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リニューアルの始め方

社内向け提案書をつくる

サイトリニューアルの実施が、暗黙の了解的に決まることもありますが、社内での承認や稟議が必要なケースも多いと思います。社内での承認を得るために苦労をしている担当者も多いのではないでしょうか。社内向け提案書の書き方は、様々な本やWebサイトの記事で紹介されています。提案書フォーマットが決まっている会社もあると思います。ですので、ここでは、提案書の書き方ではなく、リニューアルを社内で議論し、進めていくための切り口を紹介したいと思います。

BtoBサイトは、数字で語りづらい

Webサイトは、広報ツールであり、マーケティングツールでもあります。マーケティングツールと見る場合は、数値目標を立てやすいです。

  • Webサイトからの問い合わせ件数、資料請求件数は何件か?
  • その中から、提案・見積提出に至るのは何%か?
  • そこから、受注できるのは何%か?
  • 平均単価や粗利は、いくらか?

これらの現状を知り、逆算をしていけば、最初の入口となるWebサイトからの問い合わせ件数や資料請求件数の目標を立てて、その目標とセットで、リニューアルやWebを活用したマーケティング施策や予算を考えることができると思います。
数字的な目標は、その達成のための難しさや厳しさがありますが、これから実施するリニューアルに対する説明や説得はしやすいです。分かりやすいからです。

しかし、BtoBサイトの場合、サイトを調査するでも触れた通り、必ずしもコンバージョン(問い合わせや資料請求などのアクション)を得ることだけを目指しているわけではなく、数字で語ることが難しいケースが多いのです。これまでに弊社が担当してきたサイトでもこうしたケースが多くありました。
では、「数字で語れない時に、どのような切り口があるのか?」を考えてみたいと思います。

事実を客観的に見る

感覚的な話や想いだけではなく、客観的な事実を押さえていくことで、社内の理解を得やすくなると思います。ここでは「業種全体」「競合」「自社」という視点から見ていきます。

BtoB業種全体から見る

弊社は600社を超えるBtoB企業にコーポレートサイトに関する取材を行なってきました。その中で、リニューアルの周期を聞いています。何年ごとにコーポレートサイトをリニューアルしているかの実態です。
それによると、最も多いリニューアル周期は、5~6年です。
もちろん、ボリュームゾーンが、5~6年だからと言って、その周期でリニューアルをすべきという訳ではありません。もっと短い周期でリニューアルをしている企業もありますし、長い周期でもサイトから成果を獲得し続けている企業もあります。
しかし、BtoB業種全体を見た時の目安にはなります。リニューアルの動機の一つとして、社内でコンセンサスを得るために使えると思います。
前回のリニューアルから5~6年以上経過している場合は「このままでいいのか?」、5~6年が迫っている場合は、「そろそろ準備を始めないと。」という見方から、リニューアルタイミングを探るのもいいのではないかと思います。

取材結果について、もう少し詳しく知りたい方は、気軽にお問い合わせください。場合によっては、レポートの画面キャプチャもお渡しすることも可能です。
相談窓口へ

競合サイトとの比較から見る

サイトを調査するでは、競合調査の活用方法を「差別化」と「包み込み」の2つあると解説しました。リニューアルを進めたい時は、「包み込み」に注目をした方がいいでしょう。
差別化は、独自性を表現して、他社との違いをはっきりとすることです。一方、包み込みは、競合サイトが持つ、効果が見込めそうなコンテンツや機能が、自社サイトで不足しないようにすることです。
もし、競合サイトの調査結果で、不足しているコンテンツや機能が多いようなら、比較結果を一覧表にまとめてください。その表を見ながら、「不足しているが、このままでいいか?」「このコンテンツや機能は、自社に必要か?」「自社サイトにあると、どんな効果が見込めるか?」といった議論をしてみてください。リニューアルの必要性が、おのずと見えてくると思います。

隣りに並べて比較する方法は、古典的な方法ではありますが、分かりやすく、複数人で認識合わせをするのに効果的です。
例えば、自社サイトのデザインが古くなっている場合。デザインは、直感的に感じるものです。競合サイトと隣りに並べて比較するだけで、詳しい調査をしなくても、リニューアルが決まる場合もあるかもしれません。

自社サイトを見る

サイトを調査するでは、3つの調査・評価方法を紹介しました。「アクセス解析」「ヒューリスティック評価」「社内アンケート調査」です。社内アンケートも、社内からの意見という意味で客観的な事実です。
自社サイト調査は、「課題の抽出」と「実現したいことのイメージを膨らませる」ために実施をします。調査から見えてきた課題を列挙することも、リニューアルを進める大きな力になると思います。こちらも試してみてください。

これからのことを考える

ここまでは、「今ある事実」を見てきました。「これから先」つまり、未来の話もリニューアルを進める推進力になります。数字の目標がある場合は、これから目指す姿を数字で説明することができます。それがない場合や、それだけではない場合は、何が必要になるでしょう?

コーポレートサイトは何のためにある?

「コーポレートサイトは、何のためにあるのか?」という素朴な疑問に答えるのは、難しいと思います。これは、サイトリニューアルおける最重要テーマだからです。詳しい説明は、サイトの目的・役割を定義するで解説しています。最重要テーマでありながら、考えきれなかったり、ブレたりしてしまうのが、サイトの目的・役割。このテーマは、リニューアルを進めるための議論としても、効果があると思います。

  • コーポレートサイトは何のためにあり、何を目指していくのか?
  • 今、それは実現できているのか?
  • それを実現するためには、どうすればいいか?

何を目指すのかを考えながら、未来の姿を描いたり、今とのギャップを考えたり。コーポレートサイトの本質を議論することで、必然的にリニューアルの必要性が見えてくると思います。

まとめ

いずれの切り口も、リニューアルを進めるための議論のタネになったり、社内向け提案書の1ページになることをイメージしながら、まとめました。「リニューアルしたいのに、社内で話が進まない、、」という担当者の方は、参考にしてみてください。

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