2024年11月15日
二度の産休・育休を経て、変化した働き方と仕事のやりがい。営業サポート 香取 玲美
香取玲美さんは2007年に入社。モノサスの創業から数年後、当時本郷にあったオフィスで働きはじめました。その後、コーディング・ファクトリー(以下、CF)の営業として活躍し、2014年に結婚・出産。一年半にわたる産休・育休ののち、復帰してからは営業サポートとしてメンバーを支えました。2022年、ふたりめのお子さんの出産のために再び産休・育休を経て復帰し、現在はBtoBビジネスとCFビジネスの営業サポートをしています。
20代から40代に至る自らのライフステージ、そしてモノサスという会社も変化するなかで、香取さんはどんなふうに働き方を変えてきたのでしょうか。そして、働き方に合わせた仕事のやりがいを見つけてきたのでしょう。代々木オフィスにて、じっくり聞かせていただきました。写真撮影は山田真綺さんです。
派遣スタッフから元祖"ともはた"入社へ
杉本 最初は派遣スタッフとして、本郷オフィスでコールセンター業務をされていたそうですね。
香取 コールセンターと言っても、電話が鳴りっぱなしというわけではなかったので、空き時間にチェックのお手伝いもしていました。そのうち「1日1時間、CFのテレアポしてみない?」って柵山(久美子)さんに言われて。最初はすごい嫌だったんですけど、やってみたら意外とすぐにアポが取れたんですよ。あれよあれよと1日3件のアポを奥山(秀野)さんに入れたりできて、調子良くテレアポの仕事もはじまった感じです。
杉本 正社員になったのはいつからですか?
香取 2007年5月に派遣で来て、2010年正社員になりました。その頃の私は、柵山さんに「何かに追われているの?」って心配されるくらい、ダブルワーク、トリプルワークで忙しく働いていて(笑)。モノサスには2〜3時間だけ来ていたんです。何度か「社員にならない?」って声をかけてもらったのですが、みんながあまりに忙しそうで「ここで社員になれる自信がないな」とお断りしていました。でも、最終的にはこちらからお願いするかたちで入社させてもらいました
杉本 社員として働きたいと思えた理由は?
香取 やっぱり人だと思いますね。当時のメンバーは距離も年齢も近かったし、みんなで迎え入れてくれました。何をするんだろう?って不安もありながら、メンバーに支えられたおかげで入社できたという感じです。
杉本 まさに「ともはた*」的に入社をされたんですね。入社すると、忙しいメンバーのひとりになったのかなと思うのですが。
*「ともに生きていきたいひととはたらく」の略語。モノサスのキーワードのひとつ。
香取 入社後すぐコーディングのディレクションを担当することになったのですが、わからないことばっかりで。毎日、柵山さんと龍田(祥拡)さんに相談しては涙を見せていた記憶があります。周りの先輩たちがみんな丁寧にサポートしてくれて乗り切れました。あの頃いろんな仕事に挑戦させてもらったことが、今の働き方にもつながるのかなと思います。
モノサス初の産休・育休を経験して
杉本 17年間、人生にもいろんな時期があったと思います。2014年には、パキスタン出身のラッキーさんと結婚・出産されました。香取さんは、モノサス初の産休取得者だったそうですね。
香取 当時は、セールス部でバリバリ仕事をしていて。今思えばたった2年くらいだけど、営業として一番ノってるときだったんです。ちょうど、(原澤)翔吾たちが入社してきて、セールス部が龍田さんを含めて5人の大所帯になるタイミングで妊娠がわかって。
「これからどんどん案件取って行こう!」って時期だったし、妊娠はまったくの予想外のできごとでした。会社としても妊娠したメンバーは初めてだったから、柵山さんが産休・育休の制度についていっぱい調べてくれて。産休前は「すぐに戻ってくるので!」って言ってたんですよね。周りの人たちもすぐに戻ってくると思っていたと思います。
杉本 柵山さんも、香取さんに無理なく戻ってほしいという気持ちで、産休・育休の制度を調べてくださったんでしょうね。
香取ほんとにそう。当時は、自分のお客さんもたくさんいたから、すぐに仕事に復帰したいって気持ちが強くて、産む前まではずっとメールもチェックしました。でも、出産するとやっぱり状況は変わって。何ヶ月か経つとノートパソコンを開かなくなって、仕事のことも忘れてあっという間に一年が経っていました。いよいよ復帰しようとしたら、保育園に全部落ちちゃって半年伸ばしてもらうことになり、結局1年半の産休・育休になりました。
"営業部の母"と呼ばれて
杉本 復帰してから、どんなふうに働きはじめたんですか?
香取 復帰後は5時間半の時短勤務からスタートして、営業サポートに回ることになりました。子どものお迎えがあるから必ず定時に帰らなければいけない。うちの場合は夫は朝が早く、夜勤もあったりで頼れないし、家のことは全部自分でしないといけない。家族の比重が大きくなればなるほど、営業の第一線からはどんどん離れていきました。産休前は、自分で案件を取ったり、直接相談をもらったりすることにやりがいを感じていたので、そういう機会がなくなって「どうしよう?」と思った時期もありました。
杉本 "営業部の母"と呼ばれていた時代ですね。仕事のやりがいも変わってきたのでしょうか。
香取 あの頃は若手がいっぱいいたから。セールス部の新人を教えたり、みんなが円滑に仕事できるように裏側の仕事に徹することにやりがいを感じるようになって。もともとは、自分が表に立つよりも誰かがうまく振る舞えるようにサポートする方が性に合っているんです。そういう場所をつくってくれた会社に感謝していますね。短い時間集中して仕事して、帰ったら子どものお迎えに行ってごはんをつくって。毎日パンパンだったけどそれはそれで充実していた気がします。
杉本 香取さんは、仕事をするうえで何を一番大事にしていますか?
香取 ひとつ指示を出されたとしたら、先回りをしてその倍以上のことをしたいというか。もちろん、先回りしていい場合と悪い場合があると思うんですけど、周囲に手を煩わせないように動きたいという気持ちが強いです。私はいざこざが起きるのが好きじゃなくて。気持ちよく仕事できる環境を整えて、みんなで楽しく仕事をしたいんです。誰も何も言わなくても、お互いが一を聞いたら十まで理解して「やっといたよ!」っていう感じで滞りなく仕事できる感じが好きです。逆に、「あー、あれをやっておいてもらったらよかったー」って言葉を聞くと悲しくなります(笑)。
ふたりめの出産後は会社も大きく変わっていた
杉本 2019年にふたりめのお子さんを出産されました。「もう仕事やめようかな」と思ったりしませんでしたか。
香取 あー、正直それはありましたね。高齢出産でもありましたし。でも、働かないとなと思って戻ってきました。ふたりめの出産後は、モノサスの体制が大きく変わっていたんですね。今まで通りCFで翔吾のサポートをしていくものだと思っていたら、セールス部の体制が変わっていて翔吾もCFの営業を離れるって聞いて本当にびっくりしました。そうなると、営業サポートの仕事がごっそり減ってしまうので、「私、何ができるんだろう?」って。そしたら、「BtoBビジネスのテレアポをしてほしい」と言ってもらって。またちょっと新しい仕事になりました。
杉本 香取さんは自分の手元に来た仕事をきちんと受け取って返すのが上手なんだなと思います。
香取 私は、専門的なことができないから、「あれがいやだ、これがいやだ」と言っていられないというか。営業をはじめたときは「チェックは向いていないからもうやりたくない」って思っていました。でもさっきも言ったように、サポートする方が性に合っていることが、いろんな仕事を受け取るスタンスの根底にあるような気がします。もうひとつは、わりと臨機応変というか柔軟に対応できるかな?みたいな。いやなことがあっても自分のなかで消化しつつやろうとする性格なのかもしれないですね。
杉本 モノサスという会社そのものも大きく変わってきたと思います。どんなふうに受けとけてきたんですか?
香取 何回か、会社が大きく変わるタイミングってあったんですけど。それもまたモノサスらしいなと思っています。一年休んだらいろいろ変わっているけどお馴染みのメンバーはいて(笑)。「そういう会社なんだな」って受け入れているかもしれません。さすがに代表が交代したときは「そんなこともあるのか」ってビックリしましたけど。不思議なもので、それでも会社は動いていますし。面白いなって、ちょっと引いてみているところもあるかもしれません。
子育てするメンバーたちと過ごした夜
杉本 2016年には松永(悟)さんが初めてパパの育休をされました。この10年ほどで、モノサスは産休・育休を取りやすい会社になってきたんだなと思います。
香取 モノサスの運動会のとき、母になったメンバーと子どもたちが同じ部屋に集まったんですよ。「あー、みんなお母さんになったんだなぁ」って思いながらいろいろ分かち合えたというか。母になった人たちが一堂に会すると、不思議でうれしいっていうか。みんなで子育ての話ができるし、みんながんばってるな!って思いました。
今は私も出社して働くようになり、時間の使い方に苦労しています。「どうやって時間をつくっているの?」ってみんなで話す座談会をしてみたいくらいです。たしか今も3人くらい育休していて、モノサスはちょっとしたベビーブームなんですよ。最初の産休を取るときに、永井(智子)さんが「託児所つくる?」って言ったりしていたのですが、今こそあってもいいのかもしれませんね。あれから、みんなが後に続いてきてくれて、産休・育休をとってもいい風潮に変わってきたなあと思います。
杉本 おうちでは毎朝、ハラールの食事と日本食、二種類を毎日用意されていると聞きました。家族との時間、家事、子育て、仕事......。今もやることはパンパンにあると思うのですが、自分自身の時間はどうやってつくっているんですか?
香取 周りからは「大変だね、そんなことできないよ」って言われるんですけど。たしかに大変ではあるけど、手抜きもできるタイプなんで、私。がんじがらめで大変っていうよりは、家ではわりと手を抜いてやっていますよ。
杉本 手の抜き方のコツを聞いてみたいです!いつか本当に、モノサスのみなさんの子育て座談会をできたらいいなと思いました。そのときはぜひ、ご一緒してください。ありがとうございました!
私は、香取さんが村上さんについて書いた記事がすごく好きで。この記事を読んで以来、隠れ香取さんファンでした。「最近、マロ(村上さん)の下でチェックの仕事してるんですよー」と聞いて、さっそく村上さんのもとへ。やや戸惑っているようすの村上さんを巻き込んで、伝説のユニット「れみまろん(勝手に命名)」の姿を撮影させていただきました。
「このあとはマロの席で仕事します。安心感があるし。マロ、すっごいやさしいんですよ(笑)」。
マロと呼ぶだけで笑いが溢れる香取さん。元祖ともはたな人たちのいい仕事風景、山田真綺ちゃんが撮影してくれました。長く一緒に働けるって特別なんだな、うらやましいなと思いながらチェックチームの部屋を後にしました。