2019年01月08日
2019年、コーポレートサイトのリニューアルが動き始めそうなWeb担当者へ
あけましておめでとうございます。マーケティング&セールス部 部長の龍田です。
マーケティング&セールス部には「BtoBチーム」というチームがあります。
BtoB業種の上場・中堅企業のWebサイトの制作や運用を行なうチームです。
新年を迎えるにあたり、2018年を振り返りながら、2019年を考えていきたいと思います。
特に、今年、コーポレートサイトリニューアルの動きが、始まりそうなBtoB企業のWeb担当者を念頭に話を進めようと思います。
1.リニューアル予算は、数年前の「3倍」に
2017年から顕著になってきた傾向ですが、2018年は更にリニューアル予算が増えた1年でした。
実際、弊社のBtoBコーポレートサイトの平均受注額の推移を見ると、以下のように年々あがっています。
・2016年 429万円
・2017年 756万円
・2018年 983万円
例えば、BtoBコーポレートサイトのよくあるボリューム・仕様で必要となる予算を考えてみます。
【一般的な案件例】
・ページ数:300ページ程度
・スマホ対応:レスポンシブWebデザインで、インタラクティブな動きを実装
・CMS:ニュース・製品情報にCMSを実装
・機能:サイト内検索の実装、問い合わせフォームの実装
「ライティングは、どうする?」「写真・動画の撮影は?」等の変数はありますが、この案件の予算規模は、1200万円~1800万円程度になります。
数年前なら、500万円程でリニューアルをしていたボリュームです。
それが3倍程度の費用が必要になっているのが、現在のWeb制作の現状です。
これには理由があります。
まず、「スマホ対応が必須になったこと」が挙げられます。
今まで、PCサイトのみの制作だったのが、スマホを考慮した設計と、それに応じた制作工数が増加します。
更に、最近では、スマホに対応すればいいだけではなく、「より使い勝手よく」「より効果的に訴求ができる」「より有益・有用な情報が手に入る」ためのデザイン・機能・コンテンツが必要になっています。
日常的に、Webサイトで情報を入手したり、サービスを利用したりしているユーザーの目は肥えています。「BtoBだから、使いにくくていい」なんて思うユーザーはいません。ユーザーのニーズに応えていくために、今までになかった設計・制作工数が必要になってきています。
これらの理由から、リニューアル予算は増えてきています。
リニューアルが動き始める時は、まず「予算化」の動きから始まることが多いと思います。効果的なリニューアルを行なうためには、「前回のリニューアル予算の3倍くらいは見込んでおくこと」を強くお勧めします。
「うちのサイトをリニューアルした時の予算をざっくり知りたい」という方がいらっしゃいましたら、概算見積を作成してお送りしますので、遠慮なくお問い合わせください。
2.運用予算は「リニューアル予算の20%」を確保
リニューアル予算が増加しているのに反して、運用予算は増えていないというのが実情だと感じます。リニューアルに関しては、関係部署が一丸となって予算や稼働を割いて実施していただけるのですが、公開後の運用に対する意識は低い会社が多いという印象を受けています。
コーポレートサイトで、目指した成果が出るか否かは、公開後の運用にかかっています。
弊社がリニューアル・運用を担当しているBtoBメーカーのWebサイト(2014年公開)では、「製品情報の細かな更新・整理」「ニュースの発信」に加えて、新規コンテンツの追加も定期的に行っています。
日頃のメンテナンスだけではなく、魅力を高めて、情報の鮮度を保つための運用です。その結果、リニューアルから4年が経ちますが、問合せ数は年々伸び続けています。
コーポレートサイトのリニューアルを単なるお祭り騒ぎで終わらせることなく、運用のことも考えて、「社内運用体制の整備」「外注する場合は予算化」をすることが必要です。
外注する場合の年間運用予算(サーバー・保守系は除く)の目安として、「リニューアル予算の20%程度」は見込んでおく必要があると考えています。
3.リニューアルプロジェクト期間は「8ヵ月程度」を見込む
リニューアルプロジェクト期間中は、通常業務とリニューアル業務を兼務する担当者がほとんどです。担当者の方にとって、大きな業務的・精神的負担がきます。「制作会社からの提案の精査」「制作会社との打ち合わせ」「原稿の準備」「社内調整」等々、多くの業務が発生します。
更に、リニューアル予算の章でも触れた通り、リニューアル期間中に検討することも増えています。
一昔前なら、「プロジェクト期間3ヵ月でコーポレートサイトを公開する」ということも珍しくなかったのですが、今は難しいですし、お勧めしません。
昨年、プロジェクトスタートから4ヵ月で公開したいというご要望の案件がありました。そのスケジュールを前提に、プロジェクトを進めたのですが、途中で公開日を2ヵ月延ばすことになりました。
我々のような制作会社は、人数を増やしたり、役割分担をしたりして、短納期に対応することは可能です。しかし、リニューアル担当者は、そうはいきません。担当者にとっては、ただでさえ大変なリニューアルプロジェクトですので、適切なプロジェクト期間を確保することを強くお勧めします。
例えば、先述の【一般的な案件例】の場合、「8ヵ月程度」が妥当な期間になります。
4.BtoBサイトこそ「一般の目」が大切
弊社が担当しているBtoBサイトの目的として多いものを列挙してみます。
「IR活動に資するサイトにしたい」
「CSR活動を効果的に広報したい」
「新卒採用に役立つコーポレートサイトにしたい」
「一般の方からの理解・共感を得たい」
「取引先への情報提供や、営業サポートとして活かしたい」
ここにあげた目的は、ここ数年で大きな変動はなく、常にコーポレートサイトの目的としてあがってきます。
「サイトからの問合せを増やして、商談機会を創出したい」というマーケティングユースを目的とするご要望は少ないです。(このテーマも得意なので、残念なのですが。。。)
上場クラスのBtoB企業は、広報的にコーポレートサイトを活用していることがわかります。そして、目的の多くは、その業界に属さない「一般の方」を対象にした目的であることがわかります。つまり、業界の情報に精通している「業界玄人(くろうと)」ではなく、「業界素人」の方に向けて、情報を届ける必要があるということです。
その一方で、BtoB業種は、黒子の立場で仕事をすることが多く、一般の方からは、見えなかったり、わかりにくかったりする業種が多いです。
この2つの事実は、我々がBtoBのコーポレートサイトを企画・設計する際にすごく重視をしているポイントです。我々自身が、業界素人である点も活かしながら、「業界のことを知らない人が見て、理解できるか?」「ビジネスや理念に共感できるか?」を何度も問いながら、企画・設計を行なっています。
これからのBtoBサイトには、「一般の目」が重要な要素になりますので、リニューアルに取り組まれる際は、是非この点は抑えていただきたいと思います。
5.徐々に出てきた兆し
前章で、BtoBサイトのマーケティングユースは少ないという話をしました。
しかし、徐々にですが、RFP(提案依頼書)の中に「将来的にマーケティングオートメーション(MA)の導入を視野にいれて」という文言が入り始めました。
今年からMAを導入するBtoB企業が急激に増えるとは思いませんが、マーケティング先進企業の中には、MAを活用して成功事例を生んでいるという事実もあります。
MAは、コーポレートサイトの活かし方として、有効であると考えています。
コーポレートサイトの新たな活用方法を模索されている方も多いと思いますので、2019年を通して、情報収集をしてみるのもいいのではないでしょうか?
弊社もMAの成功事例を生むべく、取り組み中ですので、興味がある方は、お声がけいただければと思います。
モノサスBtoBチーム、2019年取り組みテーマ
昨年、1年間を通して、コンペに参加させていただいた企業の担当者様を対象に、コンペ後にインタビューを実施させていただきました。
「制作会社をどのように決めましたか?」というインタビューです。
その中で、最も多く出てきた意見が、「何から始めたかいいのか、全くわからなかった」というお話でした。
制作会社を決めるまでには、「予算化」「サイトの調査」「リニューアル仕様の作成」「スケジューリング」「社内体制の構築」「RFPの作成」「制作会社選定方法の決定」「制作会社の比較検討」等、多くのプロセスがあります。
「そもそも、どんなプロセスがあるのか?必要なのか?」
「それぞれのプロセスで、自分たちがやっていることが正しいのか?」
情報を探しても、知りたい情報は少なく、暗中模索の中で、リニューアルプロジェクトをスタートして、制作会社を決めていったというお話でした。
実際、弊社とお仕事をする担当者の多くが、サイトのリニューアルを初めて経験する方がほとんどです。インタビューを通して、担当者が求めている情報や勉強意欲と、世の中に出ている情報に大きな乖離があることがわかりました。
この結果をうけて、BtoBサイトのリニューアル・運用担当者を対象にした情報をまとめた特設サイトを制作することにしました。
2019年春以降の公開を目指して、準備を進めておりますので、公開しましたら、このサイトでも紹介をさせていただきます。
それでは、2019年が皆様のコーポレートサイト発展の年になりますように。