2023年12月14日
ひよったらアカン!つくりたいものを造るんや!
~『ものさすビールをつくろう』第2弾@2022~
今を遡ること3年前、2020年。
ビールに極熱の情熱がある私と大久保さんが、ものさすサイトの予算をつかってやりたいことに挑戦する「探究型」の制度を活用して、常陸野ネストビールの手造りビール工房にてものさすビールをつくる機会をいただきました。
その体験でさらにビールに賭ける想いが膨らみ、2022年、ものさすビール第2弾に挑戦。そしてさらにさらに沸々と想いがつのり、今年2023年に第3弾をつくる機会をいただきました。
この貴重な体験で得た気づきや学びについての熱い振り返りを、対話形式で2回の記事に分けてお届けします。
仲間がいるからできたビール、仲間とともにつくったビール
大久保 第1弾の反省点としてあったのが、スパージングっていうお湯を注いでいく作業が本当に大変で、人が足りなかったなーと。初回は3人で2種類のビールを造りましたが、今回は6人で2種類のビール造りをしました。メンバーが増えたことで造る工程にも余裕が生まれましたよね。
児嶋
今回は、撮影隊として久野くんと希実ちゃん、ビールと一緒に食べるお料理担当の飯野さんにも参加していただきました。
メンバーが増えたことで、麦汁ができていく工程をよく観察したりじっくり考えたりする時間ができたのがよかった。
大久保 苦味を決めたりホップ選びをするのにも、すごく心強かったですよね。
児嶋
あと、ビールのラベルデザインをするにあたって、一緒に仕込んでもらったほうがイメージしやすいかなってことで、デザイナーの菊池さんにも参加してもらいました。
最初は爽やかなデザイン案が出てきてたんだけど、菊池さん自身があんまり納得していなくて。「なんか違う、週末時間ください!」って、休み明けに出てきたのがあのデザイン!突然芸術が爆発しちゃった!的な。
大久保 それであんなに良くなったんだ。
児嶋 そう!あれは、ビール造りに参加してもらったから生まれたんだと思う。釜でグツグツして、あの色がこう変わっていくんだ~って混沌とした感じがね。グラスに注がれたビールを見るだけだと、もう黄金の液体になっちゃってるから、あのデザインは生まれなかったと思うんですよ。
大久保 こんなにおいしくなっちゃうの?って思いますよね。ビール造りを体験したからこそできたデザイン、社内にも好評でした。
今度こそ!つくりたい味を求めて
児嶋
ビールの味について、第1弾では正直ひよってしまって、、みんなが飲めるようにって、飲みやすい方向に寄せちゃったんですよね。第2弾はもっと自分たちが飲みたいものにしよう!っていうことになって。
第1弾のレシピデータをもとにしつつ、ホップ選びの工程で匂いをあれこれものすごく嗅いだんです。「時間ないよ!」って言われるギリギリまでクンクンクンクンして、悩みに悩んでね
。
大久保 そうね、ホップ、大事だもんね。ホップからつくりたくなったもんね。
児嶋 どうしよう、次回は、ホップの栽培からはじめる?
大久保
麦も育てます?
もっと納得できるものを!って思っているうちに、自分たちでいちから育てたいと思ったり、農家さんを選んで契約したいって思ったり、そういう方向にいくもんなんだなーって思いましたね。良くしたいと思えば思うほど。
児嶋 今回は2回目だったから、各工程でやることもわかっていて、手際も良かったですね。
大久保 作業的には良かったんだけど、第2弾はもっとおいしくなるって、期待値が高かった分、がっかり度も高くって。
児嶋
IPAはがっつりコクっていうか深味が欲しかったから、アンバー寄りの濃いめの色に変えたんです。ホップも、IPA寄りのガツンとしたのを選んだんですよ。IBU(ビールの苦み指数)が第1弾が50.9だったのに対して、第2弾は65.7。インドの青鬼が55くらいだから、かなり思い切って振り切ったんです。
完成したビールは思いのほかさらっとしていて。IPAなのに飲みやすいってみんな言ってくれたのね。たしかに飲みやすくて、スルスル飲める爽やかなIPAでしたね。
我々が想像してたのは、もっとパンチがあるガツンとくるIPAだったから。思ってたよりパンチが出なかったんだよね。色もアンバーに変えたらコクが出るんじゃないかと思ってたけど、結果そこまでじゃなかった。それがなぜなのかっていうのはまだ解明できていなくて。
これまではあくまでも"体験"の範囲でのビールづくりでしたけど、第3弾は、そこをプロの方に相談しながらやりたい気持ちが生まれました。
なにげない会話を、ビールから
児嶋 完成したビールを提供するタイミングやオペレーションにも、第2弾は反省点があって。みんなに伝えたかった話がちゃんとできないまま、お披露目の忘年会がはじまっちゃった感じがあって。
大久保 神山や周防大島のサテライトオフィスにも送れなかったんですよね。
児嶋
先導しないといけなかったんですよね。。
それで思い出したけど、CFでリーダーになったとき、コーダーさん同士がコミュニケーションをとれるように、コーダーミーティングっていう時間をつくったんです。けど、箱をつくるだけではダメで。その場の時間の使い方とか話しやすさとかを考えて、促していかないといけないんだなって反省があって。同じように、寮の運営をしたときもそうで、箱をただ運営しててもダメで。場がうまくまわっていけるような仕掛けっていうか、促すことが必要なんだろうなって。
ビールも、造っただけじゃだめなんだな、と。
でも、「おいしかった!」とか「飲みやすかった」って言ってもらえたのはすごく良かった。こんな味がするビールもあるんだ!って知ってもらう機会になったのならうれしい。あなたに合うビールはどこかにあるよ、ってのが伝わるといいなって思う。食事にも合うし。楽しいから、本当に。
大久保 継続は力なり、ですよ。飲んでもらう場づくりも、おいしいビールにしていくことも。
児嶋
"おらがビールを飲んで!飲んで!"っていうのではなく、"ビールをお供に会話が広がる場"をね。
そう言えば、この間、仕事が一山超えたから山田さんと打ち上げにクラフトビールを飲みに行ったんだけど、あんなことやらこんなことやら、いろんな会話ができて。ビールがあるって、それだけで会話が弾むんだなって。
児嶋
コロナになってから雑談量がすごく減ったと思っていて。だけど雑談って、身体でたとえるとミネラル成分みたいなものだと思うんですよ。身体が、食べて→巡らせて→身体を動かすように、心も、交わして→巡らせて→心を動かすようにできているんじゃないかと。
"なんのことはない雑談"ってのが、身のまわりに空気のようにある環境のほうが、人って健全でいられるんじゃないかなって。し、そういう雑談から、いろんなことが生まれていくと思うの。
"なんのことはないコミュニケーション"を意識して、日常のなかで摂っていくようにしないとな、って地味に危機感みたいなものがずっとあって。それがなくても仕事はできるんだけど、目的のためにミーティングして終わったら終了で成果を追求するだけだと、知らない間に心が削れるというか、バランスが崩れていくような気がして。だから、"なんのことはない雑談"が必要というか、実はとても大事なんじゃないかと思ってる。
でも、「さあそれでは、雑談してください。」って言われてできるものでもないからね。そういう時に、「ビールつくったんだー」とか「飯野さんがごはんつくったんだー」ってきっかけ?的なものがあったらな、と。
大久保 料理から生まれる会話もあるしね。
児嶋
話す(交わす)ことの大切さに気づいてくれたりするといいなと。そういう場が継続的にあるといいなっていうのは、個人的に持ち続けてる気持ちかな。
ここまでの反省を踏まえて第3弾がうまくいけば、その次はどうしようかな~って、今から楽しみで。
大久保 もう探究型の枠を超えて、新規事業になっていくといいですよね。
児嶋 Webの仕事はもうみんなに任せて、私はビールマスターとしていろんな場所で造ることができたりして。夢は広がってます!
第2弾を終え、振り返りをして改めて強く思ったことが3つ。
1つは、
"やると決めたからには、どっぷり沼ろう"
そこに集中できると、想像してたよりはるかに多くの濃い学びや気づきを得ることができます。妥協すると、そこが後で後悔ポイントになるし、そのことで頭がいっぱいになっちゃうから、せっかくの学びや気づきをキャッチアップしにくくなってたな、と。とことんやってしまったほうが、結果が良くても悪くても、沼ズブズブ。次への糧だらけで、また造りたい!って気持ちになるから、この先のビール道は迷わずどっぷり沼ることを誓いました。
2つ目は、
"仲間はだいじ"
なんか、ONE PIECEみたいなことを言ってますが、第2弾では、本当にだいじだなということを体感しました。これは、第3弾のキーポイントにもなっています。詳しくは次の記事でお話しますが、できることが"掛け算"でひろがっていくスゴさがハンパない。うれしいし心強いし、本当にありがたいです。これからも、ビールのかすがいで繋がることのできたステキな仲間たちを、だいじにだいじにしたいな、と思いました。
最後に、
"やっぱ、ビール好きだわ~♡"
なんでこんなにビール好きなんだろう??ビールそのものがヲタク的に好きなのももちろんありますが、私となにかを出会わせてくれたり繋いでくれる魔法の飲み物だからなのかもしれません。
第3弾では、新たな課題が勃発しビール造りがおもしろい展開に進んでいきます。
それでは、次の記事をおたのしみに!