2016年03月10日
「やりたい」という熱意が、人を巻き込んでいく。
〜イーグル工業様・インタビュー編〜
前回ご紹介したイーグル工業様のコーポレートサイト制作プロジェクト。営業担当の坂本は、これまで手がけてきたBtoB案件のなかでも、特に心に残っていると言います。
「単なる受注発注の関係を超えて“想い”が共有できたという手応えがありました。
その関係が今も続いて、さらに深まっていると感じています」
サイトリニューアルという一大プロジェクトを成功させたのは、一体どんな「想い」だったのでしょうか。今回は、イーグル工業株式会社のおふたりにもお話を伺い、当時のプロジェクトを振り返りました。
形にするために、まず必要なのは
「何がしたいか」という思い。
モノサス 坂本靖夫(以下、坂本) 「サイトを変えたいんですが……」というご相談をいただいた時、その場でサイトの方向性について、じっくりお聞きしました。その時はまだオリエンの時点でしたが、お互いに何かが見えたというか。
イーグル工業・藤本(以下、E・藤本) その場で次々に事例を見せていただいて、イメージを共有しながらかなり盛り上がったのを覚えています。イメージができたというか、サイトの形がぼんやり思い描けたんですよね。あとは、坂本さんのキャラがうまくハマった(笑)。
イーグル工業・ 山本(以下、E・山本) 簡単にいえば、そういうことでしょうね。ウマが合った。こっちが思っていることを坂本さんが言葉に変えて、うまくアウトプットしてくれたんです。
坂本 おふたりから“想い”を感じたんです。僕自身、いろんな会社に提案に行きますけど、熱意がないお客さんにはこちらもどうしたものか、という感じで。お客さんのやりたいことがないとうまく形にできない。想いがないと、僕たちも「こういうことやりませんか?」と提案しようがないんです。
「こういうことがしたい」「これがやってみたい」という気持ちをおふたりからひしひしと感じたのが大きかった。今でも思い出深いプレゼンですね。
E・藤本 ぼくもよく覚えていますよ。坂本さんの最初の印象は、サーファーの兄ちゃんが来たなみたいな(笑)。今までつきあってきた業者さんとは毛色が違って、初めはちょっとびっくりしました(笑)。
でも話してみたら、すごく話しやすいし、スピードも早いし、ほんとうに相性が良かった。
E・山本 モノサスさんのホームページも、すごくポップなサイトだったので、デザイン会社か何かなの?という印象でしたしね。
E・藤本 新しい風を入れたいなという思いはありました。僕らにとってもモノサスさんとの仕事は、チャレンジだったんですよ。
営業的な視点で、問題点を洗い出し。
何が必要かをみつめ直す
E・山本 以前の自社サイトに変更してから、ある程度の時間が経っていたので、リニューアルは少しずつ検討をしていました。ちょうど、2014年10月1日が弊社の50周年記念ということもあり、それに合わせて自社サイトをリニューアルすると決定したのがその年の5月のことでした。あと4ヶ月でなんとかしなくてはいけないという、とても切羽詰まった状況でしたが、そのタイミングでモノサスさんとご縁があってリニューアルをお願いすることになりました。
私たちの会社はホームページ全体の管理は総務で担当しており、掲載するコンテンツは内容によって各部署に精査してもらっています。特に今回のリニューアルで注力したのは、製品情報でした。弊社の製品群は、さまざまな分野で使用されていますので、製品ごとにそれぞれの専門性があり、特長やプッシュしたい部分がまったく異なってきます。一方で、それらの情報をサイトに掲載する際には、一つの「製品情報」という枠内で整理して見せる必要があります。そのため、ページのデザインから掲載内容のボリューム、リニューアル後の更新の頻度といったいくつかのポイントを絞り、それを各製品ごとの営業部門担当者に提示し、意見を聞いて、製品情報の共通の「枠」をつくろうと考えていました。そこで藤本さんは、各製品の専門的なことがらのみにとらわれず、全体的な視点で見てくれていて、とても頼りになりました。
E・藤本 実は、以前のホームページで、ここを改善したらどうか、ここを変えればもっと見やすいページになるのでは、と常日頃から個人的に思っていたんです。特に製品紹介のページはもっと力を入れれば、問合せも増えて新しいビジネスのきっかけが掴めるのでは、と思っていました。一方でうかつに技術情報をオープンにはできない、というジレンマもありました。
それでも、ウェブというツールを使わないのはもったいないなと思っていました。そんな時、製品の紹介方法についてアドバイスをくれと山本さんから言われ「これはチャンスだな」と(笑)。思っていたことをいろいろ言わせていただいたんです。
坂本 こうしたい、ああしたいという、藤本さんからの的確な意見にはかなり助けられましたね。
E・藤本 欧州の営業拠点からは、こういうふうに変えて欲しいという意見書が送られてきました。デザインや見せ方のことなど具体的な提案もあって、僕も100%同意だったんです。それを参考にしつつ、いろんな国のホームページを見て僕なりに研究していきました。
そこで、やはりもっとうちが持っている技術を紹介したほうがいいのでは?と思うようになったんです。けれど、誰でもアクセスできるウェブ上に、技術情報を公開するのは情報漏えい等のリスクがあって、社内からも心配する声がありました。そこでどこまでなら公開できて、かつ製品をPRできるか意見の擦りあわせを行った上で、代表的な性能をきちんと紹介して、どういう製品なのかがわかるようなページ作りを心がけました。
坂本 それこそ営業の視点というか、営業をご担当されている藤本さんだからこそ、対外的に知ってもらうことの大切さを知っていたということですよね。
E・藤本 やっぱり、いいカタログがあると営業しやすいんです。A4の紙ペラ1枚よりも断然説得力がある。だから、思い描いていた通りにサイトが完成した時は喜びもひとしおでしたね。デザイン変更にあたり意見書を送ってくれた欧州の営業拠点からも「すばらしい!」と、賞賛をもらいました(笑)。
今まで載せていなかった製品も公開したことによって、取引のないお客さんからも問い合わせが来たり、海外からの問い合わせも10倍以上に増えました。ホームページを変えただけで流入が変わったんです。ウェブの力ってすごいなと痛感しています。
“入り口”になる部分を整えることで、確実に間口は広がりましたね。
E・藤本 製品をわかりやすく伝えるために車両のイラストを使用した自動車・建機向け製品紹介ページ( EKK Auto Products Explorer )はどうしても入れたいと思っていました。お客様だけでなく、社内の人にも自社の製品をもっと知ってもらいたくて。私たちの会社は自動車、船舶、航空機・ロケットや、半導体製造装置の部品をはじめ、幅広い分野に関わっているので、自分の担当している製品はよく知っているけれど、担当外の製品はよく知らないと言う人も多くて。それはもったいないなと。
僕自身がそうで、このウェブ制作に携わるようになって、こんな製品もあるんだということをたくさん知りました。海外の人たちにも知ってもらえたらと、なるべく簡単にわかりやすく見せ方を工夫しました。
時代に合わせて変わること。
そのために、新しい風を入れる。
E・藤本 実は僕、まったくの文系なんですよ(笑)。父親が機械系のエンジニアだったからか、小さい頃から僕のなかでは「仕事=機械」みたいなイメージがあって。特に「縁の下の力持ち」である部品に惹かれて、就職活動では部品メーカーしか受けませんでした。
今でも後悔してるのは、数学とか物理をもう少しがんばっておけばよかったなということ。でも、エンジニアになるのではなく、営業だからできることもあって。国内、海外のお客様に、自社の製品の魅力を広く伝えることもそのひとつ。今の僕だからできることを大切にしたいと思っています。
E・山本 僕が入社してから約10年ほど経過していますが、その間会社は、グループ全体で業容を拡大し世界各国の拠点も増加してきました。このように、会社規模も世の中の流れも大きく変わっている中で、私たちの会社のことを知っていただく入り口としてのウェブサイトをどう活用していくかを一緒に考えてくれたモノサスさんの提案が、こちらの考えていることとうまく合致した。
言い換えれば、モノサスさんの視点は私たちの会社にとって新鮮なものであったのだと思います。
坂本 弊社との仕事は、新しいチャレンジだったとお聞きして、身が引き締まる思いです。
E・山本 新規での依頼ということ、時間が限られた中でのプロジェクトということもあったので、そういう意味では結構挑戦的な取り組みだったかもしれません。ですが、振り返ってみると、新しいものを作り上げるという思いや仕事を進める上での細かい事項など、コアの部分が同じ意識で共有できていたので、そこはチャレンジというよりも、気にかけず安心して進めることができたと思います。
対談を終えて
この案件を通して、BtoB事業も伸びたし、自分たちのチームも大きくなりました。
プレゼン前から、この案件がとれたら運命が変わるかも、と思いながら資料を作ったことを覚えています。デザイナーも最初から決めていました。すごく大胆な構図で、BtoBらしさもあって……。イメージは見えていたので、あとは僕がうまく伝えるだけ、という気持ちでしたね。
そして何より、イーグル工業のおふたりの存在が大きかった。ずば抜けて“想い”があるし、決めることは決めてくれる。だからこそ、リニューアルを良い形で進めることが出来たんだと思います。サイトが完成したあとも、こうして関係性を深めていけることは、営業としても嬉しいです。やはりプロジェクトの要は「人」なんだな、と。これからも良い距離感を保ちながら、僕自身、常にお役に立てる存在でいたいですね。
モノサス 坂本靖夫