2021年12月30日
タイ家屋改装日記#1:出会い編
みなさんこんにちは。
モノサスタイランドの町山です。
2021年ももう終わろうとしていますね。
日本は冬真っ只中、さぞかし寒いことでしょう。
タイは現在31度。一年中半袖です。
吐く息が白くなる、日本の冬の澄んだ空気が恋しいです。
さて、わたしはタイに住み始めてかれこれ5年半ほど経ちまして、
1年半くらい前から、タイ人女性と彼女の愛猫2匹と共に暮らしています。
彼女はインテリアデザイナーで、大学時代からアメリカに約6年間住んでいたそうです。
家の中は、まるで西洋の雰囲気。
さすがプロは違います。おしゃれの塊です。
実はわたしも、空間デザインを学んでいたことがあります。
デザイン専門学校の空間デザイン科で学んだ後、モノサスに入社するまでは、
東京の素敵なオフィス物件を取り扱う不動産の仕事をしており、とにかく素敵な空間に目がありません。建物に関するアンテナは敏感な方だと思います。
普段から、建物を観察しながら歩くことが多いです。
今住んでいる家も、以前からそんなわたしのアンテナに引っかかっていました。
今住んでいる家は、2年半前までモノサスタイランドのオフィスがあった場所から徒歩2分のところにあります。
住宅街の中にあるので、わざわざ散歩をしないと意外に気付かない場所かもしれません。
駅から1-2分というものすごく駅近な穴場なのです。
わたしが初めてこの建物に気付いたのは、駅のプラットホームからでした。
夜、仕事帰りにプラットホームから周辺の建物を眺めていた時、
ふと、なんだかお洒落な部屋のある建物が目に留まりました。
その時は暗くてよく見えなかったのですが、窓の並びが学校のよう。
わたしが気になった暖色系の明かりの漏れる部屋の中では、
遠すぎて定かではないのですが、人の影がふたつ、ダンスをしているように見えたのです。
このシチュエーション、まるでいつぞやの役所広司さんのようですね。
裸眼ではそこまではっきりと見える距離ではなく、もしかしたらダンス教室が入っているのだろうか?とGoogle mapでその建物のあたりを見てみても、なんの情報もありません。
とにかくその素敵な建物&ダンス教室が気になったので、
次の日に散歩がてら、明るいうちにその建物のところまで行ってみると、どうやらタウンハウスのようでした。
入り口の赤い門を入るとすぐ、中庭があって、脇に昨日見た建物への道が続いています。道沿いには3階建ての一軒家タイプの家が9軒、中庭に面して並んでいます。
その先に、昨晩わたしが駅のプラットホームから見ていた、7階建ての団地のような建物がありました。
どちらのタイプの家も同じ敷地内にあり、同じ薄い水色の外壁をしています。
目に入ってきたのが、木の格子の窓。いろんな開き方ができるようで、日本では見たことがない形状をしています。機能性もあるのに可愛らしいデザインです。
団地っぽい建物の近くまで行ってみましたが、特に看板や掲示板のようなものは見当たらず、どうやらダンス教室はなさそうでした。
普通のコンドミニアムだと、受付のようなところに人がいて、今部屋に空きがあるか教えてくれます。
このタウンハウスにも普段きちんと見張りの人や管理人がいるのですが、その時はお昼を買いに出かけたのか誰もおらず、その建物の情報を誰にどう聞けばいいか、知る由もありませんでした。
建物はとても魅力的で、どうしたら入居できるんだろう?と気になりながらも、その日はその建物を後にしました。
そして時は流れ、ちょうど新型コロナウィルスの感染拡大が始まる前あたり。
生活になにか変化を取り入れようと考えたわたしは、
異文化交流をもっとしようと思い、シェアハウスの情報を探し始めていました。
“sharehouse bangkok”等で検索すると、Craigslistというサイトが上位にヒットします。
このサイトは海外の昔からある有名な掲示板で、ジャンルを問わずいろんな情報がやり取りされています。(変な人も多いとの噂なので、利用時には注意が必要です。)
この掲示板の中で、気になるシェアハウスの部屋を見付けました。
内観の写真しかありませんでしたが、西洋っぽい雰囲気のかなりお洒落な様子で、是非この家に住みたい…!と思い、さっそく連絡をとりました。
内覧の日を取り決めて、いざ当日。駅前で待ち合わせです。
すでになんとなくそんな気はしていたのですが、迎えに来てくれた彼女が案内してくれたのは、あのわたしが前から気になっていた建物と同じ敷地にある、一軒家タイプの家でした。
あれ以来駅のプラットホームからずっと気にかけていたものの、アプローチする方法も掴めずにいたのに、ここにきてまさかの強運でした。
さらに彼女の人柄もよく、即入居を決め、かれこれ1年半以上その家に住んでおります。
余談ですが、わたしがこの建物を借りるきっかけになった、遠くからダンス教室のように見えた部屋、実は彼女がリノベーションして貸し出している部屋なんだそうです。
その部屋に惹きつけられて今彼女と住んでいるのですから、なにか縁を感じますよね。
ちょうどこの家に住み始めた頃に、新型コロナウィルスの感染が一気に加速しました。
なのでこの家に住み始めるとほぼ同時に、在宅勤務になりました。
ずっと家にいるって、家によってはそれなりにストレスですよね。
今の家は、天井高もあって開放感があり、採光も良好、窓から中庭の緑も見えるので、ワークスペースとしても最高です。一日中家にいても苦にならず、猫2匹にも癒やされるというおまけ付きです。
この一軒家タイプの家は、ほとんどの人が10年くらい住んでいて、なかなか空きが出ないという話を聞いていました。
そんな中、つい1ヶ月ほど前に、数軒隣の家の窓がすべて開け放たれていることに気付きました。どうやら中では業者らしき人たちがペンキを塗っているようです。
その家を使っていた人たちは家具や雑貨を扱う商売をしている若者5-6人のグループで、アンティークっぽい物たちがいつも駐車スペースに溢れかえっていたのですが、それらもきれいさっぱりなくなっていました。
あれ、これは…もしかして退去したのかもしれない!と思って同居人に尋ねたところ、彼女もちょうど管理人に聞いたところだったようで、つい数日前に退去したとのことでした。
なかなか空きが出ない家が空いて、こんな素敵で駅近の物件これまでいくら探しても出てこなくて…
彼女から、有名なバーのオーナーもこの建物を見に来ていたことがあるという話も聞いていたので、他にも目を付けている人も絶対にいて(わたしがそうだったように)、このチャンスを逃したらもう二度と巡ってこないだろうと思い、思い切ってその家を借りることにしました!!
もともと前職ではオフィス物件を扱う仕事で不動産の業務もしていたので、物件は本当にタイミングだということを身に沁みて感じています。
どんなにいい物件があっても、数ヶ月待てば空くのか、3年待っても空かないのか、どんなタイミングで自分の条件にあった素敵な物件が空くかは、本当に誰にも予想が付きません。
という訳で、細かい使い方は追々考えるとして、ひとまずこの素敵な物件を確保しました。
新しく借りた家は、ワークショップ、ギャラリー、食事会、宿泊施設などなど不特定の用途として使い、新しい出会いの場になればいいなと思っています。
会社の人がもしタイに出張に来た時は、泊まったり、そこで仕事することもできるようにする想定です。
さてさて、借りた物件はまだ中身は空っぽの状態です。すでに家賃も発生しているので、使える場所になるよう急いで準備せねばなりません。
水回りはありますが、キッチンは要改装、エアコンもありません。
できる箇所はDIYしつつ、なんとか人を招ける状態に早いところ持っていかねば。
改装の様子はまた記事にしていくつもりです。是非お楽しみに!温かい目で見守っていただけますと幸いです!