2018年12月11日
気持ちはいつも前のめり。
「あきらめたくない」中庭佳子の熱量。
モノサスに入社して、はや 8 年。
彼女のことを「デザイナー」だと認識している人もいれば、いやいや「ディレクター」でしょう、ん?「編集の人」ですよね。そう思ってる人もいるかもしれません。
関わるプロジェクトによって、さまざまな役割を果たしている彼女。
より良いゴールにたどり着くために、いつだって全力疾走です。
その底にあるのは「あきらめたくない」という熱い想い。
デザイナーにしてディレクター、そして編集者( +α も?)。いつも前のめりにプロジェクトに向かって突き進む、中庭佳子。そんな彼女のことを、今日はちょっと紐解いてみたいと思います。
文学少女を目覚めさせた「編集」の面白さ
幼い頃は人見知りだったという彼女。小学校の頃は自分から話しかけることができず、本を読むふりをして1人でいることもあったとか。そこから次第に本の面白さに気づいて、読書を楽しむように。中学に上がる前には大人向けの小説を読み始めていたそうで、なかなか早熟な文学少女として成長します。
夢中になると周りのことが目に入らなくなるのは、昔から。考えごとをしながら歩いていて、知り合いに気づかないなんてのもしょっちゅうだったそう。(本人いわく「視野が超狭い」らしい)
文学と AMラジオをこよなく愛する文系少女は、さらに学びを深めるために文学部へ進学。そこで出会ったのが「テクスト論」でした。
テクスト論とは、作者の意図こそが正解だとする従来の思想から離れて、作品と作者を切り離して文脈(コンテクスト)を読み解く手法のこと。このテクスト論を学ぶなかで、現代思想などにも触れ、作品を読み解いていく批評的な視点を学びます。
これまで知っていた様々な作品が、まるで別物のような姿を見せてくる。何気ない描写や登場する小道具を社会背景から読み解いたり、文学を解体してパズルのように組み立てていく面白さ。本の中のストーリーを追うだけだった作品が、批評的な軸でとらえ直すことで、何度でも新しい形で楽しめることにワクワクしたといいます。
ものごとを多層的にとらえること。これって、文学だけじゃなくて現実世界でも同じかも。あまたある情報のなかから、AとBを繋げてみる、Cという切り口で再構築してみる。何かしらの解を出すには、編集的な視点が大事なんだと実感した彼女。
編集って何だか面白い。
その目覚めが仕事として形になるまでには、少し時間を要します。あれこれと彷徨いつつ、Web 業界に興味を覚えてフラッシャーへ(当時主流だった Flash を使って Web サイトやゲーム、アニメーションを制作)。その後 デザインの勉強をしてモノサスに入社。デザイナーとして案件をこなしながら、ファッションビルサイトの運用窓口としてディレクションを担当したり、サイトのコンテンツ制作も手がけるなど徐々に仕事の幅を広げていきました。
ものさすサイト、初代編集長として
そして、入社から 5 年経った 2015 年秋。
ものさすサイトリニューアルに伴い、初代編集長に手を挙げます。
代表の林から「オウンドメディアに興味あるって言ってたよね?」と声を掛けられ、「あ、はい」という流れで始まったようですが、やるとなったら面白くしたい!という彼女の本領が発揮されることになりました。
このものさすサイト。メンバーが日替わりで毎日記事を書くというトンデモナイ代物です。今でこそ、記事を書く感覚や運用スケジュールなども共有できるようになってきましたが、当時はすべてが手探り状態。みんなにとっても「???」の連続で、突然始まったノンストップな状況に戸惑っていました。
そんなメンバーたちを、すごい勢いでグイグイと引っ張っていったのが彼女です。編集長とはいえ、当初の編集スタッフは彼女ひとり。毎日社内を飛び回り、記事の打合せをしたかと思えば、インスタのネタをせっせと撮影。自ら記事を手がけながら、翌日の記事が間に合わない!と連日夜遅くまでパソコンに向かっていました。
もちろんトラブルは日常茶飯事。ときには、熱量が暴走してメンバーと衝突することも…。案件の納期に追われるみんなの立場もわかる。でも記事を作らなきゃいけないし、ものさすサイトをもっと良くしたい。見えないところで涙を流しながらも、一方で「こんな企画がイイ!」「こんな切り口だと面白いかも」と目をキラキラさせて前のめりになるところが、また凄い。
ゼロからイチを立ち上げることは本当に大変です。
倒れても倒れても、不屈のボクサーのように立ち上がる彼女のファイトが無ければ、ものさすサイトを軌道に乗せることは出来なかったと思います。
知りたい!学びたい!伝えたい!
編集長として怒涛の 2 年間をかけぬけた彼女ですが、今は編集部を離れて、さらに仕事の幅を広げています。デザイン、ディレクション、編集…これまで培ったスキルを活かして、彼女にしかできない仕事を一つ一つ形にしています。
もちろん、そこには大きな壁も。
視野が超狭いと本人も言ってるように、没頭すると周りが見えなくなるし、キャパシティを超えると(結構すぐ一杯になる)半泣きになっちゃう。思いが強すぎて衝突することも多いし、見えないバリアを張りめぐらせて周囲を遮断してしまうことも。
決して器用じゃないし、バランスが良いタイプでもありません。でも、どんなに大変な時でも、面白そうなものにアンテナが動くと目を輝かせて近づき、前のめりに進んでいけるのは彼女の強みだと思います。
そのアンテナは仕事以外でも発揮。東北で地域の課題を解決するハッカソンに参加したと思えば、社会福祉法人 浦川べてるの家をたずねて北海道へ。インタビューのワークショップに参加したり、東京での勉強会に参加したり、忙しい合間を縫って自らの興味を深めるべく飛び回っています。
そんな彼女の根底にあるのは、「知りたい」という思い。
もちろん、知るだけじゃなく、より深く「学びたい」そして「伝えたい」というのが、彼女を突き動かす大きなエネルギーになってるんじゃないかなと思います。
面白いコンテンツを作りたい、いいものを作りたい。ここであきらめたら中途半端になる、それだけは耐えられない。その情熱と粘りに、時として「もう解放して!」と思うこともありますが、そこまで突き進んでいけるからこそ実現できることもあるし、彼女にしか出来ないことがあるというのは、やっぱりすごいことです。
かつて文学を通して世界を見つめていた少女が、コンテンツづくりという仕事を通して、どんな世界を切り拓いていくのか。これからもそっと見守っていきたいと思います。
はばたけ!中庭佳子!
※おまけ:中庭が書いた記事を一部ご紹介
(長すぎるよ!とツッコミが入るほど熱量がこもってます)