2018年1月にコーポレートサイト・採用サイト、4月に100周年記念サイトの計3サイトのリニューアルを終えたホーチキ株式会社様。日本で最初に火災報知機を開発し、現在では総合防災メーカーとして、防災、防犯、情報通信など幅広い事業を展開しています。
本案件のプロデューサー龍田と営業の坂本が、リニューアルの経緯や制作裏話、公開後の変化について、ホーチキ株式会社の吉岡様、木戸様にお話をうかがいました。
100周年の節目に、ブランド力のさらなる向上を
坂本 まずは、Webサイトのリニューアルに至った経緯を教えていただけますか?
吉岡様 ホーチキは 2018年4月に創立100周年を迎えました。
100周年を迎えるにあたって、約2年半前から創立100周年記念事業委員会を立ち上げました。そこで、「ホーチキらしい100周年って何だろう?」と考えながら、半年ぐらいかけてディスカッションしながら軸を決めたんです。
それが「ブランド力の向上」「社員のモチベーションのアップ」「CSR・社会貢献の強化」という3つの柱でした。そのなかで、「ブランド力の向上」を実現するためには、Webサイトのリニューアルも必要だろうということになりました。
それまでのコーポレートサイトは、徐々に付け足していった部分が多く、各部署の視点で編集していました。そのため、サイト自体が非常に見にくく、直帰率も非常に高いということが課題としてあったんです。
坂本 そうだったんですね。
吉岡様 そこから、8社の制作会社に声をかけることになって。その時、当社の経営企画室からモノサスさんにも声をかけてほしいという要望がありました。
もともと経営企画室は、サイト内のIR関連ページを担当していました。以前、経営企画室の担当に対して、モノサスさんに競合調査やリニューアルの提案を頂いたことがありましたよね。その際のやり取りも非常にスムーズでしたし、質問に対してもクイックレスポンスを返してくれていたので、モノサスさんは信用・信頼できるんじゃないかという意見があったんです。
目的を理解したうえでの提案が決め手に
坂本 8社からの提案を受けて、選定など色々と大変だったと思います。その中でモノサスを選んでいただいた決め手を教えてください。
吉岡様 提案内容、社内体制、デザイン、価格などいくつかの基準をもとに、8社を評価しました。
その中でも、モノサスさんは採用ページや新規コンテンツの提案、デザイン性において、突出して高い評価だったんです。メンバー全員の意向でモノサスさんに決定しました。
今回のリニューアルの目的のひとつでもある「ブランド力の向上」という点を、よく理解してご提案いただいたことが決め手でしたね。
坂本 ありがとうございます。今回初めてのお仕事させていただいたわけですが、新規のお取引にあたっての不安などはありましたか?
木戸様 提案は素晴らしいけど結果は? という会社もありますよね。初めてお付き合いする会社さんの場合、真の実力がつかめずそこが心配でした。
吉岡様 その点、2月にいただいた企画提案内容と実際の成果物に違いはありませんでした。結局、ご提案時からよく考えていただいて、私たちも腑に落ちていたからだと思っています。
木戸様 ものづくりの現場でも、加工部品の場合サンプルと完成した部品では仕上がりが違う、なんてことがよくあるんですよ。モノサスさんは、技術面やデザイン面でもホーチキのニーズをよくキャッチして、それを的確にアウトプットしていただいたのが印象深かったですね。
龍田 ありがとうございます。
ホーチキブランドを色濃く表すWebサイト
木戸様 昨年10月から広報宣伝室が設立されたこともあり、会社として「ブランド力の向上」に力を入れていくなかで、今回リニューアルしたサイトは、ホーチキブランドを色濃く表すものとなりました。コーポレートカラーも考慮され、また目的とするページへの到達しやすさ、検索のしやすさなど、機能面でもすごくいいものを作っていただいたと感じています。
龍田 広報宣伝室ができるというお話を聞いた際に、会社としてブランド力の向上に本気で取り組んでいかれるんだなと、印象深かったのを覚えています。
吉岡様 コーポレートサイトを一から作り変えるというのはなかなか勇気がいります。
お金もかかるし、各部門との調整も大変で。以前は社内に主幹部署もなく、予算を取る部署も決まっていませんでした。頑張ってサイトを作ったとしても、主幹部署がなければメンテナンスもできませんよね。その点、今回は 100周年記念事業に併せて広報宣伝室もできたので、タイミングがよかったです。
また、サイトのリニューアルと並行して自社の 「100年史動画」も制作しました。同じタイミングでできたので、結果としてWebサイトにもより厚みが生まれたと感じています。
坂本 リニューアル後、社内外の反応はいかがですか?
木戸様 特に社外のお客様からの評判がいいですね。
ホーチキカラーを出しながら、当社らしく落ち着いていて、ブランドの訴求力もある。コーポレートサイトとして、かなりアドバンテージも出てきたんじゃないかと思います。総じて高い評価を受けていますね。
一部、製品ページの情報反映などの残タスクがありますが、その部分についてお客様から問い合わせが来るんです。言い換えれば、細かいところまでお客様に見ていただいているということ。それは、使い勝手がいいものができたという証拠だと思います。
あと、YouTube を利用したこともよかったです。
住宅用火災警報器は10年経つと電池切れの警報が出るんです。YouTube の再生回数を見ると、ちょうど10年前の住宅用火災警報器に関する動画の再生回数が飛びぬけて多い。再生回数などから、どういうものがお客様から見られるのかを把握できるようになりました。
龍田 ホーチキさんには海外のお客様も多いので、YouTube という世界的なインフラは使いやすいと思います。
木戸様 採用サイトも一新して。学生さんにも非常に見やすくなったと思っています。
龍田 採用サイトの狙いとしては、応募者の人数を増やすというよりは、質を高めたい。「ホーチキを志望する学生に、ホーチキのことを好きになってもらいたい」という想いを持ちながら、企画させていただきました。採用活動で、どんな結果が出るかドキドキしますね。
時間をかけて一緒にいいものを作ったという実感
木戸様 余談ですが、サイトリニューアルを機に、社内報の一部を PDF からブログ形式に変える検討をしています。必要な情報はタイムリーに出して、社員に少しでも早く情報を届けたいと。
今までは、そういう発想自体が社内にはあっても実現に至らなかったんですが、モノサスさんと仕事をするなかで、広報宣伝室としても選択肢が増えました。「いい会社にしていきたい」「もっとホーチキを知ってもらいたい」という視点で見ればこんなやり方もあるのでは?など、知見が広がりましたね。
また、6月には民泊に伴う消防法の一部改正があります。
一般の方は民泊でどういう設備が必要なのかわからない。民泊には、特定小規模自動火災報知設備が関わってくるのですが、「ホーチキの設備でこういうものが使えます」というインフォメーションなど、世の中の動向を見ながらWebサイトに反映させていきたいです。
坂本 今までとは違う、新しい切り口でコンテンツを追加していくようなイメージですね。
木戸様 そうですね。定期的にミーティングがないと、そういったこともどんどん先送りになってしまいます。本格的な始動はこれからですが、広報宣伝室にWebサイトの担当も置きましたし、社内外の動きをキャッチしてコミュニケーションが取れるようになればと思っています。
龍田 一年がかりのプロジェクトということで、我々が普段担当している案件と比較すると、期間の長い案件でした。そのなかで、時間をかけてじっくりとコミュニケーションができたのがよかったと感じています。企画提案内容と成果物が同じようにできたというお話がありましたが、中身もしっかり詰めることができたなと。
例えば、ホーチキさんの顧客である東京タワー様へのインタビューをさせていただいたり、東京スカイツリータウン® や放水銃プロジェクトを担当された社員の方にインビューをしたり。インタビューを行うのは簡単ですが、その調整が大変なので、なかなか実現しないことも多いんですよね。そこの手間を惜しまずにご対応いただいたのが、ありがたかったです。
「ホーチキとは」という、ホーチキのことを初めて知る方向けへのコンテンツをつくる時も、様々な議論ができました。「じっくりと、一緒に、いいサイトがつくれた」という、我々としても非常に嬉しい案件になりました。
現在も運用でお付き合いさせていただいていますが、定期的にお会いして「どこを改善しましょうか」という話し合いを重ねていきたいと思っています。アクセス解析などもしながら、もっともっとサイトを良くするための取り組みを進めていきたいですね。