

写真から想像できると思いますが、このお店は、ガチガチのオーセンティックバー。そう見えます。でも、確かにそうなんですが、そうじゃないんです。
そこが、このお店の面白いところでもあり、個人的には少し悔しいところでもあります。

こんなバーが好き

バーと言えば、皆さんはどんなイメージでしょう?

  • 敷居が高い
  • 値段が高い
  • バーテンダーのプライドが高い
  • 格式が高く感じる
  • 静かで、すましてて、なんだか話しづらい雰囲気
  • ドレスコードも気にしないといけない
  • 「あちらのお客様からです」が、横行している

等々

実際にこういう店もありますが、イメージが先行し過ぎていて、どこかとっつきにくさを感じている方もいるかもしれませんね。

自分が、好きなバーは、このイメージではありません。
好きな店を思い出しながら、どんなところが好きかをまとめてみました。

ジントニックがおいしい。ジンフィズがおいしい。ギムレットがおいしい。
スタンダードカクテルは、レシピもつくり方もシンプルなものが多いです。
シンプルなお酒ほど、お店・バーテンダーの味がはっきりとでます。

バックバーが好み。
在庫が多けりゃいいってもんじゃない。意味と意思がある品揃えがされている。
おしつけがましくなく、定番8割:こだわり2割。古典8割:新種2割。

ウイスキーの勉強をしている。
ワインバーは、わざわざワインとつけているように、バーというのは、ウイスキーを中心にカクテルとビールを飲むところだと思ってます。主要商品のウイスキーを勉強していて、最低限の知識は持っていて欲しい。

カクテルの幅が広く、質が高い。
せっかくバーに行ったなら、ふだん飲めない、且つおいしいカクテルが飲みたい。
今、流行っているものや、フレッシュフルーツを使ったカクテルも飲みたい。

生ビールがおいしい。
生ビールは、居酒屋でも飲めます。でも、生ビールって難しく、手間とコストもかかります。
きっちりやっているか否かで、味は雲泥の差になります。

バーテンダーとの距離感がちょうどいい。
席に来て欲しい時に、来てくれる。来なくていい時は、来ない。
0にもなれば、100にもなれる。時には120にも。

気が利く。
「空気を読む」という概念の上に、「気が利く」というものがあると思います。
全ての仕事にとって大切な「気が利く」とは、想像力があるということだと思います。
これができるお店は、ただただ心地いいし、誰と行っても楽しめます。

客層がいい。
客が店を育て、店が客を育てると思います。
好きな店には、オープンで、洒落っけがあって、やさしい人が多いです。

隣のお客さんとの距離感がちょうどいい。
隣のお客さん、バーテンダーとの三角トークは、酒場の醍醐味ではないでしょうか。
でも、べったりし過ぎるのも、気を遣うのも嫌なので、距離感がちょうどいい。

営業時間が長い。
これは、完全に客側のワガママです。が、バーテンダーは、「待つ」「待てる」ということは重要な素養だと思います。

他にも「トイレがきれい」「椅子の座り心地がいい」等々、挙げだすと、たくさんありませんが、これ以上書くと、結婚できない男みたいになってくるので、これくらいにして。

A bar は、このポイントを満たしています。でも、それだけなら、数ある好きなお店の一つです。
もう一つ、大きな要素があります。
それには、自分の原体験が大きく影響しています。

酒場の原点

自分は、大学時代にバーテンダーのアルバイトをしていました。授業にでるのはほどほどに、バーテンダーの仕事に没頭した4年間でした。色んなお酒の勉強をする中で、スコッチウイスキーにハマり、大学3回生の夏に2ヵ月間のスコットランド蒸留所巡りの旅にでました。

時は、2001年。今でこそ、朝ドラの「マッサン」や、ハイボールが市民権を得たこともあり、ウイスキーを好む人が増えて、スコットランドに行く日本人も増えたようです。しかし、当時はスコットランドに行く日本人は少なく、現地の人にとって日本人は、珍しい存在のようでした。

色んな蒸留所をグルグルまわりながら、ほぼ毎晩パブに行きました。

イギリスの人は、本当に楽しそうに、ワイワイとお酒を飲みます。隣の人とも気軽に会話をして、お店一丸となって飲んでいる感じです。

そして、飲み方も「自分流」です。
「自分流」の飲み方ですごく印象に残っている出来事があります。

あるパブで、隣のおじさんが、マッカランを注文しました。日本のバーで飲めば、ワンショット1000~2000円するシングルモルトウイスキーです。当時の自分からすると、高級酒です。

グラスに注がれたマッカランがでてくると、そのおじさんは、トマトジュースで割って飲み始めました。ウイスキーのトマトジュース割です。

「なんてことするんや!このおっさん!」と思って不思議そうに見ている東洋人に気づいたおじさんが、声をかけてきました。

「この飲み方が、おいしいんや。お前も飲んでみろ」と、一口飲ましてくれました。
ご想像のとおり、とても飲めたものではありません。でも、おじさんは、おいしそうにマッカランのトマトジュース割を3杯飲み干しました。

当時の自分には、衝撃的な光景でした。
「シングルモルトウイスキーは、ストレートで飲むのがいい」
「水をウイスキーと同量いれて飲むと香りがでておいしい。それもできれば、原水と同じ硬度の水で」
とか言っていた自分が、アホらしくなりました。頭でっかちになっていたというか、型にはめようとしていたというか。

滞在した2ヵ月間で、本場イギリスのパブ文化に触れたことで、自分のお酒に対する考え、酒場に対する考えが、大きく変わりました。

「その場を共有する人と、楽しむ」
「お酒に型はなく、自分が好きなように楽しむ」

これが、「酒場の原点」なのだと。

「学生時代、お酒を勉強してました」というと、聞こえはいいですが、正直なところ、格好をつけたいから、知識を得ていったというところもあります。
お酒というのは、「格好つけるものじゃなくて、楽しむものなんだ」という、今となっては当たり前のことに気づかされました。自分にとっては大きな転換でした。

その時に感じた酒場の原点を、A bar に感じるのです。

オーセンティックバーとは

くしくも、店主の朝生君は、自分の店をさして「酒場」という言葉をよく使います。
お店には、笑い声が溢れています。自分がスコットランドのパブで感じたあの感覚にすごく似ています。

店構えは、しっかりしていますが、いわゆる世間がイメージする格式が高いオーセンティックバーとは、少し違います。

でも、オーセンティックバーなのです。

オーセンティックという言葉には「まがいものではなく、本物」という意味があります。

酒場としても、出てくるお酒も、「本物」です。

同級生にこういう店をつくられてしまいました。
だから、ちょっと悔しいのです。


A bar

住所 〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島6-14-9 なにわ筋出水ビル B1F
TEL 06-6453-4545
営業時間 20:00~翌5:00
URL http://www.abar1101.com/

この投稿を書いた人

龍田 祥拡

龍田 祥拡(たつた よしひろ)マーケティング部 部長

兵庫県播州出身。祭りが盛んな地区で生まれ育ったので、祭り月(10月)はソワソワしています。バーテンダーの経験があり、社内イベントでは、いつもお酒係としてコキを使われています。マーケティング部の部長もやっています。

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