Fri.
12
Jan,2018
河原崎 平
投稿者:河原崎 平
(デザイナー)

2018年01月12日

ものさす年賀状2018 デザインの裏側
〜すこしはやい、ものさすのおとしだま〜

デザインの目のつけどころ

河原崎 平
投稿者:河原崎 平(デザイナー)

「今回の年賀状、誰か作らない?」

秋も終わりにさしかかった11月末のデザイン部会議で、これまで10年間、モノサスの年賀状を作り続けてきた部長の小野木からの一言でした。 (うーん、年末で忙しいけど、すごく勉強になりそうだなぁ)と思い、「興味あります」と私も一言。

小野木「あ、じゃあよろしくー」と、想像以上に軽いノリで過去10年間のバトンを受け取ることになり、(のちに産みの苦しみを体験することを知らずに)2018年の年賀状は私、デザイン部の河原崎が担当させていただくことになりました。
もうお手元に届いている方もいるかと思いますが、今回の記事はその年賀状デザインの裏側を紹介します!


過去の年賀状

冒頭でも述べましたが、これまでの年賀状は、デザイン部の小野木が作り続けてきました。 イラストをメインに用いて作ることが多いですが、毎年違うテイストで描いており、そのクオリティと描き分ける幅広さは、自分の上司ながら舌を巻きます。

20180112_01.jpg
小野木が過去に制作した年賀状の数々。

私もイラストを描くことは(自称)得意分野ではありましたが、改めて過去の年賀状を見て、こりゃイラストメインの同じ土俵で作るのは無理だな…と、少しプレッシャーで胃が痛くなりながら、まずはいろいろなメンバーとコンセプトのアイデアを出すことにしました。


今回のテーマは「ものさすサイト」と「お年玉」

コンセプト決めの際は、プロデュース部の部長兼Food Hub Project支配人の真鍋、去年まで年賀状をデザインした小野木、ものさすサイト編集部の中庭など、強力なメンバーたちとアイデアの相談をしました。

相談させてもらっている中で「ものさすサイトを生かしたいよね。2017年のものさすを象徴する出来事も記事として網羅されているし」というアドバイスをもらいます。
2017年、ものさすではいろいろな出来事がありました。フルフレックス制度やバディランチのスタートや、コーディングファクトリーの本出版などなど。
いつもお世話になっている方々に、ご挨拶も兼ねてものさすの事を知ってもらう良い機会という事もあり、ものさすサイトを連動させる事を年賀状に取り入れました。

しかしこれだけでは、ちょっとコンセプトとしては弱い…。そんな中、「今年は、パンがアツかったよね」との声が。
2017年の春からモノサスでは、徳島県の神山町のFood Hub Projectの一環で「かまパン&ストア」というパン屋をオープン。毎週木曜に代々木のオフィスにもかまパンが届けられるのです。

20180112_02.jpg
毎週木曜日、代々木のオフィスに届いたかまパンを購入するメンバー。

毎週大人気で、ものさす社員に愛されるパンを、いつもお世話になっている皆様にも食べてほしい。そんな想いから「ものさすからのお年玉として、食パンをプレゼントして食べてもらいたいね」という事で、「お年玉」をコンセプトに取り入れることにしました。
また、過去の年賀状ではA4~B5サイズの厚紙に印刷してお届けしていましたが、今回はサイト記事やパンの事など盛り込みたい要素が多かったので、A3サイズに折り加工をして、広げてもらう見てもらうタイプのものを制作しました。

20180112_03.gif
A3サイズの紙に、クロス頁折り加工をつけて印刷。


2017年を象徴するものさす記事をチョイス

今回、ものさすサイトの記事を年賀状に掲載するにあたって、月毎に1記事をものさすサイト編集部でチョイスしました。
選定のポイントとしては、今年のモノサスを象徴する出来事や、モノサスメンバー内でバズった記事をピックアップ。掲載した記事の一例としてはこんな感じです。

3月:義務と権利から、自由と責任へ
 モノサスがフルフレックスを導入した理由
モノサスの働き方が大変革した、フレックス制度導入の記事。

7月:辛さの向こう側の旨味を求めて 〜蒙古タンメン中本への道〜
社内でちょっとしたムーブメントを起こした、伝道師・山中による激辛ラーメン蒙古タンメン中本を熱く語った記事。

10月:バディランチ、はじまりました。
モノサスのランチ制度に革命を起こした、バディランチ制度の記事。

12月:大人になっても自由になれる? 「自由」の身体感覚を共有した徳島行き
全社員で徳島県で研修&パーティを行ったことをふりかえる記事。


記事の一つ一つにQRコードを入れて、ものさすサイトにもすぐ飛べるように。

記事選定にあたって、私も2017年の記事を振り返ってみましたが、例年以上にモノサスの働き方に異例とも言える改革があった年だったと、改めて感じました。


開いて見てもらうための表紙デザイン

今回、折り加工したものを透明封筒に入れてお届けするので、表紙は「取り出して、開いてもらう」ための工夫が絶対条件でした。
そんな中、真鍋から「表紙自体をぽち袋にしたら、お年玉として何かもらえそうで開けたくなるよね」というアイデアをもらいます。
確かにそれなら、もらった時に取り出して見てくれそう。ということで、ぽち袋をキーワードに制作をスタート。
また、何か象徴となるものを表紙に置きたかったので、招き犬を描いて配置しました。

ちなみにモチーフを招き犬にしたのは、今年が戌年という事以外に、招き犬には「繁栄」という意味があり「日頃お世話になっている皆様の会社の繁栄を願って」という意味を込めて、招き犬にしました。
そして、ぽち袋の由来というのは、犬の名前の「ポチ」から来ているという説もあり(諸説有)、裏設定で「ポチ」と名付けています。

20180112_05.jpg
今回の年賀状の表紙。フォントは遊ゴシックをベースに、ペンタブでなぞって手書き感を演出。
毎年、他社さんの年賀状よりも早くお届けしたいので12月末に届くようにしているため、タイトルを「すこしはやい、ものさすのおとしだま」としました。


表紙デザインから「ものさす」らしさを学ぶ。

最後の最後まで悩んだのが、表紙のトーンです。
制作時、下記のような表紙案をいくつか作ったのですが、どれも決定打に欠け、メンバーからも「ものさすらしさがないよね」との声が…。

20180112_06.jpg
今回使用しなかった表紙ラフ案の一部。

入稿前日になって、表紙以外の箇所は、ほぼデザインは確定したのですが、表紙に関してはなかなか良い案がまとまらずにいました。

ものさすらしさ…ものさすらしさ…

私が煮詰まっている時、部長の小野木から「最近の“ものさすらしさ”って、良い意味でWeb制作会社らしさが無いんだよね。デジタルよりアナログ感。かと言って力を抜きすぎないみたいな感じ」というアドバイスをもらいます。

20180112_07.jpg
煮詰まっている時、小野木からアドバイスが。

ふわっとしたアドバイスではありましたが、このアドバイスで、今までのボツ案が“ものさすらしさ”を表現できていなかったのは、無意識に“自分の得意なテイスト”に逃げてしまっていたため、“ものさすらしさ”がうまく表現できていなかった事に気付かされます。
その後、pinterestなどを見ながらぴったり来るイメージを探して、ものさすっぽいテイストを模索していきます。

普段私があまりデザインしないテイストの、手書きの風合いが合うトーン(私の中でしっくりきたのが、「うかたま」や「天然生活」のような生活雑誌にあるようなテイスト)を参考に、より“ものさすらしさ”が出るようにイラストをブラッシュアップしていきます。
手招きする腕の角度や、小判に添える手の自然な配置など、どうすれば可愛げがあって魅力的な犬になるのか、小野木と共に細かいディティールを詰めていきました。

20180112_08.jpg
犬の変遷。小判を持たせて正月のおめでたさを出したり、手の角度を調整しながら、ブラッシュアップしていきます。完成後、この犬(ポチ)には手がかかった反面、ペットのように愛着が湧いてきました。

そんな入稿間際の“産みの苦しみ”を経て、なんとか入稿。
印刷された年賀状は、社員のみんなで透明封筒に手作業で封入しました。(2000枚近くを封入!)

そんなこんなで出来上がった、ものさすからの少し早い「おとしだま」。
完成までに、いろいろな方向性を模索しましたが、結果として良い年賀状ができたと自負しています。
手元に届いた方は、年賀状を広げてものさすの1年を感じていただき、あわよくばご感想をお送りいただけると幸いです。

2018年も、どうぞよろしくお願い致します。

【年賀状をお送りした皆さまへ】
パンのプレゼントのご応募締切は、来週の月曜(2018年1月15日)までです!
既にご応募いただいた方、ありがとうございます!
まだの方は、ものさす記事のご感想と合わせて、ぜひご応募よろしくお願い致します。(応募フォームは、年賀状の中面をご覧ください。)

この投稿を書いた人

河原崎 平

河原崎 平(かわらざき たいら)デザイナー

デザイン部所属。バスケとドローンと絵を描くことが好きなサウスポーです。ベジェ曲線的イラストにロマンを感じます。町田周辺によく出没します!

河原崎 平が書いた他の記事を見る