bookmarkお気に入りリスト

リニューアルの始め方

評価基準を決める

制作会社からの提案後に、何をどのように評価するのかを準備しておく必要があります。1人で評価をするなら、必要ないかもしれませんが、複数人で評価をする時は、視点を合わせておく必要があります。

「何を」「誰と」つくるのか?

制作会社を選ぶということは、「何を」「誰と」つくるのか?を決めることです。言い換えると、

  • 「どんなリニューアルサイトを」「どの制作会社・担当メンバーと」つくるのか?

を決めるということです。

評価の視点となる基準は、「何を」の項目を重視している会社が多いようです。選考過程でいうと、「リニューアルの提案内容を」評価する項目が多いということです。これは、もちろん大切です。しかし、上の通り「誰と」にあたる制作会社や担当メンバーを見ることも大切だと思います。「何をするかより、誰とするかが大切だ」ということが一般的に言われたりしますが、パートナーとなる制作会社選びにおいてもあてはまることだと思います。

「何を」の評価

まずは、リニューアルの提案内容の評価についてです。
項目は、以下のような内容が考えられます。

  • コンセプトは、自社のサイトに適したものになっているか?
  • サイト構造は、自社を伝えるために適した情報のカテゴライズになっているか?使いやすく、運用しやすい階層構造になっているか?
  • 導線は、ユーザーが使いやすい設計になっているか?
  • デザインは、自社を表すものになっているか?その統一感は担保されているか?
  • コンテンツは、自社を表すものになっているか?魅力的に伝わるか?
  • 運用や更新が、スムーズで効果的に行なえる配慮がされているか?
  • その他要件に対する施策は、適切か?
  • スケジューリングは、実現性が考慮されているか?

RFPを基に、追加したり、細分化したりすることもあると思いますが、こういった項目がベースになると思います。
上で「誰と」も大切と書きましたが、もちろん提案内容を評価するための視点も大切です。優先度を下げる必要はありません。

「誰と」の評価

「誰と」を見る視点が、全くないわけではありません。
よくあるのは以下のような項目です。

  • 制作実績は、十分にあるか?BtoB業種や類似業種の実績はあるか?
  • 制作体制は、妥当か?運用のサポート体制はあるか?

この項目も、もちろん見るべきですが、これに付加するべき視点があります。

力を見る

まず、力を見るという視点を持って欲しいと思います。制作会社は、自社の情報量が少ない中で、提案をまとめています。その状況で出てきた提案内容を評価するだけでは、よい制作会社を選びきれないかもしれません。

  • 目的・ターゲットに対する理解力はあるか?
  • 課題を正確に把握する力があるか?その課題を抽出したり、分析したりする力はあるか?
  • 課題を解決するためや、実現したいことを達成するための企画力はあるか?
  • 今ないものをビジュアル化するクリエイティブ力はあるか?

力を評価するのは、難しいかもしれませんが、ポイントがあります。
「なぜ、この提案をしているか?」の理由の説明があるか?その内容に説得力があるか?ということです。説明がなければ、質疑応答時間に聞くのもいいでしょう。
力がある会社は、担当者とのコミュニケーションの中で、適した方向に軌道修正をしたり、提案内容をブラッシュアップしたりすることができます。そのプロセスを経ながら、企画・設計・制作を進める方が、サイトのクオリティは高まっていきます。その力があるかを評価して欲しいと思います。

担当メンバーを見る

リニューアルを担当する制作会社のメンバーも見て欲しいと思います。自社のサイトを担当するのは、会社ではなく人です。

  • どんな実績があるか?どのような案件で、どんな役割を果たしてきたか?
  • コミュニケーション力はあるか?
  • 「力を見る」で挙げた力はあるか?
  • 人柄は好印象か?話しやすいか?相性は悪くないか?

サイト制作には、様々な職能のメンバーが関わります。全員を見るのは現実的ではないので、プロジェクトマネージャーなどの案件責任者、コミュニケーションを密にする必要があるデザイナーやプランナーを見るといいでしょう。

主要メンバーは、高頻度で打ち合わせをしたり、コミュニケーションをとることになります。人柄も大切な要素です。毎週会うのが嫌になるような人は選ばない方がいいです。
もし、選考の最後に、2社で迷うようなことがあれば、相性で選ぶべきだと思ってます。やはり、仕事は人がすることです。人柄や相性も、大切な選考の要素だと思います。

あと、自社を担当する人に提案の場に来てもらうにしてください。当たり前のように感じるかもしれませんが、「提案の時とプロジェクトが始まってからで、来る人が違う」ということは、あり得ます。制作会社の職能が、営業と制作で分かれていることが原因です。要らぬ齟齬が生まれないようにRFPに書いておくといいでしょう。

まとめ

「何を制作会社や担当メンバーに期待するか?」
是非、担当者は考えてみて欲しいと思います。上で挙げた「何を」「誰と」の内容が入るかもしれないし、それ以外かもしれません。漠然とした、曖昧な表現で構いません。イメージだけでも構いません。制作会社に伝わらない内容でもいいです。フリーに考えてみてください。
それをすることで、提案依頼をする制作会社の探し方が変わるかもしれません。もし、明文化できたら「制作会社にこういうことを期待します」と、RFPに書くのもいいでしょう。

関連するサービス・記事

リニューアル成功のポイント

コンペの功罪

expand_less