2017年04月11日
日々の運用業務を通して考える
Webマスターの理想像
こんにちは、運用チームの河原崎です。
私は今年の4月で、運用チームに入社してから約3年半になります。社内では中堅に近づきつつある年数ですが、運用チームは発足してから日が浅いので、チーム内だとベテランにあたる立場にいます。(入社3年半で恐縮ですが)
最初はデザイナーとして入社しましたが、気がつくとデザインだけでなく様々な運用業務に携わってきました。
女性向けの化粧品のECサイトや、毎日のようにメニューが変わる飲食店のサイト、ファッション系のECサイトなどなど…。コーポレートサイトやECサイト問わず、幅広くお仕事をさせていただいています。(運用チームがどんな案件に携わっているかについては、こちらの記事をご覧ください。)
様々な運用業務を経験していく中で、「サイト運用を依頼される側」として、どんなことが求められているのか、どんな能力が必要なのかを日々考えてきました。
今回はそれらの経験を踏まえて、自分なりの「Webマスターとしての理想像」について書いていきたいと思います。
サイト運用に必要なスキルとは
運用案件の相談窓口を担当していると、クライアントから以下のような要望を聞くことがよくあります。
- 以前運用を依頼していた制作会社がミスが多いので、安定して運用できる会社を探している
- サイト運用のデザイン、コーディングを別々の制作会社に依頼しているので、一括してまとめて制作ができる会社を探している
- 日々の急な更新依頼にも対応できる制作会社を探している
- 自社のサービスを理解して、サイトの改善施策から含めて運用してほしい
依頼内容によって求められるものも変わってくると思いますが、様々なリクエストに応えながら、これまで多種多様な多くのサイト運用に携わらせてもらいました。そのなかで、まずはこれだけは欠かせないと思われる運用スキルについて、まとめてみました。
筆者【カワラザキ】が考える、Webマスターとして必要な5つのスキル
1.サイト構造を隅々まで把握する力
まず大前提として、Webマスターとして、クライアント以上にサイト構成を理解しておく必要があります。
- どのページに何の情報が掲載されているか
- ページ数はどれくらいあるのか
- ページ内の導線が適切であるのか。
これらが把握できていると、更新依頼がきた際にどのページに対して依頼されているかの把握が早くなり、急な依頼が来た際も迅速に対応ができるようになります。
また、指定された箇所以外のページにも更新が必要な場所を発見し、逆にこちらからお客様に提案することも可能になります。
2.サービス・商品に対しての理解
次に、大切なのがクライアントのサービス・商品への理解です。
特にECサイトを運用する際は、サイトから商品を直接販売するので、商品への深い理解が必要になります。
商品についての説明文やバナー、ランディングページ作成時の原稿作成等、個々のサイト(会社)の強みやサービスを把握した上で、どうやってコンテンツに落とし込めるかを考えることが、運用していく上で重要です。
Webマスター自身が原稿を書かないとしても、現行サイトの商品やサービスの文章が適切かどうか判断できる力が必要です。
3.ターゲットユーザーの把握
このサイトを閲覧・利用するターゲットユーザーは誰なのか。それを理解する事で、より目的に合ったサイトの運用ができるようになります。
例えば、BtoB向けなのか、BtoC向けなのか。また、ユーザの性別、年齢層、どんな志向を持っているのか等々、様々な面からターゲットを理解し、サイトのターゲットになったつもりで「このサービスを使いたくなるか」を意識して運用していくことが重要です。
4.デザイントーンを理解しクリエイティブに落とし込む力
Webサイトで情報発信するにあたっては、サイトのデザイントーンをきちんと理解し、クリエイティブに落とし込む必要があります。
ページの追加やバナー制作、ランディングページ作成等にあたって、使用しているカラーや見出しのフォントサイズ、イラストや写真素材が、サイトのブランディングを害していないか。これらを理解して制作することで、サイトのクオリティを維持し、適切なサイトの更新やページ制作が行えるようになります。
Webマスター自身がデザイナーでなくても、社内の他デザイナーに指示を出すために、自身でデザイントーンを判断・理解する目を養っておく必要があると思います。
5.納期に合わせた対応力
納期まで充分な時間がある場合は問題ありませんが、Webサイトを運用するなかで、「至急対応」が必要になる場面は必ず出てきます。
そういった急な依頼が来た際に、いかに迅速・丁寧に対応できるかが重要です。
急な納期にも安定して運用できるように、モノサスでは一つのサイトに対して必ず2人以上の担当者をつけて、至急の依頼でも迅速に対応できるようにしています。
求められるのは「サイトの成果を出す」こと
上記であげた5つのスキルですが、これらはクライアントからの「要望」に応えるために必要不可欠なスキルであり、これまで私たち運用チームが実際に取り組んできたことです。
しかし、そこから一歩進んで「これからのサイト運用に求められるスキル」としては、クライアントの要望の先を考えて「サイトの目的を理解して成果を出す」事だと思っています。
では、その成果を出す為に何をすべきか。
それは、サイトのPDCAを回せる改善提案力だと考えます。
Webサイトは紙や動画と違い、「更新ができる」媒体です。なので、基本的に「完成形」が存在しないという考え方が、運用する上で重要だと思います。
その時々のニーズにあったコンテンツが掲載されているかに気を配り、常に改善点を見つけ出せるようにする。だからこそ重視しないといけないのが、いかにPDCAを回して運用していくかということです。
サイトの改善点を検討(Plan)して、実行(Do)して、検証(Check)して、改善(Action)する、という意識を、クライアントと一緒に協力して進めていくことこそが、サイトを本当の意味で運用していくことだと思います。(運用チームが考えるPDCAについては、こちらの記事でも少し触れていますのでご覧ください。)
こうしてみると、「サイトを運用する」という力は、デザインやコーディングと同じように重要な「スキル」です。
制作側としては、つい実制作の部分に目が行きがちですが、「成果を出してサイトの目標を達成すること」こそが、とても大切なのです。かっこいいデザインやきれいなコーディングをするだけでなく、サイトの目的に合わせて、いかに活きたサイトにするか。
この考え方が、Webマスター代行としてとても重要だと感じています。
また、デザインやコーディングだけでなく「PDCAを回す」ことまで含めて対応できるWeb制作会社は少ないように感じるので、改善提案からコーディングまで一括して行えることが、モノサスとして、運用チームとして、強みになってくると考えます。
「クライアントの会社の一員になったつもりで会社のサービス・商品を理解し、Web制作者のプロとしてサイトに適切な形で情報を落とし込み、かつサイトの目的に合わせた結果を出す」
これが、私の思うWebマスターとしての理想像です。
今回の記事を書きながら改めて、運用は幅広いスキルが求められるなと感じました。
いまの私にこれらのスキルが全て備わっている訳ではまだ無いですが、この理想像に近づけるように精進していきたいと思います。