制作会社選考とリニューアルプロジェクト全体のスケジュールを決めていきます。BtoB業種109社に聞いたサイトリニューアル期間に関する調査データと合わせてご紹介します。
提案スケジュールを決める
提案からプロジェクトスタートまでのスケジュールを決めます。以下のような内容を決めて、RFPに記入してください。
- オリエンテーション・・●●年●月●日~●月●日で調整
- 提案書・見積書提出日・・●●年●月●日
- 提案・プレゼンテーション・・●●年●月●日~●月●日で調整
- 選考結果のご連絡・・●●年●月●日
- 契約締結・・●●年●月●日目途
- プロジェクトスタート・・●●年●月●日目途
事前に提案書・見積書の提出を依頼する場合は、その日程をいれてください。
コンペ形式をとる場合は、プレゼンテーションのところに、1社あたりの所要時間も書いておくといいです。時間の目安ですが、30分では短いです。提案の範囲やサイト規模にもよりますが、1時間(提案:45分、質疑応答:15分)は欲しいところです。
その他、当プロジェクトの制作責任者(プロジェクトマネージャーなど)の参加やプレゼンテーションを求める場合もここに記入しておくといいでしょう。
ここで、最も迷われるのが、「オリエンテーションから、提案・プレゼンまでに、どれくらいの期間が必要か?」ということだと思います。現状を見ると、2週間~1ヵ月くらいの案件が多いです。リソースの手配や、企画・提案書の作成を考えると、2週間では短いです。3~4週間くらいが妥当だと感じます。4週間あれば、制作会社も準備ができます。また、依頼する側にも間延びしてしまう感じが出てくると思いますので、4週間以上は不要だと思います。
公開日を決める
プロジェクトのスケジュールを決めます。RFP作成時点では、公開日のみを決めれば大丈夫です。その期間内のスケジューリングは、制作会社の提案をもとに、すり合わせをしていく形になります。
- ●●年●月●日公開を期限とする
RFPには、この1文を記入すれば大丈夫です。
ここでの迷いポイントは、「どれくらいのプロジェクト期間が妥当か?」ということだと思います。一般的な例をあげて、考えてみたいと思います。
- ページ数:300ページ程度
-内訳-
50ページ:HTMLコーディングで作成する「事業紹介」や「サービス紹介」等
250ページ:CMSで記事登録をして作成する「ニュース」や「製品情報」等 - スマホ対応:レスポンシブWebデザインで、インタラクティブな動きを実装
- CMS:ニュース、製品情報にCMSを実装
- 機能:問い合わせフォームの実装、CMSを使った製品の絞り込み機能を実装
製造業のBtoBのコーポレートサイトリニューアルでよくある一般的な要件です。
この例の場合、「6〜8ヵ月程度」が妥当な期間になります。
ひと昔前なら、「3ヵ月でコーポレートサイトを公開する」ということも珍しくなかったのですが、概算予算額を見込むでも書いたようなWeb環境の変化や制作の実態から考えると、現実的ではありません。
参考までに、モノサスではBtoB企業のWeb担当者の方々に取材をさせていただき、その結果をまとめた「BtoB企業のWeb担当者に聞いた コーポレートサイト運用実態レポート」を制作しています。発注(初回打合せ)からサイト納品までの期間を調査したところ、最も多かった回答が「半年〜1年未満」で半数を占めていました。このことからも「6〜8ヵ月」をスケジュールの相場と見ていただけるかと思います。
また、プロジェクト期間中は、通常業務とリニューアル業務を兼務する担当者がほとんどです。担当者にとって、大きな業務的・精神的負担がかかります。「制作会社からの提案の精査」「サイトの設計」「社内承認」「制作会社との打ち合わせ」「原稿の準備」「諸々の社内調整」等々、多くの業務が発生します。制作会社は、人数を増やしたり、役割分担をしたりして、短納期に対応することは可能です。しかし、リニューアル担当者は、そうはいきません。担当者にとっては、ただでさえ大変なリニューアルプロジェクトですので、現実に即した適切なプロジェクト期間を設定することを強くおススメします。
公開日を考える時に、以下のような条件もあるかもしれません。
- 展示会などのイベントに間に合わせたい
- 採用活動のスタート時期に合わせたい
このような条件が、RFP作成時点でわかっている時は、時期と合わせて記入しておくとよいでしょう。プロジェクト期間として妥当じゃない時も、段階公開にするなど、制作会社と相談しながら、進めることができます。
まとめ
「RFPの作成」→「提案~制作会社の決定」→「リニューアルプロジェクト」→「公開」という流れを時間軸で考えると、コーポレートサイトリニューアルは、1年仕事になります。焦らずにじっくりと、一つずつのタスクを消化していきましょう。