2020年12月23日
ものさすビールをつくろう【其ノ二】仕込編
ビール工房での製造工程~当日の様子
ものさすビールをつくろう企画の第2弾は、実際にビールをつくる工程をご紹介します。ここからは、お酒を飲めない影武者、齊藤がお伝えいたします。(普段の業務では品質管理を担当しています。)
訪れたのは、茨城県那珂市にあります木内酒造社内「手造りビール工房」です。感染対策もしっかりとされており、安心して作業に取り組むことができました。
自分好みのオリジナルビールがつくれるということなのですが、「ものさすっぽいビール」、無事完成するでしょうか。
ここからは木内酒造さんに案内いただいたビールづくりの工程を順にご案内していきます。
1. レシピ打ち合わせ
まずは、ビールを試飲しながら打ち合わせ。ベースとなるビアスタイルやアルコール度数、苦味、ホップを選びます。とっても楽しそうな工程でした。
ホップ選びは、1つずつかいでみたり、2つ同時にくんくんしてみたり。
イメージに合わせてオリジナルの味と香りを考えるのって想像以上に楽しいようです。
2. 麦芽の計量・破砕
レシピに合わせて、ビールの原料となる麦芽を計量してまとめ、機械で粉砕。ここでまず最初の力仕事。
3. 混ぜ合わせる作業
粉砕した麦芽を、これから作業をおこなっていく釜へ投入し、温水と混ぜていきます。
釜の下の蛇口から麦汁を出し、それを上から戻します。全体がよく混ざるように、循環させていく作業をおこないます。
すかさず2つ目の力仕事。混ざり具合を均一にしながら5回ほどおこないました。暑い中での上下上下のスクワットです。
4. 昇温・糖化
65度まで温度が上がると、酵素が活性化し、麦芽のデンプンが糖に変わるそうです。「温度のムラをとりながらふたを閉めて40分」と私のメモにありました。ちょっとひといき。
5. ヨウ素テスト
ヨウ素液で糖に変わったか終了テストを行ないます。ヨウ素液をたらし、色の変化で確認する、小学校の理科の時間に見たあれです。
6. マッシュアウト
麦汁の温度を76度まで昇温させ、酵素の働きを止めます。
7. ろ過・試飲
またまたここで循環作業。ここでは静かにおこないます。するとだんだん、麦汁が澄んで、色がクリアに、そして雑味が取れて行きます。
この工程では、「おいしくな~れ、おいしくな~れ」と声をかけながらおこなっていました。
試飲しています。甘味が強く本当においしくなりました。
8. 移動・スパージング
今までの釜の蛇口からチョロチョロと出した麦汁を煮沸用の釜へと移動させます。
同時に麦芽にじょうろで熱湯をかけ、麦芽のエキスを残さず取り出します。だんだんお湯と麦が別れていきます。じょうろを使うのは、水圧がやさしくかけられるからだそうです。
やることが多く、一番バタバタした工程です。
上下左右の動きがあり、目も離せないので、カメラとメモ帖を放り出し私も参加。3人居て良かった~と言われる時間でした。
2人が持ち場を離れられないので、マネージャーのごとくせっせと水分補給のビールも手渡します。
9. 麦芽粕の取り出し
糖化用の釜から麦芽の粕を取り出します。
10. 煮沸・ホップ添加
麦汁の殺菌、そしてより深い味わいを出すために煮沸して、いよいよホップを投入です。
ホップを計量するときは、「化学ですな」「フムフム」と博士のように計量していた2人。器はとてもかわいいハート型です。
11. ワールプール・ワールプールレスト
煮沸が完了したら、かき混ぜて麦汁を休ませます。
12. 麦汁冷却
急冷し、醗酵容器に取り出します。この工程は、わくわくしながら機械を見守ります。
そして最後に麦汁をテイスティングさせていただきました。
ホップも加わった、ビールに一番近い麦汁をたっぷりテイスティングです。
ここから先の醗酵・熟成・ボトリングは木内酒造さんでおこなっていただけるので、私たちはあとは楽しみに待つばかり!
作業時間は、ランチも入れて5時間ほど。長い長い作業が終わりました。
ビールをつくる合間に、木内酒造さんのビールを堪能しながらのランチタイムもありました。
暑くて疲れた身体に染みる、さばサンドの酸味と塩味。
売店に行ってビールを買い、食べたあとはビールなTシャツに着替えて、気分までさっぱりスッキリ!
この日長い時間お世話になった、木内酒造の寺門さん、とても楽しい時間をありがとうございました!
帰りの電車では、すぐに2人はウトウト。
出来たビールをみんなで飲んでいる夢を見ていたのかもしれません。お疲れ様でした!
ビール造りを伝える連載、最後は完成したビールをみんなでいただきます!
■『ものさすビールをつくろう』の記事
【其ノ一】導入編:ビール造りのきっかけ~経緯、ビール造りにかける思い
【其ノ二】仕込編:ビール工房での製造工程~当日の様子
【其ノ三】完成・乾杯編:Before~乾杯!~After