2020年12月07日
薪窯を自分の手で作り上げ、東京の真ん中でパンを焼く。「パン屋塩見」プロモーションムービー
こんにちは、モノサスの河原崎です。
今回は2020年11月22日(日)にオープンした「パン屋塩見」のプロモーションムービーを制作させていただいたので、その紹介と共に、制作の裏側をお話したいと思います。
「パン屋塩見」とは
パン職人である塩見 聡史さんが代々木に開業したお店で、最大の特徴は薪窯で焼くパン。薪窯のパン専門店というのは都内では異例で、23区内ではおそらく初の試みなんだとか。
塩見さんのパン作りは、沖縄の「宗像堂」というパン屋からスタートしました。そこで薪窯のパン作りを体験したことで、いつか自身で開業するときも薪窯を使いたいと決意したそうです。
その後、東京・富ヶ谷の天然酵母のパン屋「ルヴァン」で製造責任者として働いた後、徳島・神山でモノサスが関わるフードハブ・プロジェクトのパン屋「かまパン」の立ち上げ・メニュー開発に携わりました。
そのフードハブ・プロジェクトが一段落した後、モノサスのデザイン係である真鍋から、「モノサスの代々木オフィスの一角でパン屋をやったらどうか」という打診があり、開業に至ったそうです。
塩見さんについては、過去の記事にも詳しく書いていますので、あわせてご覧ください。
→会社にパン屋ができるらしい
こだわりのラインナップ
お店のこだわりの一つがラインナップで、パンはカンパーニュと食パンの2種類のみ。塩見さんが「自分が本当にやりたいパンはなにか」を考え抜き、長く続けていくことを念頭に、あえて少数のラインナップに絞ったそうです。(パンの他には全粒粉を使ったビスケットと、イートイン用に飲み物も提供しています。)
私も実際に食べさせてもらいましたが、外はカリッと中はしっとりで、めちゃくちゃ美味しいです。(これは私を含めたモノサス社員が保証します。)
お店ができるまで
東京に薪窯のパン屋を作るというのは、許可関係含めて前例が無さすぎて、何をするにしてもスムーズに進まず、前途多難の道のりだったそうです。
しかし実際お店を作っていく中で、知り合いのパン職人など、塩見さんのこだわりに共感・触発された方たちが連日手伝いで訪れ、大変ながらも少しずつ窯が作られていきました。
実際、業者には最低限の施工を依頼するのみで、ほぼ塩見さん自身の手と、そんな協力者の方々によって、窯を作り上げていったそうです。
お店作りにあたり、パン職人の仲間が塩見さんの元に引き寄せられたのも、塩見さんの人柄や、熱い想いがあってこそなんだと感じました。
塩見さんのパン作り
塩見さんのパン作りは朝6時からで、私も早朝からパン作りの工房を撮影させてもらいましたが、生地作りから窯の温め、パン焼きなど、完成までの工程がたくさんあります。
通常のパン屋では窯を温めるという工程は無いため、その分手間はかかるそうですが、撮影していく中で塩見さんのパン作りのこだわりが伝わってきて、そんな想いと様子をカメラに収めていきました。
映像で注力したポイント
オープニング
最初の数秒間でお店の特徴が伝わるようにしたいと思い、「東京の真ん中。薪窯で焼くパン屋」というストレートなワードと共に、薪火とパンをそれぞれシンメトリーの構図で、象徴的になるようにしました。また薪の焼ける音が、焚き火のように非常に心地が良かったので、導入音として取り入れました。
クラシック感
薪窯という昔ながらの製法を、東京の真ん中でやるという特徴があるので、映像にもどこかクラシック感を取り入れたいと思い、画角を昔のテレビで使われていた4:3を用いました。
現在の主流としては16:9ですが、あえて今4:3にすることで、主流の画角に慣れた目で見ると逆に新鮮に感じ、映像のフックになるようにしました。
さらにインスタグラムにアップする際、4:3は正方形に近く、通常より専有面積が広くなるので、没入感で出るという狙いもあります。
また、要所でHelios44というオールドレンズを使用。今っぽいシャープな映りではなく、淡い雰囲気で映るこのレンズを、アクセントとして用いました。
カラールック
映像を作る上で色味はとても重要で、印象を大きく左右します。
今回は食品を扱う映像なので、美味しそうに見える色を第一に考えました。
全体的にオレンジ系の彩度を若干高めにして、実際にパンを食べたくなるようなシズル感を心がけました。
職人の想いを映像にのせる。
会社にパン屋(しかも薪窯で焼くパン)ができるなんて、私自身想像もしていませんでした。映像制作を通して塩見さんのお話を聞かせていただく中で、薪窯のパンを東京であえてやる意義や、前例の無いことにチャレンジするまっすぐな姿勢に、少しでも助力したいという気持ちが芽生えるようになりました。
今回の映像では、なるべく塩見さんの「想い」を詰め込む事に注力しました。映像に、塩見さんのパン作りのこだわりや想い(なぜ薪窯パンなのか、なぜ数少ないラインナップなのか)をのせて発信することで、お店のことを知ってもらいたいと思いました。
お店に興味を持ち、さらにファンができると嬉しいですし、それを生み出すことが、プロモーションムービーの役割だと思っています。
撮影させていただいた塩見さん、ありがとうございました。
この映像と記事をご覧いただいた方は、ぜひお店に足を運び、塩見さんこだわりのパンを食べてみてください。