2017年12月18日
図書委員だよりゆく年くる年。
年の瀬に読みたい本
〜モノサスの「読書会」#20〜
こんにちは。図書委員の村上です。
前回は初めてランチタイムに開催した読書会。仕事のリフレッシュがてら、良い時間になりました。そこで引き続き、今回もランチタイムに実施です。師走ということで、テーマは「年の瀬に読みたい本」。午前中の仕事を終えたメンバーが、それぞれの1冊を持ち寄りました。
冬の陽射しが差し込むなか、リラックスした雰囲気で読書会スタートです。
発表タイム
それぞれ事前に本を読んできて、ひとり5分間で本を紹介します。
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ラクな生き方でもいいんじゃない?
pha(著)『持たない幸福論』(紹介者 村上 伊左夫 ) -
本格派でちょっと変なヒトに
伊丹 十三(著)『ヨーロッパ退屈日記』(紹介者 羽賀 敬祐) -
文章と音楽で楽しむ、脳内ラジオ
菊地 成孔(著)『菊地成孔の粋な夜電波 シーズン1-5 大震災と歌舞伎町篇』(紹介者 乾 椰湖) -
来年のパワーアップに、いざ!
山田 祥寛(著)改訂新版JavaScript本格入門 ~モダンスタイルによる基礎から現場での応用まで』(紹介者 和田 亜也)
ラクな生き方でもいいんじゃない?
pha(著)『持たない幸福論』(紹介者 村上 伊左夫)
- 村上
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元日本一有名なニートという異名を持つ pha(ファ)さんの『持たない幸福論』を持ってきました。表紙に「働きたくない。」とありますが、仕事、家族、お金など「こうあるべき」とされてきた既存の価値観から、外れた生き方をするのもいいんじゃない?ということが書かれています。
今の社会の価値観って、高度経済成長期の社会をベースにしているんですよね。でも、世の中がこれだけ変わったんだから、もっと多様な生き方をしてもいいんじゃないかと。phaさんも、会社員を辞めてからは定職に就かず、ブログや本を書いたり、シェアハウスを運営したり、知り合いからの仕事をしながら、年収100万ぐらいの生活を続けている。
都会(東京)と田舎(和歌山)を往復しながら暮らして、月5,000円でシェア別荘を持って、猫のエサが欲しいときは、ネットで呼びかけると誰かが送ってきれくれたり(笑)…人とのつながりの中で生きているんです。
生き方といっても、上から目線じゃなくて、肩の力をぬいた感じで語られているのが、すごくいいんですよね。ちょっと自分には真似できないかなと思いますが、固定観念にとらわれない考え方に触れられるのがいいなと思います。
- 羽賀
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年収100万でも生きていける…面白いですね。
- 和田
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私もphaさんの本が好きなんですが、読むと気持ちがラクになるんですよね。『しないことリスト』もおすすめです。こんな感じでもイイんだ!って、めっちゃ力抜けます。
- 村上
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本の中に「自分がしんどくなったときのやり過ごし方」が表で説明されてるんですけど、すごく参考になったのでおすすめです。
本格派でちょっと変なヒトに
伊丹 十三(著)『ヨーロッパ退屈日記』(紹介者 羽賀 敬祐)
- 羽賀
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僕、よく行く本屋さんがあるんですけど(SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS)そこにポンと置いてあったのが、この『ヨーロッパ退屈日記』です。知人に面白いってススメられてた本だ!と思って買ってみました。
著者は伊丹十三さんですが、昔の人というか…世代が違うので実はよく知らないんです。でも、本の惹句に「この本を読んでニヤッと笑ったら,あなたは本格派で,しかもちょっと変なヒトです」と書かれてて、これいいなぁと思って。僕もこんな人になりたいなと(笑)。
まだ数ページしか読んでないんですが、短いエッセイがたくさん掲載されてます。それぞれ関連性もないので、パッと開いたページをつまみ食いするように読める感じです。年の瀬に本を読むなら、コタツに入ってミカンを食べながら気軽に楽しみたいので、ちょうどいいかなと思って選んでみました。
ヨーロッパに滞在したときの話がまとめられてるんですけど、例えば「電車に乗ったら耳にバナナを詰めてる人がいた話」とか、何とも言いようのない独特の雰囲気があって。50年ほど前に出版されてるので、文章や挿絵も昔のテイストなんですが、時代が変わっても変わらない良さがあるというか、いい味が出てるなぁと思います。
- 乾
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今年、星野源さんが「伊丹十三賞」を受賞したのをきっかけに、お名前知りました。時代を切り拓く新しい才能に贈られる賞みたいですね。
- 和田
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私は伊丹さんといえば映画。製作総指揮の「スウィートホーム」っていう作品が、とにかく怖いんですよ。ファミコンゲーム化されてて、それもめちゃ怖い。
- 村上
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役者として時代劇にも出てましたよね。大河ドラマとか。
- 羽賀
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人によって印象が違う…確かに伊丹さんのウィキペディア、職業欄の肩書がすごく多い(笑)。本当にマルチな人だったんですね。
文章と音楽で楽しむ、脳内ラジオ
菊地 成孔・TBSラジオ(著)『菊地成孔の粋な夜電波 シーズン1-5 大震災と歌舞伎町篇』(紹介者 乾 椰湖 )
- 乾
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今年はじめて読書会に参加したときにも紹介した、菊地成孔さんの新刊を持ってきました。菊池さんが長年やってるラジオの内容をまとめたものですが、その発売記念のイベントに行って購入してきました。いつもの如く直筆サインもバッチリです(笑)。
番組名は「菊地成孔の粋な夜電波」。この本に収められてるのはシーズン1〜5なので、2011年4月〜2013年の9月末までの分ですね。ちなみに今はシーズン14まで進んでます。本の内容は、ラジオの台本、曲のセットリスト、番組名物の菊池さんの「前口上」がすべて収録されてます。
ちょうど番組が始まったのが震災の時期で、プロデューサーの方が、「当時の社会の雰囲気や、菊池さんの考えとか、そういったものが読み取れると思うので、そこも味わって欲しい」と書いてます。ラジオが本当に面白いので、その独特の口調を脳内再生しながら読みたいなぁと思ってます。
ベースは音楽番組なのでいろんな曲が掛かるんですが、その曲名も巻末に全部載ってるんですよね。ゆっくり本を読みながら、気になる曲を探しながら、年の瀬を楽しみたいと思います。
- 羽賀
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イベントって、ラジオの公開録音だったんですか?
- 乾
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いや、新刊発売のトークショーです。リスナーからの質問メールに答えるコーナーがあったり、200名くらいの会場が満席でしたね。
- 村上
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名物の「前口上」って、どんなものなんですか?
- 乾
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番組冒頭に2〜3分ほど菊池さんが一人でしゃべるんです。文字にするとこのぐらい(本を広げて見せる)これが本当に面白いんです。ラジオもぜひ聴いてみてください!
来年のパワーアップに、いざ!
山田 祥寛(著)改訂新版JavaScript本格入門 ~モダンスタイルによる基礎から現場での応用まで』(紹介者 和田 亜也)
- 和田
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年の瀬に読みたい本ということで、気合を入れて技術本を持ってきました。ほんとはもっと楽しい本とかを選ぼうかなと思ってたんですが、やっぱりまずはここを押さえようと。
この本はクリエイティブ部の松永さんに教えてもらったんですけど、私も日ごろWeb制作をするなかで「もっとこうしたい」「こんなことができれば…」と思うことが多々あって。javaScriptや他の言語の勉強をしたいと思いつつ、なかなか時間が取れないまま日々が過ぎてるので、冬休みに集中して読みたいと思ってます。
ここには制作(コーダー)の方はいませんが、Web技術ってどんどん進歩してるので、制作に携わる人間は、どんどん自分でアップデートしていかないといけないんですよね。新しい内容を知ってると知らないとじゃ大違いというか。
この本も2016年に改訂版が出てるので、新しい情報が盛り込まれてるんじゃないかなと楽しみです。今のjavaScriptでどんなことができるのか。読んで、実際に手を動かしてみながら、将来的には案件でもやれるようにパワーアップしていきたいと思います。
- 村上
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冬休みは帰省するんですか?
- 和田
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実家は滋賀なので、この本とパソコンを持って帰省しようと思ってます。行き帰りの新幹線のなかでも、集中して読めるかなと。
- 羽賀
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僕は移動時間には寝ちゃうタイプなのでうらやましいです(笑)。
- 和田
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ホントは日頃から勉強したいんですが、帰ったら疲れて寝るだけになってて…このままじゃダメだと思って、これを機に気合い入れて頑張りたいと思います。
読書会をおえて
2回目のランチ読書会。新しい生き方、50年前のエッセイ、ラジオから生まれた本、仕事に役立つ本。それぞれの思いがつまった「年の瀬に読みたい本」が集まりました。冬休みがくるのが待ち遠しいですね。
次回の開催は2018年。新しい年も素敵な本に出会えますように…それでは、また!