「誰が」「どんなチームが」制作会社を決めるのか、その選考体制をつくります。
この体制が、制作会社を選ぶという重要な役割を担います。更に、サイト公開までのリニューアルプロジェクトの中心を担っていく体制でもあります。選考体制づくりから、先を見越して、意図を持った体制づくりを行なう必要があります。
リニューアル全体の「責任」と「権限」
選考体制を決めるとは、制作会社を選ぶということに留まらず、リニューアル全体の「責任」と「権限」を明確にすることでもあります。
「責任」とは、制作会社や社内のメンバーと共にリニューアルを成功に導くこと。「権限」とは、重要な決定の中心を担ったり、託されていることです。
サイトリニューアルに限らず、組織づくりにおいて、「責任」と「権限」を付与して、成果を出していくのは、難しいことです。与える側も、受け取る側も、双方の覚悟と能力・努力が必要です。しかし、完全にはやりきれないにしても、あまりにも不明確なのは、避けなければいけません。リニューアル成功の阻害要因になってしまうからです。
選考体制づくりの重要要件
サイトリニューアルにおいて、最初の重要な決定は、制作会社選びです。リニューアル全体にとって、非常に重要な決定です。選考体制をつくるうえで、重要な要件を見ていきましょう。
メンバー構成
選考体制にはいるメンバーは、制作会社からの提案の場に出ます。そして、制作会社の決定に影響力を持ちます。しかし、プロジェクトが始まると、そもそもメンバーに入っていなかったり、いつの間にか抜けていったりすることがあります。これはいけません。「リニューアルに対する責任」と「制作会社を決める権限」のバランスがとれていないのです。選考体制にはいるメンバーは、リニューアル全体に責任を持っている人や、プロジェクトにはいってからも、公開まで役割を持つ人で構成してください。
最適人数
プレゼンテーションの場にいくと、20~30人の参加者が出席されていて、「何かを決めていく場において、果たして、この人数は最適なのか?」という疑問が湧いてくることがあります。
「とりあえず大人数でプレゼンテーションを聞いて、全員の意見で制作会社を決める」ということをよしとしているケースもあれば、社内の合意形成のために仕方なくそうしているケースもあるようです。
上のメンバー構成要件から考えても、人数は多ければいいというものではありません。責任の所在が不明確な場合に、参加人数が増える傾向があるようです。また、「皆で決めた」という事実は、何かあった時に言い訳がたつという側面もあるようです。
「リニューアル全体の責任と権限」「多角的な意見から、決める解の精度を上げる」という観点から考えると、選考メンバーは、3~7人が適切なのではないかと思います。
まとめ
選考体制をつくるという組織に関わる話をしました。担当者だけでは、如何ともしがたい部分もあると思います。もし、ここで説明したことが必要だと感じられたら、働きかけだけは、してみて欲しいと思います。担当者は「私に任せてください」と言ってみてください。役職者は「○○さんに任せた」と言ってみてください。その一言で、動き出すこともあるかもしれません。