日経印刷株式会社様は、企画・デザインから印刷、加工、発送までをワンストップで提供する総合印刷会社です。
今回のリニューアルを担当したディレクター大藪と営業坂本が、リニューアルまでの経緯や制作裏話、公開後の変化について、日経印刷の上野さん、大河原さんにお話をうかがいました。
完成イメージが湧いた、キャッチコピー
坂本 まずは、リニューアルのきっかけについてお伺いします。どういうところから話が始まったんですか?
大河原さん 前回のリニューアルは2012年1月だったので、やはり5年も経つとデザインや情報も古くなっていて。Googleの発表もあり、Webサイトの制作担当としては「スマートフォン対応」をしなきゃいけないなと思っていたんです。
坂本 モバイルファーストインデックス(※)ですね。
※Googleの検索結果の順位決定において、PCサイトではなくスマートフォンサイトをページ評価の基準とする施策
大河原さん はい。そこに乗り遅れないようにしたいと思っていたんです。私達だけでできる話ではなかったので、数社にお声がけすることになりました。モノサスさんは以前に取材を受けて、コーポレートサイトに注力されているのを知ってましたので、お声がけしました。
坂本 各社からは、いろんな方向性の提案があったんじゃないですか?
上野さん そうですね。でも、モノサスさんからの提案内容が圧倒的でした。
映像分野での強さやリソースが十分に割けるという提案があるなかで、モノサスさんの内容が一番イメージが湧きやすかったというか。
もちろん、総合的に見て判断するんですけど、「だから、印刷。」というキャッチコピーも含めて作っていただいたこともあって、リニューアルしたときのイメージが湧きやすかったんです。
やはり、自分自身が共感していないものを、社内の人達に説明するのは難しいですよね。自分のフィーリングやイメージに近いものでないと。そういった意味で、すごく方向性が合っていたのかなと思います。
大河原さん コンテンツに踏み込んだ提案もそうですが、コーディングのソースがキレイかどうか、制作側としてはそういう面も重要視させていただきました。
「不安感はありませんでしたね」
坂本 制作が始まってからのことを、少し振り返ってみたいと思います。
上野さん スタート当初は週単位で打ち合わせに来ていただいていたので、不安感はありませんでしたね。モノサスさんの規模だと、対面で打ち合わせすることは少ないのかなと思っていたんですけど。プロジェクトの初期段階でちゃんと時間を割いて、細かい部分のすり合わせができたことは良かったです。
スケジュールもしっかり引いていただいて「これをいつまでにお願いします」という風に、つい忘れがちになってしまうところを、お尻を叩いてもらいながら無事に進めることができました(笑)。
大河原さん 元々のサイトのページ数が多かったので、既存ページを引き継いで使用するところが多くて。そのあたりの作業分担もご相談させていただきましたね。制作テンプレートを提供してくださったので、私たちもスムーズに作業することができました。
坂本 懸念されていたソースコードについてはいかがでしたか?
大河原さん 自社でちょこちょこ更新していますが、特に問題ありません。
大藪 日経印刷さんからご提供いただいた写真が、すごく良かったので助かりました。どの写真も非常にクオリティが高くて、デザイナーもデザインのしがいがあったようです(笑)。Webサイトでは写真が本当に重要なので、その点は非常に助かりました。
上野さん 写真については、プロのカメラマンを紹介してもらったんです。社内でもすごく評判が良かったですね。クオリティの高い写真とモノサスさんのデザインが見事に合ったのかなと思います。
「人を前面に出す」コンテンツ制作
大藪 今回のリニューアルでは「人を前面に出す」ということで、様々な社員の方が持っている“こだわり”を、生の声で伝えられたのは良かったです。説得力のある良いコンテンツになったと思います。
坂本 僕は企画からしっかりと流れていったなという感覚があって。最初の提案からキャッチコピーまで作り込んでお持ちしましたが、「トップページに載せるべきメッセージはこれなんじゃないか」と社内で話していたことを、ちゃんと継承して作ることができたという手応えがありましたね。
大藪 「だから、印刷。」というキャッチコピーに、コンテンツが追いついていったというか。そのコピーをもとに原稿や写真が作られていって。社員のみなさんの「だから、印刷。」へのこだわりが形になってくるのを見ながら、「ああ、いいものがどんどん出来上がっていく」という手応えを感じてましたね。
上野さん 実は当初、日経印刷ができることやプロジェクトストーリー的なものだけを載せればいいんじゃないか、という意見も社内にはありました。でも、設備面や技術力を打ち出しただけでは、お客様に“安心感”を持っていただけない。印刷物に対する社員のこだわりをコンテンツで見せることで、伝わるものがあるんじゃないかと。その想いを何度か社内でも説明をして、了承を得たという経緯があるんです。
会社のあり方をしっかりと発信できる場へ
坂本 Webサイトをリニューアルしてから、社内外からの反応はありましたか。
大河原さん 今のところ、社外からのアクセスが少し増えています。BtoCサイトではないので、劇的に増えるわけではないですが、今のところはプラスの方向に向かっていると思います。
上野さん 「人」がコンテンツのメインになったことで、一部では採用サイトっぽいんじゃないかという意見もあったんですが、コーポレートサイトを見る学生にとっても「こういう人がいる会社だから安心して働ける」というアピールになるのではと思っています。お客様に対してだけでなく、採用面でも相乗効果がうみだせるといいですね。
ちょうど今、会社案内の冊子も改定しようと進めているんです。これまでは会社案内も、建物や印刷機の写真が多くハード寄りだったんですが、今回は「人と会社」に関する必要な情報だけを、シンプルにまとめたものにしようと考えています。
坂本 Webサイトのリニューアルが、いろんな面で影響を及ぼしているようで嬉しいです。採用面での効果も楽しみです。
大河原さん 社内でWebに関わる立場からすると、これをきっかけにWebサイトの構築や運用に興味を持ってくれる人が増えたらいいなと思ってます。これからは、若い人材にどんどん仕事を引き継いでいきたいですね。
上野さん 日本創発グループとの合併もあり、私たちの会社も変わっていきます。他社との差別化がますます必要になるので、新しいWebサイトを、ブランディングや会社のあり方をしっかりと発信する場にできればと思います。会社のカラーや方向性をリアルタイムに発信するなど、今後はノウハウも増やして、客先での営業活動にも活用できるものにしていきたいですね。