2018年11月27日
ものさすメンバーに聞く、私の好きな作家
第二回 椎名誠
子どもの頃、椎名誠をよく読んでました。
弟が椎名誠が好きで、基本的に弟が買ってきたのを読む、という感じでした。
今回持ってきたのは「アドバード」。
大人になってから読みたくなって自分で買いました。
椎名誠さんは、エッセイも、物語も、そして写真も撮影されますが、これは物語です。
はじめて読んだのは、田舎に帰ったときに弟が祖父に買ってもらった時だったと思います。
分厚いなぁ、と思いながら読み始めて、読んでみたら
意味がわからなくてなかなか読み進められなくて、コツコツ読んだ覚えがあります。
物語は荒廃した未来、ディストピアが舞台です。
「アド」は広告のことですが、木や動物などの自然のものを改造して広告に使った広告戦争が激しくなって、地球環境が汚染された未来です。
土がむき出しの所には改造された虫がいて、危なくて今のような普通の暮らしができないんです。
そんななか、失踪した父親を二十歳をすぎた二人の兄弟が探しに行く。
そんなストーリーです。
他にも、椎名誠の「全日本食えばわかる図鑑」は、はじめて読んだグルメの本かもしれません。
読むとお腹がすきます(笑)。
「こんなに入れてしまって俺の人生は大丈夫なのか?」とか言いながら、バターをドスンと入れて牛肉とシソを炒めてごはんにのせる「シソ肉バター丼」はインパクトがあり覚えています。
「わしらは怪しい探検隊」では、いい歳した大人たちが無人島など、人里離れた場所にキャンプをしに行く。
事前にいろいろ買い込んでいくようなスマートなキャンプではなくて、釣りをしたりして、現地で調達する、野性味あふれるキャンプです。
子どもの頃はキャンプ経験が無く、焚き火とか、外で寝るってどんな感じだろう?と憧れていました。
そして、釣ってきた魚とともに、お酒をうまそうに、楽しそうに飲むんですよね。
椎名さんはビールとウィスキーが好きなんです。
「哀愁の町に霧が降るのだ」では男同士で狭いアパートで共同生活をする様子がつづられていて、それがほんとうに楽しそう。そこにウィスキーがあって、みんなでワイワイ飲むんですが、子どもながらに「おいしいそうだなぁ」と思って読んでました。
酒を飲むようになった頃はビールもウイスキーも苦手で、おいしそうに飲む人が羨ましかったです。
椎名誠は子どもの頃はかなりやんちゃで、いろいろなエピソードがあるようです。
大人になって、世界各地を旅して、その場所を楽しんで、その経験を本にして生計を建てている。
本当にいい人生だなぁと思います。
その時その時のことをとてもよく覚えていて、記憶力がすごい。
出会った仲間にも恵まれているんだと思いますが、やんちゃでも作家になれるんだな、
と思った覚えがあります。
椎名誠さんのサイトも面白くてじっくり読んでしまいます。
ふとした時に読みたくなる作家さんなんだと思います。