2020年07月09日
オンライン・ファシリテーター
使いホーダイ
この数ヶ月で、オンラインミーティングを行う機会が増えた人は少なくないと思います。
気軽にミーティングができるようになったものの、同時に発言してしまったり、相手の反応がわかりにくかったり。慣れないことへの戸惑いや、どうにもうまく進まないもどかしさを感じることがモノサス社内でも多くなりました。
そこで始まったのが、「オンライン・ファシリテーター」を名乗る青木将幸さんに会議に入っていただくこと。
今回はモノサスが導入した仕組み「青木ホーダイ」について、ものさすサイト事務局の中嶋希実がご紹介します。
ファシリテーター、使いホーダイ
モノサスでは東京・代々木をはじめ、徳島・神山、山口・周防大島、そしてタイ・バンコクにオフィスがあり、ふだんからオンラインツールを使ったやり取りをしています。
新型コロナウィルスの感染拡大によって、全員が在宅で仕事をすることになってからは、それまで対面で行っていた打ち合わせもすべてオンラインに。
慣れているとは言え、同じ空間にいないコミュニケーションの難しさを感じるようになりました。
そんなときSNSで流れてきたのが、青木さんの「ミーティング・ファシリテーターを廃業して、オンライン・ミーティング・ファシリテーターとして出直します」という投稿。
この機会にモノサスのみんなが青木さんのファシリテーションを体感して、自分たちの会議のスキルを上げられないだろうか。ということで、メンバーが気軽に青木さんに相談できる仕組みを導入することになりました。
その名も「青木ホーダイ」。
青木さんには会社から、月額で費用をお支払いしています。その分、メンバーは青木さんを呼び出し放題。どんなミーティングにでも、ファシリテーターとして入ってもらうことができます。
チームの定例会議や新規事業のブレスト、さらにメンバーと1対1で話を聞いてもらう1on1までなんでもあり。この2ヶ月で、すでに15回ほどの集まりに関わってもらってきました。
ファシリテーターの青木さん
青木さんとモノサスとの出会いは、昨年の夏。
会社の方向性や組織のあり方を話したいと考えていた合宿で、ファシリテーターをお願いしたのが始まりです。
青木さんは2003年に日本で初めて、会議ファシリテーション専門の事務所を設立した方。家族会議から国際会議まで、あらゆるジャンルの会議ファシリテーションを行ってきました。
何度かご一緒して感じるのは、ミーティングを引っ張っていくというより、そこにいて聞いている人だということ。
先日お話を伺った際に、ファシリテーションについてこんなふうに話していらっしゃいました。
「僕は会議を専門に回している。別のジャンルだと、集まった人で1曲をつくる作曲ファシリテーターとか、まちづくりに特化したファシリテーターとか。共通して言えるのは、その場にいる人が、すごく参加できている。その時間や場所を自分たちのものだと思っていられる、みたいなお仕事なんだろうと思う。」
「Aさんが大切なことを言ったら、Bさん、Cさんはどう思うの?って聞けばいい。そう。聞くのが仕事です。」
青木ホーダイで起きること
「さて、みなさんお揃いですか?毎度、青木ホーダイをご利用いただき、ありがとうございます。」
青木さんのファシリテーションは、みんなの生存確認をするかのように始まります。
参加したメンバーに話を聞いてみると、こんなコメントが返ってきました。
- 青木さんは否定も肯定もしないので、なんでも発言できる安心感があった。
- 今なにを話しているのか、ゴールはどこなのかを定期的に確認するタイミングがあって、ぶれずに話が進んだ。
- マネージャーがファシリテーションすると感情が入ってしまうけれど、第3者が聞くから言えること、出てくる言葉がある。
青木さん曰く、「引いて余白をつくる、スペースをつくることによって意見を投げ込める状態をつくってあげれば、場は自然とよく回っていくんですよ。」とのこと。
人が集まって時間をつくっていくミーティングでは、毎回様々なことが起こります。
同じ時間は2回とありませんが、これまで青木さんとご一緒してきて印象的だったことをいくつかご紹介します。
みんなに聞く
声を出すタイミングを見計らっているうちに、一言も話さないまま終わってしまうようなことが、オンラインでは起こりやすいように感じます。
青木さんは意見が出たあと、「◎◎さんはどうですか?」「▲▲さんは話せますか?」と問いかけをしていきます。
全員が話し手になるのではなく、話すタイミングをつくってくれる人がいることで、みんなが参加しやすい状況が生まれているんだと思います。
みんなの顔が見えるように
オンライン・ミーティングをするとき、議事録代わりに誰かがドキュメントの画面共有をして、みんなで文字を追いながら時間を進めていくことがあります。
青木さんは背景にホワイトボードを用意して、自分、そしてみんなの顔が見える状態で話を整理していきます。
画面に話しかけるのではなく、参加しているみんなの表情を確認しながら会話をしている感じがあって、話しやすさがある気がします。
ひとつひとつに、反応する
オンライン・ミーティングで難しいことのひとつが、相手の反応がわかりにくいこと。
発言したものの、みんなの表情が読み取りにくい。あんなこと言って大丈夫だったかな。もう言うの辞めとこうかな...
そんなことにならないよう、頷いたりチャットにコメントしたりと、「反応しよう」というと声をかけてくれるのが青木さん。
反応を意識することが、同じ空間にいない人間同士の関わり方として、大切なことなのかもしれません。
こうして並べていくと当たり前のことばかりですが、オンラインで話すときにはより意識することが大切なんだと改めて感じます。
お互いが少しずつ姿勢を変えることで、集まった時間をよりよいものにするコツはまだまだあるのかもしれません。
モノサスでは引き続き「青木ホーダイ」実施中。せっかく青木さんにご一緒いただいている時間を大切に、今後の自分たちのミーティング、関わり方に活かしていきたいと思います。
青木さんにはインタビューというかたちでお話を伺っています。よろしければご覧ください。
あなたの「はたらく」教えて下さい!オンライン・ファシリテーター青木将幸さん(前編)
ものさすラジオ オンライン・ファシリテーター 青木さん
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